今、ちょっとした腸炎で苦しんでいるため、自戒を込めたリスト。
- 1.休めるかぎり休む
- 2.親しい人と会話する
- 3.余計な心配を一切しない
- 4.運動する
参考資料『ストレスとはなんだろう』
実は上記4項目は「理想」であって、そう簡単にできることではありません。もちろん、特に目新しい条項ではありません。しかし、この4項目に近づけられれば、心身を苛烈に痛めつけずに済むはずです。
ストレスに負けないための4つの対策
1.休めるかぎり休む
私たちはけっこう「ストレス」を軽く考えていますが、杉晴夫氏のようなストレスの専門家が書いた本を読みますと、ストレスというものは怖いものだと思い知ります。ストレスというのは単に心理的な、いわゆる「気のせい」のものではなく、副腎の肥大、胃の内壁からの出血、免疫力の低下など、具体的・身体的な症状となって現れるものなのです。
この状態から回復するために、最善なのは「睡眠」であり、ストレス源から距離をおくことなのですが、それができない人ばかりです。次善の策は、心理的に距離をとり、やはり休める限り休むことです。
2.親しい人と会話する
心理的に距離を置く1つの方法として、親しい人と会話することがあります。
これがなぜ有効か。わかりやすい説明として、ストレスというのは、劣悪な環境にいるせいで、生体が危機的状況に陥るのを防ぐために、反応することだと定義できます。
親しい知人との会話ができる環境は、生体にとって劣悪な環境ではありません。
つまり、安全で好ましい環境に身を置いていると確信できる状況です。となれば、生体がストレス反応をやめる充分な根拠となりうるわけです。
ストレス反応とは、生き延びるために難しい環境に、いわば「見せかけだけでも」適応することをいいます。一時的に、適応できたふりをするわけです。
しかし「ふり」ですからもちろん無理があります。その無理が「ストレス反応」と呼ばれるものなわけですが、この状態が延々続くと、動物は死んでしまいます。
3.余計な心配を一切しない
せっかく、安全で安心できる環境に身を置いたとしても、そのことに疑いを抱くとストレス反応は続いてしまいます。実はこうして精神障害までいたってしまう人も少なくありません。
人間の脳というのは「解釈好き」なので、「大丈夫大丈夫」と思っていても「でも本当に大丈夫だろうか?」といったん疑いを抱けば、その疑いの部分を拡大解釈してしまう悪癖があります。
そのように猜疑心を強めていけば、「どんな意味でも絶対に大丈夫」な環境などあり得ないことになってしまいます。そういう目で眺めると、どんな場所だってストレスフルに違いないのです。
4.運動する
ストレス対策として運動はとても大事です。
その理由はたくさんありますが、おそらく自分の身体感覚に自信を持つことができるからです。
このことの意味は、自分の運動神経に自信を持つという意味ではなくて、自分が存在するとか、自分の体が動くということを、脳が実感できるということです。
また言うまでもなく、運動していられるような環境は、安心の置ける環境です。
少なくとも楽しみでする運動ならば、そうでしょう。ここは親しい人との会話に通じるものがあります。いずれにせよ、ストレス源になるような環境とは心理的に距離を置く必要があるのです。
まとめ
繰り返しになりますが、私たちは「ストレス」を甘く見ています。
本書を読めば、おそらく人はそうはならないだろうが、動物はストレス反応で死にかねないということがわかります。そのことの意味は、「現代人がストレスに弱くなった」というよりも、「動物とはストレスに類するものにもともと弱い」のです。
今回紹介した本は、とてもいい本です。200頁弱、820円にして、この内容は相当のものです。セリエ、キャノンなど、聞いたことのある名前が多く登場しますが、彼らのドラマをもう一度読み直すだけでも、読んで決して損のない一冊です。