「自由」を増やすためとは言え、黙っていると自宅の屋根すらなくしかねないような生活を始めるのであれば、そのあげく自分の時間はまったくない、という事態は避けたいはずです。一歩間違うとフリーランスは四六時中仕事をしているのに収入はほとんどない、ということになりかねません。
しかしそれでも私はせっかくフリーランスである以上、金策以外なにも考えられないという事態でない限り「まずやりたいことをやり、しかる後に仕事をする」というスタイルを崩したくないと思っています。
(これは経済状況にかかわらず難しいことです。強い不安に襲われるからです)。
使う時間となくなる時間
いったい自由とは何を意味するのでしょう?
どうにも難しすぎる問題ですが、私はTaskchuteを使っていてある行動の「開始時刻」と「終了時刻」を記入したとき、ときどき思い当たります。
・この時間は自由だった
・この時間は自由ではなかった
そういう違いを見つけるのです。
人によっては「充実した時間を過ごす」といった表現を使うと思いますが、私自身はもっと具体的なイメージを持っています。「自分で時計の針を回したような時間を過ごしたとき」と、「自分ではなにもしなかったが時計の針が回ってしまったとき」とがあるのです。
私はこれを簡単に
「時間を使ったとき」(時計の針を自分で回した)
「時間がなくなったとき」(時計の針が勝手に回った)
と述懐しています。
「時間を使った」ように過ごすのがベターかもしれませんが、こればかりで一日を過ごすのはとても無理です。精神的にずっとマラソンをして生きていくようなものです。経験的には一日に40分もあればいい方で、1分もないときもけっこうあります。
しかも「時間を使って」何ができるかとなると、いよいよ厳しい問題にさいなまれます。
お金を稼ぐ時間とお金を使う時間
私達は行動するのにお金を全く使わないことはほぼ無理なので(自宅にいれば電気代や固定資産税がかかっており、外出していればそれなりにお金を使っています)、お金を稼ぐ活動(にもお金がかかりますが)以外はだいたい、お金を使う活動をせざるを得ません。
行動を
・お金を稼ぐ活動
・お金を使う活動
とに分けたうえで前述の「時間を使う」と「時間がなくなる」を掛け合わせると
1 時間を使ってお金を稼ぐ活動
2 時間をなくしてお金を稼ぐ活動
3 時間を使ってお金を使う活動
4 時間をなくしてお金を使う活動
という4タイプに分けられます。そしてノマドワーカーだろうとビジネスパーソンだろうと、この4タイプの活動のバランスを取りながら生きているはずだと思っています。
生産性を重視するなら1ばかりで過ごすのが理想かもしれませんが、そもそもそれは無理です。同様の理由で1と3だけで過ごすこともできません。
実にコントロールするべきは2と4(勝手になくす時間)だと思います。私は人と一緒に仕事をしながら2(給料のために時間がなくなる)から1(時間を使ってお金を稼ぐ)を見出すのが極めて難しい性格であるため、実質的には家でばかり仕事をするフリーランスです。喫茶でもけっこうダメです。
とは言え、一人きりで仕事をしていたとしても「2」がたくさんあるのが現実です。ただ「全部2になってもかまわない」と思わないようにすることがポイントです。これはむしろ一人きりで仕事をしているフリーランスこそ注意すべき点です。
そして4です。休日は全部4になっても何ら不思議ではありません。お金を使っているのに時計の針も勝手に回っている状態。元気なときはこの時間を減らそうと試みますが、疲れているときには抵抗できなくなります。
もちろん3が楽しいのですが、あとの反動はなかなかのものです。休日に3を志向しつつ同時に避けたくもなるのは、実際疲れるからです。それに「3」はお金も余計にかかったりします。ただし2と同様、全部4になってもかまわないと思わないようにしないと「今日はそもそもあったっけ?」ということになります。
ノマドをやるとこの事態がいっそう深刻になります。一歩間違うと毎日のすべての時間が4になるからです。
具体例がほとんどなくて恐縮な記事ですが、具体例は出したくなかったのです。どんな活動なら1か2か3かなどとは言えません。英語の勉強だから1だとか3だとか、テレビゲームだから4だとは言えないのです。それは主観的に、時計の針を回した感じか回った感じかで判断するしかないのです。
ワールドビジネスサテライト: 週間番組表 : 番組情報 : テレビ東京 |
こちらに取材していただきました。ネットでテレビに出るという情報発信するのは、あまり意味がないような気がして楽しくないのですが、そうは言っても「なぜ教えなかった」とあとから言われると申し訳ない気がするので、お知らせしておきます。
約100分取材されたのですが、本当に出るのかどうかはよく分かりません。90%出るだろう、という情報です。もし出なかったらこれはこれで申し訳ありません。
何時何分から何分くらい、というのも全然分かりません。もしこれで10秒くらいでしたらこれまた申し訳ありません。
雑誌の取材と違って勝手が分かりませんし、取材はうけたものの、詳細は全く知らされない(そういうもののようです)ためこういうお知らせの仕方になってしまい恐縮です。