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あれほどやりたいと思っていたのに、いざそれができる状態になると別のことを始めてしまうのは、なぜか?



大橋悦夫あれほどやりたいと思っていたのに、いざそれができる状態になると、なぜか別のことを始めてしまう。

時間もあるし、必要な資料もそろっているし、やりたいという気持ちも十分にある。

なのに、「いや、その前にまずメールチェックをしておこう」とか「コーヒーを淹れてからにしよう」などと、取りかかるのを先延ばしにするのです。

これは、緊張感が高すぎるからではないかと思います。「やりたい」という気持ちが強すぎるがゆえに、いわゆるアガってしまってエネルギーの出力がうまくコントロールできない状態。

例えば、「今日こそブログを書くぞ!」と意気込んでPCに向かったものの、なぜか手が付かないような場合です。

何としても避けたい結果は「あぁ、結局今日も書けなかった…」という落胆とともに一日を終えること。

代わりに得たい結果は「やった! ちゃんと書けた! うれしい!」という歓喜とともに一日を終えること。

ここで重要なことは、「見通し」です。

最初に到達点を設定しないと極大値が自動設定されてしまう

これは僕が経験的に感じていることに過ぎないのですが、一日の最初に、あるいはあるタスクを始めるときに、得たい結果を決めなかった場合、脳内では自動的に“規定値”が設定されてしまうようなのです。

その“規定値”は恐ろしいことに「行けるところまで行ってしまおう」あるいは「一気に記録を更新しちゃおう」という、極大値なのです。

意図せずして自らハードルを目いっぱいに引き上げてしまうわけです。

しかも、このハードルは目に見えないので、本人は気づかないのですが、身体は敏感に感知します。それが緊張感を生じさせ、それが「メールチェック」や「コーヒー」への脱線を誘発する、という流れです。

リソースは限られている以上、行けるところにも制限がある

時間や体力や集中力など、一日のうちに使える資源は限られています。

この限られた資源で自分がどれくらいの成果を出せるのかは、昨日と今日とではさほど変わりません。

従って、昨日以前の記録を読み返すことで、「これぐらいなら過不足なくできるはずだ」というほどよい到達点を割り出すことができます。

この到達点が明確になると、「ここまでは必ず到達できる」という見通しが同時に得られるため、あとは自動運転のごとくその日一日を粛々と過ごすことができます。

もちろん、途中で割り込みが入ったり、抗しがたい誘惑に駆られることで脱線することはあるかもしれませんが、そういった脱線に対抗する術を身につけておけば、ある程度は避けることができます。

とにかく、一日の最初に、実績に基づいたほどよい到達点を設定することがすべてだと言っても良いです。

不必要にモチベーションを高める必要もありませんし、気持ちを盛り上げる音楽や香りや環境などもすべて不要です。

見通しさえあれば。

コントロールを手に入れる

結局はコントロールということになるのですが、すべてをコントロールする必要はなく、とにかく一日の最初にその日の到達点を決めて見通しをクリアにするだけで良いのです。

その原理と具体的な方法については『短時間で「完全集中」するメソッド』がおすすめです。わかりやすいイラストが良いです。

  • 勉強をしようとしていたのに掃除を始める
  • 掃除をしなくちゃいけないのに目についた本を読みだす
  • ネットで調べ物を始めたのに気づいたら動画に夢中になっている

こうしたことに覚えがありませんか?

そう、「やろうとした自分の気持ち」をあなた自身があっという間に裏切っです。

そしてさらに、

“未来の「集中する自分」が助けてくれる”

と、思ってしまっているのも問題です。

確かに、〆切で追い詰められたときに、火事場のバカ力が出たということがあると思います。

しかし、それは自分でコントロールしなくてはいけません。これができると人生に大きな差がつきます。

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