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「Post-it Plus」による、あたらしい付箋体験

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photo credit: twicepix via photopin cc

倉下忠憲私は、かなりの付箋ユーザーです。書籍の執筆には付箋が欠かせません。なので、以下のアプリは期待を持って眺めていました。

Post-it® Plus

無料
(2014.11.14時点)
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※要iOS 8

付箋を撮影して、デジタル化してくれます。ハイブリッド手法をこよなく愛する私としては最高のツールです。もしかしたら、あたらしい付箋との付き合い方を提供してくれるかもしれません。

ちょっと試してみましょう。

使用方法

使い方は簡単です。

アプリを起動して、カメラボタンを押せば撮影モードが立ち上がります。

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あとは、付箋を写して、中央の撮影ボタンを長押し。

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すると、「この部分が付箋ですよね」というのがアプリ側で自動的に認識されます。されない場合は、付箋部分をタップすればある程度頑張ってくれますし、自分で範囲を設定することもできます。

取り込んだ画像は次のような感じ。

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ちなみに、付箋っぽいものなら3Mブランドのものでなくても、きちんと認識してれます。また、正方形に近い方が綺麗な画像ができます。

一括キャプチャ

ここまでであれば、ごく普通の写真アプリ(スキャナアプリ)と大差ありません。

このアプリのGreatなところは、複数の付箋を一気に撮影できる点です。

一回の撮影で、

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このように10枚の付箋がきちんと認識されています。

で、それを取り込むと、

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このように付箋の傾き具合まで再現されます。もちろん、これらの付箋を画面上で移動させることも可能。といっても、iPhoneの限られたディスプレイではいささか厳しいものもあります。その代わり、一枚一枚の付箋をスライドショーのように眺められます。

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※左右のスワイプで付箋が切り替わる

この感覚は案外快適です。デジタルならではの付箋の見せ方と言えるかもしれません。

データを外に出す

もちろん、デジタル化するのですから、他の端末にデータを送ることも可能です。

何種類かのエクスポート形式が選べますが、Excelファイルを試してみたところ、なかなか楽しめました。

エクスポートされたxlsx形式のファイルにはすべての付箋が保存されています。Macのpagesでそれを開いてみると、次のような感じ。

screenshot

で、これらの付箋はすべて独立した画像です。つまり、ドラッグで自由に移動可能です。もちろん、テキストの入力も可能なので、付箋からのデータ起こしも楽になるかもしれません。

screenshot

さいごに

Post-it Plusのポイントは以下の4つです。

  1. 「複数の付箋の撮影が楽チン」
  2. 「作成後の付箋をいつでも持ち運べ、スライド形式で閲覧できること」
  3. 「付箋のデータが、他の端末でも操作できるようになること」
  4. 「付箋のデータを、他の人にシェアできること」

地味ながら、案外大きいのは2です。最終的な枠組みが決定するまで、付箋によるブレストの結果をちょくちょく見返すことがあります。私は貼り終えた付箋の全体像をカメラで撮影していますが、それをやると個々の付箋が非常に読みにくくなります。Post-it Plusなら問題はありません。

ビュアーとしての使い方を拡張するなら、(それほど大きくない)情報カードを保存しておいても良さそうです。カメラで撮影するだけならスライド的閲覧に限られますが、Post-it Plusなら、それらを配置することも可能になります。

また、今後の期待としては3の強化があります。撮影した付箋がデジタル化されるだけでなく、書かれてある言葉がOCR認識されて、それがアウトラインの雛形のようなものになってくれれば、デジアナ連携としては最高の体験になるでしょう。

私は常々、使い勝手の良いアナログツールを排斥する形でのデジタルツールの推進、という視点はいびつだと感じているので、このアプリの方向性にはとても好感が持てます。

おそらくふだん付箋をたくさん使っている人ほど、このアプリは好感触だと思います。後からの使い方は具体的に想定せずに、パシャパシャ保存しておくと後々何か面白いことになるかもしれません。

Post-it® Plus

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▼今週の一冊:

睡眠が健康に与える影響というのは、よく聞く話ですが、睡眠にも個体差があったり、周りの環境に強く影響を受けてしまう、という話は案外忘れがちです。あたかも誰しもが同じで、コントロールできるようなものに感じてしまうことが多々あるわけです。

朝寝坊する人は不真面目である、というような考え方も一方ではあるのかもしれませんが、もう少し深いレベルで考えた方が良いのかもしれません。

» なぜ生物時計は、あなたの生き方まで操っているのか?


▼編集後記:
倉下忠憲



なかなか進まなかった原稿が、ようやく波に乗りだした印象があります。船出した、と言っても良いかもしれません。一度そうなると、もうただひたすらに原稿が書きたくなって、他のことがやりたくなくなります。真逆です。不思議なものです。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。