「タスク時間の見積もりはどう決めたら良いんでしょう?」
タスクシュートのセミナーなどで、こういう質問をしばしばいただきます。
ベストの解は「使っていれば決まってきます」なのですが、これが非常に不親切に聞こえ、かつ、わかりにくい。
そこで少しここで補足します。
そもそも「タスクにかけるべき時間」というものは、そのタスクだけに注目しておいて一発で決まるものでは、決してありません。
「十分な時間」をかけるべき?
ここにそもそものややこしさがあるのです。
たとえば、毎日ウチのムスメは14:30頃に幼稚園から帰ってきますが、次のような問題があります。
- 家族との時間、なかんずく幼稚園時代の子どもとはより多くの時間を過ごすべきだという考え方がある
- 一方で、その子の教育費などが将来かさんでくることを思えば、いまのうちに将来性のある仕事にたくさんの時間をかけておくべきだと、特にフリーランスはいわれる
以上を踏まえたとき、14時から15時までの間に、書籍の原稿を書いたり、連載の原稿やブログの下書きには、どのくらいの時間をかけるべきか?
両方ともに「十分な時間」をかけるべきだ、という理想論がまずあります。
ムスメとの時間を、「16分」などですませるべきではないといわれれば、それはそれで本当でしょう。
しかし、15時から18時までの仕事の時間の中で、
- 関係者との連絡
- メール返信
- セミナーの準備
- 税務関係書類の整備
- 書籍原稿
- 連載原稿
などのすべてを、休憩しつつ済ませようと思ったら、ムスメとの時間に「16分」は、長すぎるくらいなのです。
一つ一つの仕事に
- 「時間をかけられるだけかける」
- 「十分な時間をかける」
の両者は、実は違うことなのです。
答えは、タスクシュートの原理がわかっていないと「2」だと思ってしまう人が多いのですが、実は「1」なのです。
重要な仕事には「かけられるだけ時間をかけるべき」なのです。
これがほぼ、唯一の原則です。
しかし仕事が多すぎるとどれほどたくさんかけたいとしても「かけられる時間」=「0」ということが、あり得るのです。
「かけられるだけの時間」が、さすがに「0」ではないにせよ、非常に少ない、ということを、タスクシュートは客観化して示してくれます。
十分な時間などというものは、よほどのことがない限り、かけられないのです。特に、時間管理をはじめたばかりの人は、そうなのです。
だから、「十分な時間をかけよう」などと思わず、いえ、そう思ってもかまいませんが、あらゆる仕事に対して
- 「これくらいはかかるだろう」
- 「かけなければいけないだろう」
- 「最低でもこれだけかかるだろう」
という時間を、まずは見積もってみてください。
するとただちに、「全部にそんなに時間をかけていたらいつまでたっても寝られない」という「答え」をタスクシュートが出してくれます。
しかし、現実には、誰もが寝ています。
ということは、どんなに大切な仕事をこなしている人だって、多くの仕事に「そんなに時間をかけていないか、あるいはほとんどやってもいない」という「事実」が明らかになるのです。
時間の使い方を「改善」できるとすれば、上の「事実」を明らかにし、自覚したあとのことです。
毎日1分はやるべきタスク
実は「自分では想像もできないほど短い時間を見積もるべきタスク」というものが、思いの外多いことに気づくのです。それは「1分」とか「2分」だったりします。
だからこそ、「1分単位」でタスクを管理しなければ、いけないのです。「毎日1分」やっていることは案外大事なことだったりします。それを日頃「1分もやってない」からこそ、あとで面倒なことに巻き込まれたりするのです。
日頃「1分でやるべきこと」をまったくやらないから発生するトラブルというものがあり、そのおかげで、本当に40分かけるべきことに手がけられなかったりする。それは致命的なことです。
» Taskuma — TaskChute for iPhone
Follow @nokiba
jMatsuzaki Store / 11月23日 人生を加速させる「ライフエンジン」をつくるセミナー! #ライフエンジン
11-23(月)は祝日で、こちらでゲストとして講演させていただくことになりました。
私の担当は「やる気」です。といっても、こんなイベントに参加される方が「やる気がない」とは思えません。
というわけで「どうやって夢を叶えるためのやる気を出すか」などという話はいたしません。
十分やる気があるのに、むしろ多すぎるくらいあるのに、いっこうになにもやり出せないときはなにを考えたらいいか、というテーマについてお話ししたいと思います。