学生の頃から、ノートを取るのが大の苦手でした。
まず、字がかわいくないので、自分が書いたノートを読み直したいと思わなかったというのもありますが、ノート取りを苦手とする最大の理由は
「なぜ、これを書いたのか思い出せない」
ということです。
おそらく、講義なりセミナーなりを聞いているときには、「ここだ!」と思って書き残していたのでしょう。
ところがどっこい、数時間、数日、数カ月経ってから見直したノートを見ると、タイムマシンに乗って、ノートを取っていたときの自分に「これどういう意味?」と聞きたい箇所が山ほどあるのです。
悲しいことに、これでは、このノートはまったく役に立ちません。
これが、仕事となったら「役に立たなかった」では済みません。
お客様に伺ったお話を元に記事を書こうと思っても、「どこが一押しポイントだっけ?」となってしまっては、信用に関わります。
そこで、ここ一年ほど愛用している秘密兵器が、Livescribe の Echo Smartpenです。
Smartpenでドットペーパーに書いた内容が記録される
Echo Smartpenは、ドットペーパー(DOT PAPER)という特殊な点が印刷されたノートと、録音機能のついたSmartpenを組み合わせて使います。
ペンのスイッチをオンにして、このノートに書くと、その情報がペンに記録されます。
ペンに付属するソフトウェアをインストールしたパソコン(WindowsでもMacでも可)と、SmartpenをUSBで接続すると、ペンに記録された情報がソフトウェアに読み込まれます。
文字をタッチするとその時の音声が再生される
このドットペーパーには、Smartpenを使用するときのコマンドが、すべて印刷されています。
音声を録音しながらノートを取るときには、ノートに印刷されている「record(録音)」「stop(停止)」などのコマンドをSmartpenでタップします。
録音しながらノートを取っておくと、後から、文字や絵の上をSmartpenでタップすると、その時の音声が、Smartpenで再生されます。
つまり、気になる箇所だけを即座に再生できる、というわけです。
これなら、「なぜ、これを書いたのか」を簡単に思い出すことができます。
厳密に言えば、メモを書いたときと、メモを再生しているときの自分の状態は違うので、「なぜ、これを書いたのか」という気持ちまでは思い出せないかもしれませんが、そこらへんが重要だと思ったんだな、ということは思い出せます。
Echo Smartpenを購入してからは、打合せやセミナーには必ず持っていき、録音可能な場合は録音して、仕事にプライベートにとめいっぱい活用しています(くれぐれも録音可能かどうかを事前に確認してください)。
このように、ほんの少しご紹介しただけでも、便利そうだということはお分かりいただけると思いますが、お勧めするにあたってネックなのは、価格と販売方法です。
日本では正式には販売されておらず、Amazon.co.jpなどのサイトで、並行輸入品を購入するか、Amazon.comで高い送料を払って購入するしかありません(私はAmazon.comですべてのオプションが含まれたPro Packを購入しました)。
しかしながら、高い送料を払っても、がんばって購入しただけの価値はありました。
これがないと、仕事にならないほどです。
便利な機能がまだまだありますので、次回は、動画も含めて、もう少し詳しくご紹介したいと思います。
▼海老名久美:
フィーリング重視のガジェッターでライターで翻訳者。「シゴトに美味しいスパイスを」中の人。