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一日の最初に「神の視点」を手に入れる

By: Daniel ZimmermannCC BY 2.0


大橋悦夫テレビゲームには大きく分けて次の2つの「視点」があります。

  • 1.主人公を上空または側面からとらえた客観的な視点で操作する
  • 2.主人公と同一の主観的な視点で操作する

例えば、スーパーマリオブラザーズは「1」の客観視点です。一方、ほとんどのカーレースゲームは「2」の主観視点です(客観視点に切り替えられるゲームもありますね)。

「1」の客観視点の特徴は、主人公には見えないはずの、壁や土管の向こう側や後ろから迫ってくる敵がプレイヤーには見えている、いわゆる「神の視点」が得られるところにあります。

「2」の主観視点の特徴は、主人公と同一目線である、という一点に尽きます。

目の前に障害物があればその先に何があるかを知ることはできませんし、背後から不意打ちを食らうこともありえます。

主観視点だけでは事後対応しかできない

通常、私たちの生きている世界は「2」の主観視点です。

「1」の視点を知っていると、「2」の視点がいかに矮小で限定的なものであるかを思い知らされます。

クルマを運転していて、通行止めに道を阻まれてUターンを余儀なくされるようなときに、このことを痛感するでしょう。

ゲームであれば、空からの視点であらかじめ通行止めの箇所が見えていますから、そこを避けて走ることができます。

でも、現実は矮小で限定的です。クルマを運転しているときの視点です。

次に何が起こるのかは起こってからしか分かりません。

せいぜい起こる直前に「あぁ、これは起こるのだな」という確実な、もはや覆せない兆しがわかるくらいですが、直前すぎて何もできないままそれに巻き込まれていきます。

たいていは起こってから「もっと早くから着手していれば良かった」という後悔を抱くことになります。

客観視点を手に入れることで事前対応の余地が生まれる

これを防ぐためには何とかして「1」の「神の視点」を手に入れることです。

実はTaskChuteはまさにこの「1」の視点を提供してくれます。

自分がいまどこにいて、何をしているべきなのかを教えてくれるからです。

朝、その日の仕事を始める時点で、その日の「ルート」が確認できていれば、あとはそのルートに沿って進むだけです。

もちろん、途中で予定外の“割り込み”が入ったり、リルートを余儀なくされる“事故”に遭遇したり、といった障害はその都度のりこえる必要はあります。

それでも、障害が全体のルートにどれくらいの影響を及ぼすのかを知るのは難しくありません。

すでに全体のルートが見えているからです。

一日の最初に「神の視点」を手に入れる

この状態を実現するためには、朝の時点でその当日の、あるいは理想的には前日の仕事を終える時点で、翌日一日の「ルート」が見えている必要があります。

下書きができあがっている状態、といってもいいでしょう。

この状態で一日を始めることができたとき、自分の仕事でありながら、「神の視点」でその日一日を眺めることができるようになります。

途中で「あれ、今は何をしようとしていたのだっけ?」と立ち止まることがあっても、TaskChuteに目を転じれば、「今しているはずのこと」がそこに明記されていることに気づくはずです。

「神の視点」はプロジェクトを進めるうえでも欠かせない

「一日」だけでなく「プロジェクト」についても、「神の視点」が欠かせません。

『仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本』では、「上空から眺める視点」という言葉で解説されています。

冒険のただ中にいても、いつでも、その冒険を上空から眺める視点に切り換えられるようにすること。

そうして、冒険を楽しい方向ヘコントロールしていかなければならない。目の前の出来事だけで右往左往していては目的地には近づけない。

だからこそ、「冒険の地図」を描いて、冒険を客観視することが大切だ。

かんたんだから、とにかく書いてみよう。

» 仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本


また、『佐藤可士和の超整理術』においては「引いて見つめ直す」という言葉で、やはり同様のことが指摘されています。

本質を探るには、引いて見つめることが大切

この章の冒頭で、「広告なんて誰も見ていない」と感じた話をしました。実はここに、視点を見つけるヒントが潜んでいます。

広告業界のなかにすっぽり入ってしまうと、視点がディテールのほうへ狭まってしまって、自分たちのことが客観的に見えなくなってしまう。そして、「広告は注目されて当然という考え方は、間違っているんじゃないのか?」と、引いて見つめ直すことを忘れてしまいがちになる──この状況は、「本質的な問題のありかに気づくためには、客観的な視点をもつことが重要だ」と教えているのです。

本質を探るということは、一見、物事の奥深くに入り込んでいくようなイメージがあるでしょう。でも実は、どんどん引いて離れていくことだと思うのです。客観的に見つめてこそ、いままで気づかなかった真実や大事なエッセンスを発見することができる。

» 佐藤可士和の超整理術 (日経ビジネス人文庫)[Kindle版]


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