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ノマドワーク第0章:008「理想の自己像」という「影」に呑み込まれない

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私は自分のエントリにはアイキャッチを付けないようにしているのですが、ときどき面白い絵にぶつかることもあります。この絵は私の好きな画像の1つです。

この絵のような「理想の自己像」を心に抱えていると、それが重荷になります。ノマドワーカーもフリーランスも、この種の影には注意が必要です。

本当につくづく思うのですが「理想の自己」ならできることができないという苦しみほどつまらないものはないはずです。しかしこれに苦しまずにすませるのはなぜかとても難しい。そこで人は、自分の苦しみを正当化するために「そういうものがあるからこそ己の成長がある」とかなんとか自作バートレット引用句辞典を作り始めるのです。

逆の態度もあり得ます。確かに理想の自己像から見た「現状のショボイ自分」には我慢がならないところがある。しかしある程度「情報発信」して生きている人なら無理をしてでもその「ショボイ自分」を肯定してかからないと生きていくのも難しい。だから「しょぼくてもかまわない。しょぼくなんかない」ということをことさらに強調したくなるのです。

私はどちらも避けたいとよく思います。どちらも理想の自己像に無駄な栄養を与えることになるからです。いいのは「ただ」出すこと。

自分で自分を「受け入れた」り「拒否したり」しないこと。評価は完全に他人の手に委ね、しかもその評価による影響を可能な限りゼロに近づけること。(影響が存在するのは当然ですが、存在しないように振る舞うこと)。これらはノマドワーカーの自分に対する義務だと思うのです。

タスクシュートで私の「理想の自己像」は八割方瓦解した

とくに学生時代には「理想の自己像」に苦しめられていました。頭の中で作り上げられた理想的な状態ですから、万能に決まっており、その万能ぶりからすると現実の肉体をもった自分はあまりに脆弱だったからです。

それがタスクシュートでタスクの見積もり時間を管理し、そのログを取るようになって一変しました。真実が明るみに出たというわけです。「理想の自己」は単なる夢想家の馬鹿者でした。絶対に不可能なことをただできると思い込んでいたに過ぎなかったわけです。

いまだに理想の自己像は元の地位を取り戻そうと、私の心の中で暗躍しています。曰わく「タスクシュートなんか使うのはよしにして「全力で」物事に当たれ。そうすれば、今できないと思い込んでいることだって、できるようになるはずだ」などとささやくわけです。それも私以外の人間の、たとえば父の顔などを借りて教訓ぶった態度を取るわけです。

まるで深みのないセリフですが、私の心の弱いところとからんでいるために、私への説得力はなかなかのものです。(「全力でぶつかれば不可能なことなどない」などというのは、本当に紋切り型で、自分の頭にこういうセリフをつぶやく人格があるというだけでもいやになります)。

こういう時こそタスクシュートのログが役立ちます。2倍の速度で原稿を書くだけでも至難の業でしょう。「理想の自己」は愚かにも「全力で」やればその十倍でやれるといわんばかりです。仮にそれができたとして、理想的だとはとても言えない。でもそれをやらせたがるのが「理想の」自己というわけです。

▼編集後記:
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本書は私が監修した本ですが、かなり基本的な話に終始しました。特殊なアプリなどは一切出てきませんし、やることの大半はandroidでもiPhoneでも問題なくできます。

自分の本としては寂しいところもありますが、マニアックなところはまるで出てきません。地の文にはそれがやむを得ず散見されますが、そういうのがおいやなら無視してください。

本書を著者割引きで20冊ほど入手できましたので、第5回タスクセラピーにご参加いただく方で、本書をお求めになりたい方には1000円でご提供いたします。ただし冊数は20冊限定で、在庫がなくなり次第販売終了とさせていただきます。

9月22日 第5回タスクセラピー(タスク管理+時間管理)(東京都)