「借金して得たお金はいずれ返さなきゃいけないから借入金。ギャンブルで得たお金は不確実性が高く今後は期待できないから一時所得。働いて得たお金は今後も期待できるから安定収入──人はこうしてお金に色をつけて人生を生きているの」
(中略)
僕たちの仕事は、『お金に色をつける仕事』だったのか……。
「利益というのは、会社の実力を表すための色づけよ。自社株は自分たちが自由に発行できるのだから、利益に含めると会社の実力が正しく見えなくなるじゃない。自分で作ったテストで100点をとっても、実力には含めないのと同じことよ」(p.174)
ベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』、『食い逃げされてもバイトは雇うな』の著者によるシリーズ小説『女子大生会計士の事件簿』。すでに第5弾という人気シリーズですが、恥ずかしながら僕自身は同シリーズを読むのは今回が初めて。
それでも実にすんなりとストーリーに入っていくことができました。というより、ぐいぐい引き込まれたというほうが実態に近いです。