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読書を「脳へのインストール」に変える5つのステップ

By: Christopher John SSFCC BY 2.0


 1.「探す」ための探書リストを用意する
 2.指名買いで「買う」
 3.2枚の付箋でマーキング「読み」
 4.読書ノートに「記録する」
 5.デジタル索引で記録を「活用する」

『読書は1冊のノートにまとめなさい』より

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読書は1冊のノートにまとめなさい 100円ノートで確実に頭に落とすインストール・リーディング 奥野宣之

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1.「探す」ための探書リストを用意する

著者は、「探書リスト」という独自のリストを作り、そのリストを利用して本を購入するようにしているそうです。そうすることで、書店での衝動買いを防ぐことができ、本の購入が主体的にできると言います。

つまり、探書リストというのは、本を買うためのリストというわけです。
書籍に特化した買い物メモと言えばいいでしょう。

書店に行くと、どの本であっても「必要な本」のように見えてしまい、その衝動で買うと、読みもしない本が書棚に並ぶことになる、と筆者は指摘します。そんな状態を筆者は嫌っているのでしょう。

もう一つ、探書リストを作って、本を書く目的も記しておくことを筆者はすすめています。目的をあらかじめはっきりさせておけば、流して読めばいいか、じっくり読んだ方がいいかなどについて、事前に判断ができるから、というわけです。

2.指名買いで「買う」

このような探書リストがあれば、あとは書店に行って、本を買うだけです。
しかしここで、ちょっと疑問がわきます。

たとえば今ならば、アマゾンなどのオンライン書店があるのだから、こんな方法をとらずとも、探書リストに相当するものをオンラインに用意し、あるいはアマゾンで「欲しい本」のリストを作り、それを元に本を買えば良さそうです。

実際、私ならそうしそうですし、本書をそういう考え方で使ってもいい。
が、筆者の前作は『情報は1冊のノートにまとめなさい』です。

つまり筆者は、若いにも似ず、アナログ派なのです。デジタルツールも使いこなせますが、「1冊のノート」に対する思い入れはかなりのもの。探書ツールももちろん、「1冊のノート」に集中しています。

そして次が大切なところですが、探書リストは、読書ノートとつながってくるのです。もちろんそれは「1冊のノート」に記録するわけです。だからこそ全部をデジタルに集中させるわけにはいかないのです。(あるいは、そうしたくないのでしょう)。

私自身も実際、いわゆるリアル書店でけっこう本を買っているので、こういうやり方であれば、これはこれで便利だろうな、と納得するところがあります。そうでなくても、読書ノートを取るというのはかなり面倒な作業なので、PCの起動時間がかかるというだけで、挫折してしまいかねないわけです。

3.2枚の付箋でマーキング「読み」

さて、本を買ったらいよいよ「読む」段階ですが、筆者の「1冊ノート」主義から当然「読書ノート」を記録することになります。

が先に述べたとおり、「読書ノート」は面倒くさい。筆者はどうしているか?

読書ノートを読後につけることになるのですが、読書中にその下ごしらえをしておくのです。それは類書によく紹介されていることですが、筆者の方法は
かなり現実的、つまり簡単です。

著者は、「読書」作業と「マーク」作業を分けます。同時にやろうとすると、いやになりかねないからということです。したがって「読書」中は「マークすべき箇所」だけに印をつけておきます。これにしたがって後ほど「マークする作業」に入るわけです。

この作業をするに当たり、2枚の付箋だけを使います。
1枚の付箋は単なるしおり。つまりどこまで読んだか。
もう1枚は、マーキングのためのしおりにします。つまり、どこまでマークが済んだのか?

2枚目が1枚目を追い越すことはあり得ません。読み終わっていない箇所が大事かどうかなど、不明だからです。

どこをマークするかは、どうやって覚えておくのか?
筆者は、マークしたいページを折り返しておくことを奨めています。

この方法のいいところは、読みながらペンを扱わずに済むところです。

4.読書ノートに「記録する」

読書ノートの「継続が難しい」ことを、筆者は強調しています。
それだけに、読書ノートをつける際には、「抜き書き」だけにとどめるように述べています。マークした箇所を、ただ書き抜いていくだけにとどめるわけです。

要約の方がいいという意見も当然あるわけですが、要約は時間がかかります。
それより、マークしたところをただ抜き書きした方が簡単だといいます。
また、アナログ派の筆者らしく、「抜き書き」は手書きせよといいます。
「手を動かした方が、記憶に残る」からです。

さらに筆者は、「一言でいいから感想も書く」事を勧めています。

デジタルだろうとアナログだろうと、私にはここはなかなか、同意できても実践できそうにないのですが、筆者の姿勢には頭が下がります。

5.デジタル索引で記録を「活用する」

探して、買って、読んで、記録する。というステップを踏んできたところで、最後の仕上げが「活用する」。

100円のノートにどんどん読書ノートを記録した場合、問題は「どうやって必要に応じて読み返すのか?」ということです。

この問題を筆者は、デジタル索引システムを構築することで、解決しています。
このシステムもなかなかのもので、本書を読んでいてややうらやましくなりますが前作、『情報は1冊ノートにまとめなさい』に詳しく書かれているので、ここでは省略します。

▼関連リンク
情報を一元化する時に注意する7つのチェック項目

まとめ

本書の方法を実践するには、「1冊のノート」の実践が、必要に思えます。
ですが、筆者の読書術は非常に現実的で、部分的に抜き出して読書ハックと考えることも可能です。

そのように考えると、巻末のツール集や、抜き書きを効率的に行うための方法など、本を買って良かったと思わせられるポイントが、豊富にあります。

この通りに一度やってみてもいいと思いますし、自分なりの読書術に応用するのもよいでしょう。

本を買う
本を整理する
読書ノートをつける

私も仕事柄、いつも考えることですが、いろいろと難しい問題があって、いつも試行錯誤の途上にあります。

筆者ほどアナログ主義に同調できない私ですが、本書で紹介されていた方法のいくつかは、試してみたいと思うものでした。お金があったら買おうと思うツールもいくつかありました。

なお、本書は「1つのテーゼ」にしたがって書かれた「読書本」ということができますが、「読書を効率化する、もしくは実り豊かなものにする」ための「読書ハック集」がもっと欲しいという方でしたら、原尻淳一さんの『READING HACKS』もおすすめです。

いずれの本も、どこもかしこも役に立つ、というわけにはなかなかいかないとは思いますが、まだ知らなかったり、なるほどと思わせられるツールや知識がたくさん紹介されていますので、中で3つ、4つを活用できれば、けっこう面白い変化を実感できるものです。

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