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三題噺方式と、ブログのネタ帳

By: vera46CC BY 2.0


倉下忠憲村上春樹さんの短編小説の書き方が次の本で簡単に紹介されています。


春樹流の三題噺、といった感じでしょうか。


20のポイントリスト

集中して短編小説を書こうとする場合、書く前にポイントを二十くらいつくって用意しておきます。

この「ポイント」は、別に何でもいいようです。なるべく意味のないことがいい、とも書かれています。

たとえば、そうだな、「サルと将棋を指す」とか「靴が脱げて地下鉄に乗り遅れる」とか「五時のあとに三時が来る」とか(笑)。

上のような頭に思い浮かんだ脈絡のないことを二十ほど書き留めて、リストにしておくわけです。

これで短編を五本書くとしたら、そこにある二十の項目の中から三つを取り出し、それを組み合わせて一つの話をつくります。

一つの短編でポイントを3つ使うわけですから、それが五編で合計十五個のポイントが消費されます。残った5個は捨ててしまうようです。

この仕組み自体は特に難しいことはありません。

  1. 頭に思い浮かんだことを書き留め
  2. それをリスト化しておき
  3. リストから要素を選び、それを組み合わせて物語を作る

三番目の「物語を作る」というのがうまくできるかどうかは、もちろん個人のスキルによるところが大きいわけですが、それ以前の段階ならば、誰にでも真似することができそうです。

でもって、これはブログのネタ管理にも通じるところがありそうです。

ネタをリスト化しているか?

Blogを続けようと思った時に、まっさきに整備した方が良いものの一つがネタ帳です。これはもう断言しちゃっても良いんじゃないかな、と思うぐらい重要なものです。

実際に使うツールはなんだってかまいません。使いやすい、あるいは馴染みのツールを選択すればよいでしょう。そこに、頭にぽっと浮かんだ「書きたいな」と思ったことをどんどんと入れていきます。

逆に言えば、その場所を見れば「自分が書きたいなと思ったこと」が全て閲覧できる状態を作っておくということです。つまり、ネタをリスト化しておくわけです。

思い浮かんだことをメモできても、それがリスト化されていなければ、ネタ帳としては不完全です。この場合のリスト化は別に箇条書きスタイルで縦に並んでいることだけを意味してはいません。一カ所に集まっている、ぐらいの感覚です。

たとえば、シャンプーを買いに行った時、入り口の棚に一種類、中の棚に一種類、レジの近くに一種類・・・という風にバラバラの棚に陳列されていたとしたら、「選ぶ」ことはなかなか難しいでしょう。一カ所に集まっているから、どれにしようかな、と選ぶことができます。

ブログのネタも同様で、一カ所にまとまっていることが大切です。そうしておけば、あっちこっち探し回る手間がなくなりますし、書きたいものを選ぶことができます。

それに、一カ所にまとまっていると、「あれとこれの話題は一つの記事にまとめられるな」「この説明に、この例えは使えるな」といった、ネタの化学反応が起きることもあります。こうした化学反応は時に面白い記事を生むことがあり得ます。それに人気の記事にはならなくても、自分にしか書けない記事にはなってくれるでしょう。

この感覚は春樹さんの三題噺方式に近いものがあるのかもしれません。

さいごに

ちなみに、今回の記事ネタは「三題噺をリバースエンジニアリングする」という思いつきから来ています。でも、実際はメモやネタ帳の話になりました。これも化学反応の一種です。

screenshot

ブログを書くことと、短編小説を書くことは同じ行為とは言えませんが、ネタの扱い方については学べることも多くあるのではないかと思います。

思い浮かんだことをずらーっと並べたネタ帳を眺めていれば、そこから自分なりのストーリーが立ち上がってくるかもしれません。

物語だけでなく、何かを説明する文章の場合でも、ストーリーというのは大切な要素です。

▼今週の一冊:

記事中に出てきた「三題噺をリバースエンジニアリングする」は、三題噺方式で書かれた小説を読んで、そこから三つのお題を逆算するという遊び(かっこよく言えば知的トレーニング)です。なかなか楽しそうだと思いませんか。

春樹さんが三題噺方式を使ったと紹介されているのが次の一冊。

『品川猿』の3つのポイントの一つは、きっと「猿が猿知恵を使う」だと推測するんですが、皆さんはいかがでしょうか。


▼編集後記:
倉下忠憲



この原稿がアップされているころには、新刊がアマゾンに登録されている・・・といいな・・・。

shigotanohandbooklogo

並行で進めていた本が両方とも一段落したので、やっと一息付けそうです。もりもり次の本の企画を考えていきます。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。