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「仕事を楽しくする」とは?

このブログの目的は、ブログのタイトルの通り「仕事を楽しくする」ことです。

「楽しくする」には実は2つの意味を込めています。

1.仕事を楽しいものにする(=変える;make it enjoyable)
2.楽しく仕事をする(=取り組む;do it enjoyablly)

楽しくない仕事を楽しいものに変える(=仕事を変える)ことと楽しく仕事に取り組む(=自分を変える)という2つです。

そもそも楽しくないものを「楽しい!」と思えるようにするには、仕事を変える(例えば、異動、転職、独立など)しかありません。でも、そんなに大げさなことをしなくても、仕事に対する自分の見方や姿勢を変えることで、相対的に仕事を変えることができます。つまり、自分を変えるわけです(例えば、そもそも自分はどうしてこの仕事に就いたのかを考えるなど)。

昨日、「仕事を楽しくしたいのにうまくできない」という問題に対して考えられる理由をいくつか挙げ、そのうえでその共通点として以下のようなことを書きました。

それは、「仕事を思うようにできない」という共通点です。ということは、自分の思うようにできれば、仕事が楽しくなるのではないでしょうか。

仕事には3つの成熟過程があると考えています。

1.最初は右往左往の試行錯誤
2.慣れてくるに従って、迷うことが少なくなりスピードも品質もアップ
3.だんだん飽きてきてやる気も能率もダウン

この中で3の「慣れ」にともなう「飽き」こそが、最初は楽しかったはずの仕事を楽しくなく(≒つまらなく)させている原因であると考えたわけです。

この「飽き」というメカニズムには「ロボット」が関わっているというのが昨日の主旨でした。そしてこの「ロボット」を、その本来の役割を損なうことなく、「飽き」をいかに併発させないようにするかがカギになりそうだ、と思い至ったのでした。

“仕事に慣れる”とは、その仕事の手順についていちいち考えなくても機械的に処理できるようになる状態、と言えるでしょう。手順の確認は「ロボット」により自動化され、本人はもっと別のことに頭を使うことができます。

でも、そうなると1つ問題が出てきます。

それは「なぜ自分はこの仕事をやっているのか?」というそもそもの目的が薄れてしまいがちであることです。右から来た書類に対して一定のルールに従って内容をチェックしたり必要事項を追記したうえで左に回す、という定型化された作業があるとき、その目的がどんなものであるかということは実は念頭になくても作業を行う上で支障はありません。

つまり手順さえ間違っていなければ、誰がやっても目的通りのアウトプットを出すことができるわけです。仕事が「決められたとおりにやれば、決められたとおりの結果が出てくる」という関数(function)として結晶化している状態です。

これは効率をアップさせるうえでは望ましい状態ではあるのですが、多くの場合、仕事は効率だけでは十分ではありません。

ところで、コンピュータ・プログラミングの世界では実現したい機能をいくつかの小さな機能に分解し、その1つ1つを関数として定義していきます。プログラムは、関数の集まりで構成されています。例えば、足し算をする関数、足し算をした結果を画面に表示する関数、ユーザーの入力を受け付ける関数など、1つ1つは非常にシンプルでありながら、それらが意図的・有機的に組み合わされることによって、大きな目的を達成するプログラムになるわけです。

1つ1つの関数は全体の目的を知らなくても、自分の関数としての役割(例えば、足し算をする)さえ果たせればプログラム全体の実行には支障はありません。逆にその役割をまっとうできないと、即座に全体に影響を及ぼします。

仕事が結晶化している状態は、人がプログラムと化した状態と言えます。全体の目的を意識しなくても自分の目の前のことさえやっていれば、仕事として成り立つ、ように見える状態です(実際に成り立っているかどうか、結晶は一切関知しません)。

とはいえ、人とコンピュータの決定的な違いは、ある1つのことをしているときでも別のことを意識したり考えたりすることができる点です。そして、興味深いのは、ある1つのことをしながら「楽しい!」と思うこともできれば「ツライ…」とか「面倒?」と感じることもできるところです。

人がコンピュータに勝てるとしたらこの部分でしょう。つまり、仕事を楽しくすることができるのです。

このブログもだんだん「ロボット」に支配されつつあるので、改めて目的を再確認してみました。

追記:2006/05/07(土) ご紹介ありがとうございます。