シンプルなアウトライナーと同じように、Gingkoもさまざまな使い方ができます。アウトラインを作ることもできますし、タスク管理も可能です。
今回は、テンプレートを参考にしながら、その使い方をいくつか紹介してみましょう。
ちなみに、これは「こう使わなければならない」という制約ではありません。あくまで、使い方を見つけるためのヒントとお考えください。
テンプレート:TimeLine
一つ目はTimeLine。簡単に言えば日記です。
その日の振り返りを書いてもよいでしょうし、何かのログを残していくこともできるでしょう。あるいは、アイデアマラソンをGingkoで行うのも面白そうです。書き留めたアイデアを膨らませるのも簡単ですね。
テンプレート:GTD
二つ目はGTD。Getting Things Doneです。
最上位ルートに「ネクストアクション」を設置し、その下に各種「コンテキスト」、さらにその下に実際のアクションを設置します。もちろん「ネクストアクション」以外の要素を配置することも可能。
テンプレート:Project Planning
三つ目はProject Plannning。プロジェクト計画です。
GTDは個人の全タスクを管理する方法ですが、こちらは単一のプロジェクトに関する情報をすべて集約する使い方です。タスクだけでなく、資料やアイデアなども盛り込めます。他の人と編集を共有すれば、さらに広がりがあるかもしれません。これについては後ほど詳しく紹介します。
テンプレート:Academic Paper
四つ目は、Academic Paper。学術論文です。
まあ、多くの人はあまり関係のない使い方でしょう。しかし、セルフパブリッシングでの本作りならもう少し身近かもしれません。
テンプレート:Screen Play
五つ目は、Screen Play。シナリオです。
ノーマルなアウトライナーだと、シナリオの構成って案外いじりにくいものがあります。前回書いたように、細部を詰めると全体像が見えにくくなるからです。Scrivenerというツールは、シナリオ作りに適しているのですが、若干大げさな嫌いがあります。Gingkoはちょうどその中間ぐらいのツールと言えるでしょう。
コラボレート
以上の使い方は、基本的に個人用の使い方です。
で、先ほども書いたようにGingkoはTreeを共有することもできます。
画面中央上部のファイル名をクリックするか、右上のSettingから「Setting of current tree……」を選択すると、以下のような画面が出てきます。
Visibillityで、treeの公開設定が可能です。
※フリーアカウントでは、一度公開設定したものをプライベートに戻せないようなので注意してください。
さらにCollaboratorsで、他の編集者を招待することもできます。たとえばプロジェクトの共同者を招待して、Project Planningの情報を集める、といったことですね。
他にも面白そうなことができそうです。
たとえば、アイデアの骨子を入力しておき、そのTreeにブレスト仲間を招待する。そして、アイデアに対する意見や、関連した思いついたアイデアなどを入力してもらう。Gingkoでは、下だけではなく横にCardを展開していくことができるので、アイデアに対する意見、その意見に対する意見、その意見に対するさらなる意見、……といった具合にいくらでも広げられます。
これはチャット的な使い方ではあるのですが、個々のCardが再配置・再編集可能という点が大きく違います。そうして入力してもらったものをそのまま使って、アイデア発想やまとめを進めることができるのです。
今のところ、上のような使い方はアイデア段階でしかありません。一度私の運営しているメルマガでブレスト仲間を募って、実地的に運用してみようと思います。感触では、きっと面白い使い方になりそうです。
さいごに
使い始めたばかりなので、このツールの奥行きに関してはまだ掴みきれない部分はあります。ただ、ウェブツールということなので、コラボ的な使い方をぜひやってみたいところです。
少なくとも、こうした作業に関してはEvernoteはまだまだ弱い部分がありますので、是非ともそれを補完するような使い方を見出したいところです。
あと、APIがあるようなので、外部ツールからカードを追加できるようになるかもしれません。そうなったら、また面白い使い方もできそうです。
▼今週の一冊:
ピア・ネットワークがもらたす未来について書かれた一冊。
巨大な組織はもちろん力を持ち続けるでしょうが、個人がこれまでにない力を持ちうる未来が近づいてきていることは確かです。すでに現代でも、半歩ぐらいはその未来に足を突っ込んでいると言えるでしょう。
インターネット至上主義ではなく、「インターネット的」なものを現実の世界に応用していく。そういうアプローチが有効ではないかと感じます。
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なんだか知らない間に8月が終わりに近づいています。もう「月刊くらした」計画の8月分の締め切りがヒタヒタと……。とりあえず作業は順調に進んでいますので、今月もなんとか間に合いそうではあります。乞うご期待。
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。