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スピードアップの落とし物

物理学者のリチャード・ファインマンは、摩擦で靴底がすり減ったと言われたとき、「摩擦とは何か」と聞き返しました。もちろん、彼自身は摩擦が何であるかわかっていましたが、相手が知ったかぶりをしているだけなのかどうかを確かめたかったのです。

「靴底は、舗道に接するたびに、舗道の表面の小さな突起によって細かい粒子として砕かれ、少しずつ減りました」という答えが戻ってくると、ファインマンは満足そうにうなずきました。

『スウェーデン式 アイデア・ブック』より


繰り返される事象に名前を付けることによって、毎回長々と回りくどい言い方をしなくても済むようになり、お互いの意思疎通のスピードがアップする。

でも、この了解内容にブレが生まれると、同じことを話しているつもりが噛み合わなくなる。そんな時は、そもそも「○○ってどういう意味だっけ?」のように原義や定義に立ち戻り、そこですり合わせを行うようにすれば、不一致点が見つかって誤解が解けるばかりでなく、世の中ではスルーされてしまっている本質に気づくことができるかも知れない。

» スウェーデン式 アイデア・ブック