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うまく“たとえる”コツ

最近テレビを見ていて気づいたことをいくつか。

『TAKESHIS’』という北野武監督の最新作について、11/4(金)の「めざましテレビ」のインタビューで「これは今までの北野作品の集大成にあたるものですか?」と訊かれた北野監督は次のように答えていました。

12個パック入りの卵があるだろ? 今までの映画はこのパックに1つずつ卵を詰めてきたようなもので、今回の作品でようやく1パックに全部詰め終わった、という感じ。次に映画を撮るときは、また別の新しいパックに1から詰め直していくんだよ。

11/5(土)の「世界一受けたい授業」という番組で、『震災時行動支援マニュアル』という「授業」があり、その中で地震防災対策強化地域(東海地震)判定会会長である溝上恵氏が「感度の非常に高い計器を使って地震の予兆を測定し続けている」という話をした後に、以下のように言っていました。

25メートルのプールに直径1センチのビー玉を落としたときに生じるわずかな水の揺れも感知できるくらいの精度です。

最近、このような“たとえ上手”な事例をあちこちで目にし耳にすることが増えてきているような気がします。そういう“たとえ”がなければうまく理解できないような複雑な世の中になりつつあるということかも知れません。

PC初心者向けに、ハードディスクを“冷蔵庫”、メモリを“まな板”にそれぞれたとえて説明する話もよく聞きますが、これらに共通することは言うまでもなく、未知のものを既知のもので説明する、という試みです。

もちろん、既知のもので説明することには限界があったり、厳密に言うと間違った解釈につながる危険性もあるのですが、さしあたって大まかに理解するうえでは有効な場合がよくあります。

そんな“たとえる”コツをまとめるとすると、以下のような感じになるでしょうか。

 1.相手にとって身近なもので説明する
 2.未知のものを既知のもので表現する
 3.ストーリーに乗せる

書き出してみたところで、改めて、すぐに実践できるようなものではないことに気付きました…。

とはいえ、たとえ話は話している相手との距離によって変えるべきものだという今さらながらの発見はありました。

例えば、小学生を相手にする時と、年配の方に話す時とでは当然たとえ話の内容も変わってきます。相手にとって一番身近でわかりやすい例を取り上げ、これと関連づけられれば、相手にとって“腑に落ちやすい”説明ができるでしょう。

自分の得意分野について、いろいろな年代や職種の人を想定しながらそれぞれの人にとって一番わかりやすい説明の仕方を考えてみると、新しい発見がありそうです。

「肩凝りを知らない相手に肩凝りを説明するには?」
「江戸時代の人にFAXの便利さを理解してもらうには?」
「プログラムを組んだことがない人に“バグ”とは何かを説明するには?」

さらに、これを続けていると、制約のある条件下での思考訓練にもなりそうです。そもそも現実の毎日は制約だらけですから。

<うまく“たとえる”コツ>

相手の目線で考え続ける。