1.「怒りノート(ブログ)」を用意する
2.怒り(凹み、苦悩)を感じたときに「自分の夢」を書き留める
3.「怒りノート(ブログ)」に書いた「自分の夢」を検証する
4.「自分の夢」を実現するために明日できることをリスト化する
5.リストを「Checkpad」などに書き込む
6.次に腹が立ったときは、2に戻る
inspired by 『幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学』
幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学 熊谷 淳子 by G-Tools |
多くの心理学者が指摘するとおり、人間(動物)は、いいことがあったとかおいしいものを食べたなどのポジティブな感情よりも、怒り、悲しみ、苦痛などのネガティブな感情の方を大きく評価します。百万円を得た喜びよりは、百万円を失った苦痛の方が強く感じられ、よく記憶されるということです。
ということは、喜びを得ようとするよりも、苦しみを取り除く努力の方が、自分にとって報われる可能性は高いということになります。そこで、日々感じる怒りなどのネガティブな感情の元を、少しずつでも確実に断っていくことで、生活の質を「改善」することができそうです。
1.「怒りノート(ブログ)」を用意する
まずはこれがなければ始まりません。
「怒りの元」を断つためには、その原因となっている事柄を、腹を立てていないときに分析する必要があります。
人間の思考能力が偉大なのは、経験内容を感情から切り離して検討することができるからです。しかしここで問題になるのは、感情が切り離されると、内容も忘れてしまったり、忘れないまでも「たいしたことじゃなかった」などと過小評価されがちになることです。
「たいしたことじゃなかった」ようなことに、腹を立てたという事実をはっきりさせることで、そのような事態を未然に防ぐためのツールを、まずは用意します。
2.怒り(凹み、苦悩)を感じたときに「自分の夢」を書き留める
「自分が何をしたくないかはよく分かるけど、自分が何をしたいのかはよく分からない」という人がいます。それほど不思議なことではありません。すでに述べたとおり、ネガティブな感情をポジティブな感情より重視するのは普通のことです。
そんな人でも、自分がとても怒っているときや、とても苦しみ・悩んでいるときには、「この悩みや苦しみがなくなれば!」と感じるはずです。つまりそれがその人とって、たとえ一時的なことであっても、強い願望になります。
私は子供の頃から、グループで楽しむということが苦手でした。大学や会社に入ってからは、その傾向に拍車がかかりました。しかし孤独も苦手であったため、そのどちらも避けられるような人間関係を築くことが、私の1つの「夢(目標)」となりました。
このように、ネガティブな感情を経験する事態を、生じさせない方法を探すことで、そこから自分の目標を設定することは、自然の流れに沿っています。
3.「怒りノート(ブログ)」に書いた「自分の夢」を検証する
とは言え、怒っているときは冷静さを欠き、ときにエスカレートした感情で物事を判断してしまいます。本当に「たいしたことのないこと」まで、あまりに過大評価してしまうのです。
そこで、「自分の目標」によって、本当に自分の生活状況が良くなるか、本当に「怒りの元」を撲滅することができるかについて、改めて冷静なときに検討しましょう。
たとえば私は、「集団」も「孤独」も避けるという「目的」を達成するために、「二人で話すのがいい」というタイプの人を探すことにしました。
もちろんこういうことはいわば「仮説」ですから、これで本当にネガティブな感情を全的に避けられるかどうかは分かりません。あまり厳密にすると「目標」を立てにくくなりますから、「これでいけそうだ」という目的設定を、冷静な自分で判断すればそれでいいでしょう。
4.「自分の夢」を実現するために明日できることをチェックリスト化する
「明日できること」は、大変でなく、具体的なものである必要があります。「心がけ」のようなものでもかまいませんが、具体的にどう心がけるかは、分かっていた方がいいでしょう。
私の例を続けますと、「二人で話すのがいい」という人を捜すために、他人の交友関係をよく観察するようにしました。(なお、現在はそんなことはしていません。これをしていたのは、主に20代の頃のことです)。すると、「人が好き」とか「みんなといると楽しい」といった「告白」は、アテにならないことが分かってきました。
アテになるのは、実際に居酒屋や買いもののとき、どのくらいの人数で行動しているかです。「言う」ことは無視して、「実行していること」で嗜好を探るというのは、基本的なことですが、人の本音を知る上で大切です。
「心がけ」とはこの場合、「人が行動する際に選択している人数に注目する」ということになりますが、これは一度や二度実践しても意味がありません。継続的に行っていくことで、有効な行動基準が見えてきます。
5.チェックリストを「Checkpad」などに書き込む
そのようなわけで、チェックリストはただ作るだけではなく、毎日チェックする必要があります。「ネガティブ回避チェックリスト」とでも名付け、百式さんのcheck*pad等にインプットしておきます。そしてそれを「モーニング・リスト」に設定しましょう。毎朝、「心がけ」を忘れずに確認するためです。
もちろんこれはどんなツールでも、同じようなことができるならけっこうです。紙のノートでも、読み返すことを忘れなければ、いいわけです。大事なことは、これを繰り返すことによって、未来のネガティブな体験に遭遇する可能性を、日々小さくしていくことなのです。
6.次に腹が立ったときは、2に戻る
ここまでやってももちろん、生きている限り怒ったり凹んだりと、ネガティブな感情を持つ機会はたくさんあるでしょう。そのチャンスは確実に活かすようにします。つまり、その機会を得たら再び「怒りノート(ブログ)」を開いて、体験を追記するのです。
もちろん、自分自身も変化します。たとえば私は少なくとも20代前半の頃に比べれば、集団も孤独も気にならなくなりました。でも他のことはもっと気になるようになりました。だから、「怒りの元」を断つ方法も、自然と変化します。(傾向として、お金がからむように変化しています)。
この変化に対応するためには、定期的に「夢(目標)」と、それを実現するためのリストも、生き物のように変化させなければなりません。変化させるためには、いいタイミングで見直すことが必要です。そのいいタイミングとは、再び「怒った」ときなのです。