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時間を無駄にしないためのたった1つの習慣

By: Yogendra JoshiCC BY 2.0


この準備が大変で、久し振りに徹夜を含むデスマーチ状態で仕事を続け、そうした無理をしてなんとか発表できるところまで仕上げられました。ただ今回の仕事でちょっとした個人的な勝利も経験することができました。なんとかこの期間中、自分としては GTD の習慣を続けられていたという実感があったのです。

「多忙のときになかなか GTD を維持できない」というものがあります。普段続けるには手間がかかって面倒で、本当に必要なときに使えない、と感じるひとが多いようなのです。
本当に忙しいときでも GTD の効果を引き出す7つのポイント

「デスマーチに近い状況をどう切り抜けるか」というのはとてもためになる情報です。結局、余裕があるときにはどんな仕事術やスケジューリングをしていようと、さして問題になるわけでもないので、やはり、焦燥感が募って、対人関係を損ないかねない危険な時に力を発揮してこそ、優れた仕事術と言えるでしょう。

ただ、多忙になったときに力を発揮する仕事術と、そもそも超多忙になることを未然に防ぐ目的の仕事術とが、あると思います。私自身はGTDを本格的に実践していませんが、GTDの考え方には影響を受けていて、超多忙になることを未然に防ぐという目的で、GTD的な発想を利用していると思っています。

だからデスマーチをつねに防げているとは言えないところがつらいのですが、それに近い状態になっても、何とか持ちこたえられているとは思っています。

GTD実践のためのタスクシュート利用法(入門編)

私はここ二年弱、シゴタノ!管理人の大橋さんが作った「タスクシュート」ユーザーとしてやっています。これだけ使い続けていると、それはそれなりに改善要求点も出てきて、ここをGTDで補完できないかということを、時々考えたりしていました。

しかし、今回『ストレスフリーの整理術』を一読してみて、「それは難しい」という結論に落ち着きました。タスクシュートのやり方とGTDは、相補的と言うよりは重複的です。だから、2つ同時に完全導入すると、メリットよりは二重管理のデメリットのほうが多くなってしまうのです。

それでも、もし両方に興味がわいてしまった私のような人は、GTDとタスクシュートを相補的に使おうとせず、GTD実践のための1ソフトとして、タスクシュートを導入することをおすすめします。ちょうど、オムニフォーカスやリメンバーザミルクをGTD実践のために導入するようにです。

本来、タスクシュートはGTDを行うために設計されたソフトではありませんので、それらしいUIを備えているわけでもなく、GTDのためには、他のツールを使った方がいいとは思います。しかし、このブログをお読みくださっている方の中には、両方に興味がわくこともあると思います。そこで、とりあえずこう使ってみると、タスクシュートをGTDの実践目的で利用することもできる、という方法をまとめておきましょう。

収集

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GTDではまず、何はともあれ「収集」です。頭の中の気になっているモノをすべて書き落とすというわけですが、これをタスクシュートに書き落とします。ただし、「いつかやりたい」ことや「やってみたいけどタスクとは言えない」項目は、多すぎる場合、タスクシュートに入れないことにします。

少なければかまいません。

タスクシュートではアイテムを「いつやるか」まで書かねばなりませんが、全部「今日の日付」にします。全部で300を超えかねませんし、あまり項目が増えると速度が低下します。それに、タスクシュートでは基本的に「すべてやる」ことが原則ですから、ここに「ほんとうはやるつもりのないこと」を書かない方がいいのです。「本当にいつかやる」ことならば、記録しておきます。「本当にやるかどうかは不明だが、暇と金が十二分にあるときがあったらやってみたいこと」は、他のところ(後述します)に記録しましょう。

GTDの「インボックス」は言うまでもなくタスクシュート自体です。とにかくやるべき事は最初、できる限りタスクシュートに集中させます。「これは何か?」という問いも、タスクシュートを使っていけば不要な問いになりますが、最初は意識してもいいかもしれません。

行動を起こすべき?

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タスクシュートに、行動を起こさなくていいような項目はありません。あえて言うなら「休憩」ですが、休憩時にも、休憩を取る必要があります。つまり、タスクシュートにのっている以上、すべて「行動を起こすべき」なのです。

ですが、事前の計画はどうであれ、いざ実行時がやってきたときに、やる気が起こらない、タイミング的に適切でない、資料が不十分、など、いろいろと問題が発生します。そこで、GTDのワークフローを見てみると、「いつかやる・たぶんやる」リストに投げ込むか、資料フォルダに入れることになっています。

この、「いつかやる・たぶんやる」リストは、タスクシュートにはありません。だから私は先ほど、「いつかやりたい」ことや「やってみたいけどタスクとは言えない」項目は、多すぎる場合、タスクシュートに入れないと書いたのです。タスクシュートの項目はすべて日付属性を持つので、「1週間後にやる」のはいいのですが、「いつかやる」のはダメなのです。これは、EVERNOTEなどを利用して、別枠にリストを持っておきましょう。

ただし、「いつかやる」にしても、絶対にやらなければならないのであれば、EVERNOTEのリストより、タスクシュートの上においておいた方が、やり忘れが起こらないので安全です。これは1週間後、または10日後など、とにかく〆切前の、適当な日付を与えておきます。そうすれば、タスクシュートの機能により、当日が来ればそのタスクに直面することになるからです。

それから「資料」に向かうべき「タスク」ですが、私はこれを、デジタルならばやはりEVERNOTE、アナログなら「超」整理法で管理しています。そして、EVERNOTEの方は、チェックボックスをつけて毎朝チェック、「超」整理法は赤ファイルに入れて、一定のラインを超えたら再チェックします。

次にとるべき行動は一つ?

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一つであれば、問題ありません。

一つ以上あるのなら、つまりGTDで言うところの「プロジェクト」のようであるなら、タスクシュートのタスク複製」機能を利用してタスクを分解します。この際、タスクシュートにある「プロジェクト」に新たなアイテムを一つ作り、同じプロジェクトであることをで識別できるようにしましょう。

こうすることで、プロジェクトは一度にまとめて終わらなくても、一日のどこかの時点で完了することになります。日をまたぐとしても、タスクシュートでは日付を変えればいいわけですから、問題はありません。もちろん、最終的な〆切前に、すべてのプロジェクトタスクが完了しなければなりません。

ただし、このプロジェクトが非常に複雑なものである場合、やはりGTDのワークフローのように、外部に「プロジェクトリスト」を持っておいた方がいいでしょう。個人的にこれは、先ほど書いた「いつかやる・たぶんやる」リストと同じツールで管理した方がいいと思います。私ならどちらもEVERNOTEで管理します。

とくに、メインタスク管理ツールの他に、サブでタスク管理ツールを持つ場合、そのツールをあちこちに分散させるのは、得策ではありません。もちろん、タスクシュート上に、どのツールを参照すべきかも記しておく必要があります。この意味で、タスクシュートはメタタスクリストと位置づけられるでしょう。

さらに追記しておくと、この「外部ツール」にはGmailなど、メーラーも含まれます。したがって、たとえば「メールチェック」というタスクがタスクシュート上に現れたら、その時にメールをチェックするという流れになるわけです。ですから、「いつかやる・たぶんやる」リストや「プロジェクトリスト」を持つ人は、タスクシュートからそれらを毎日(できれば毎朝)、あるいは週1回程度、参照する機会を持つようにしましょう。

2分以内、自分でやる、特定の日付にやる

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いずれもタスクシュートでは、特別意識しなくてもいいでしょう。

まず「2分以内」ですが、これをまとめてどこかのタイミングでやる必要はないのです。2分アイテムも一項目で、まとめてやるならそうするし、分散させるなら分散させます。私は休憩代わりに分散させています。

次に「自分でやる」かどうかですが、人に頼むなら「人に頼む」という項目を作ります。連絡待ちリストに入るようなものならば、翌日送りにします。連絡が入ったら、「タスク新規追加」機能を使って、割り込ませます。そこで25分使えば、眠る時間(帰宅時刻)が25分遅くなります。

特定の日付」は特に扱いが楽です。その日の日付をタスクシュートで指定してやればよいからです。時間も決まっているなら、入るべき時間帯に入れてあげましょう。不明であれば、A(6:00-9:00)に割り当てておけば、当日の朝には思い出せます。

次にとるべき行動のリスト

これはタスクシュートそれ自体です。

めでたく一項目が終わったら、終了時刻を記入します。すると、タスクの一斉並び替えが終わり、次にやるべき事が現れます。ここで現在時刻を入力して、そのタスクに取りかかります。気が乗らなければ、他のタスクに取りかかりましょう。それもいやなら「新規タスク追加」で「休憩」を追加して、睡眠時間を縮めれば(あるいは帰る時間を遅らせれば)よいわけです。

時間を無駄にしないためのたった1つの習慣

では冒頭のテーマに戻って、「時間を無駄にしないために」GTDを利用しているとは、どういう事かを考えます。

一言で言えば、「暇になったときにやるべき事を思い出せる」ということです。デスマーチは恐ろしい嵐ですが、いつかは過ぎ去ります。そのとき私たちは、ほっと一息ついて、お茶をすすってしまうので、またいつか、デスマーチに見舞われるわけです。

GTDにはネクストアクションの現れる仕掛けがあり、「いつかやる・たぶんやる」リストが溜まるようになっており、「プロジェクトリスト」があります。このすべてが空っぽになるようなことは、おそらくないでしょう。

このシステムにしたがって、デスマーチが過ぎ去っても淡々と嵐に備えておけば、次はそこまでひどい事態にならずに済みます。仮にひどい要求に首が回らなくなったとしても、いろいろな手当を施しておいてくれた過去の自分に対して、頭の下がる思いをかみしめることが、きっとできます。

タスクシュートで私は、よくそんな気持ちを味わう機会を持てています。その上タスクシュートは行動記録機能を備えているので、そんな努力を「いつの自分」が前もって払ってくれていたのかまで、確認できます。そういう「励まし」のおかげでデスマーチを乗り切ることができるものなのです。

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