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「必要な英語力」だけは身につける4つの英語ハックス

1.タイマーで読む
2.書き写す英文を探す
3.1対1でネイティブと喋る
4.マークシートハックを押さえておく

楽しく、ラクに、シンプルに! 英語ハックス
佐々木 正悟

日本実業出版社 2009-02-19
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拙著『英語ハックス』が本日から発売です。堀E正岳さんと共著で、苦手というか、あまり縁のなかったTOEIC対策などを中心に、TOEFL対策、一部ライティングハックスなども、担当していただきました。本書は副題の通り「楽しく、ラクに、シンプルに」を主旋律としてまとめたつもりですが、もちろん実用書としての内容を持たなければいけません。

実用的な要素としては、やはり「英語をわざわざ勉強するなら、当初の目標だけは果たしたい」というわけで、「最低限の成果を出すための英語ハックス」を盛り込みました。以下で見ていくのは、そんな「ミニマムハックス」の一例です。

1.タイマーで読む

「タイマーで読む」の意味は、時間を短く区切って、それ以上の時間は読まない、ということです。たとえば、1日20分、英文を読むと決めたら、20分以上は読まないことです。べつに20分でなくても、40分でも、60分でももちろんOKです。ただそれを、タイマーで厳格に計ります。

私たちの価値観というのはおかしなもので、やめなければならないとなるとそれに固執し、いくらやってもいいとなると、だんだんとどうでもいいものに見えてきます。本屋さんで目にした新刊は、買って読まないと損をしたような気がするのに、いざ買って家に持ち帰ると、読んでいる時間がもったいないような気がして「つんどく」してしまうのです。

(これはもちろん、乱暴にいいきってしまったもので、一種の心理的な傾向に過ぎず、これを克服されている人はたくさんいるでしょう。心がこうした傾向をもつのは、理由のないことではなく、めったに手に入らないものを大事がることで、サバイバルを有利に導く側面があるわけです)。

時間が区切られていると、モチベーションを保ちやすくなります。疲れることも、ペースが乱れることもあるのが自然でが、時間という拘束だけを動かさないことで、「英文を読む」ことのストレスが減じられていきます。

「必要な英語力」というタイトルでしたが、この方法で、どうでもいいような英文メールを読んだり、英文のクレームメールを読んだりもするわけです。そうしないと、ただでさえ読む気満々でない英文の場合、どんどん先送りの対象になってしまいます。

2.書き写す英文を探す

英作文とはいいますが、英語をイチから「作って」しまうと、非常に英語らしくない文章ができあがります。もちろん間違っていることも多いですし、仮に間違いがなかったとしても、どことなくしっくりきません。一般的にしっくりくる英文を用意するには、やはりネイティブが書いたもののほうが良さそうです。

今はインターネットがありますから、定型的な英文でよければ、情報源には困りません。お詫びメールの書き方も、挨拶メールの書き方も、モデルは一通りそろっています。そもそもアメリカ人にしてからが、それらの書き方を「習って」きているので、誰が書いても一般的に「しっくりくる」ものになるのは、ある意味で当然なのです。

問題は、それほど都合よく「言いたいこと」の内容に近い英文が見つかるかどうか、ということです。根気よく探せばたいがい見つかりますが、どうしても見つからなければ、Google翻訳で日本語をいちど英文に直し、そうして訳された英文を参考にして、再び検索にかけるという方法もあります。

このようにしてあちらこちらから「つないで作った英文」は、全体としてみると、どうしても変な文章になってしまいますが、イチから全部自分で「作る」英文よりは、たいていかなりましなものになります。つないで作った変な文章をもう少しましなものにするために、リライトしてくれるサービスもあります。ただしもちろん有料なので、気のいい友達に直してもらうことができれば、そちらをおすすめします。

3.1対1でネイティブと喋る

これでスピーキングとリスニングの両方を、一度で勉強できます。
最大の問題は、そういう友達は一人もない、というところです。

そもそも日本に住んでいて、話すネイティブの友人知人などが一人もいないのに、英会話ができるようになる必要があるとすれば、仕事で電話の応答などをしなければならないからでしょう。この場合「必要な英語力」とは、電話に応答できる力、ということになります。

ここでも、インターネットの力を借りてみましょう。電話での応答の仕方を勉強するには、たとえばYouTubeに以下のような動画があります。

 
» Telephone English: Taking a Message

 

 
このようにして、目的をぎりぎりまで絞り込んで、まずは「それができる能力」を身につけて、そこから徐々に、一般に通じる「英語力」を拡大していこうというのが、「英語ハックス」の「実用的な側面」です。

4.マークシートハックを押さえておく

言うまでもなく、これはTOEICに代表される、テスト対策です。本書にも書いたことですが、英語力は英語力。テスト力はテスト力です。テスト力をのばしても、英語力が伸びるわけではないかもしれませんが、全く何も知らず闇雲にテストを受けるより、十分に準備するだけでも、100近くスコアが違ってきます。

リスニングにおけるマークシート問題への対応の仕方などは、大学受験時代も一通り身につけたつもりでしたが、堀さんに執筆いただいたTOEICパートなどを読んでみると、「TOEICに特化した対処の仕方」はもっと特殊です。そういう意味で本書は、共著者が読んでも、とても勉強になる本でした。これはウソではありません。

TOEIC900越えは当たり前、TOEFLでも満点近くとれる、そして英検一級で、お父さんは外務省に勤めています。私たちはなるべくそういう方の書いた「英語本」ではない本を作ろうとがんばってみました。そんなネイティブと変わらない人が、何も「英語を工夫して勉強」したり、「英語の勉強を続けるために少しでもゲーム感覚で」と考える必要はないと思うのです。むしろどちらかというと、「TOEICのスコアはあまり言いたくないし、自分に必要な範囲の英語は何とかカバーしているけれど、人知れず苦労もしている」というタイプの人が、実践できそうなハックスを整理してみました。