最近読んだ『僕は君たちに武器を配りたい』、数年ぶりのグッと来た本なので内容に踏み込んで少しずつ紹介していきます。
昔から日本では、家庭教師という仕事は、高学歴でも社会性があまりないために、会社勤めができないタイプの人が、十分食べていけるビジネスとして存在していた。
有名大学の大学院生が、塾の講師をするのも稼げるバイトだったが、今後はどうなるか分からない。レアジョブのようなサービスが広まっていけば、いずれはあらゆる分野の「先生」が、国際的な競争にさらされることになるだろう。
こうした急激な社会変化が、あらゆるところで起こっているのが現代の社会である。今までうまくいっていたやり方が通用しなくなり、これまでと同じ方向性でがんばっても、豊かな生活を営むのは難しくなってしまった。
物心両面ともに幸福で充実した人生を過ごすには、これまでとはまったく違う要素が必要なのではないか。そのことにみな気づき始めているのだが、かといってどうすればいいのか分からない。それが今の時代を覆っている閉塞感の大きな一因だと私は考えている。(p.28)
※赤字は大橋。
僕自身、今年でフリーランス11年目に入りましたが、とみに実感しているのが今までになかった肩書きで活躍する人が増えてきたことです。
一方で、昔からあるフリーランスにありがちな肩書き(フリーの○○○をしています、という時の○○○)だけでは食えなくなってきています。
信頼と実績のある人だけが指名され続け、そうでない人にはお声がかからないのです。つまり、これからフリーになる人が既存の肩書きをひっさげて挑むのは難しい、ということです。
最近では、この信頼と実績がウェブ上におけるプレゼンテーション、すなわちブログやソーシャルメディアによって誰の目にも見えるようになったため、チャンスが拡大しています。
マスメディアのアンテナがウェブに向いているからです。「何か面白い人はいないか?」というクエリー(検索)が日夜休むことなく発行され続けており、このクエリーに引っかかるような情報発信をしている人がチャンスを手にしています。
「今までうまくいっていたやり方が通用しなくなり」はしたものの、逆に言えばこれからは今この瞬間にひらめいたやり方や、あなたが今まで無意識に続けてきたやり方が脚光を浴びる可能性がある、ということでもあります。
本書を読むことで、そうした自分の中の埋もれた可能性に目を向けるきっかけが得られ、「ちょっとやってみようかな」という勇気をもらえるはずです。