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「作業」をブラックボックス化する

blackbox
photo credit: Martin Deutsch via photo pin cc

仕事をしていると、派生してやらなければならない作業というものが発生します。私自身の例でいいますと、本の原稿を書いているうちに必要になる文献の引用を写すことや、そもそもその文献を見つける作業です。

このような作業はいったん「脇道へそれる」ことになるため、できるだけ短い時間で済ませ、すぐに「本線」へ戻ることが理想です。つまり、

原稿執筆→文献検索→文献引用→原稿執筆

という流れがあるとすれば、文献検索や引用にかける時間や手間は、必要最小限に絞り込めないと、執筆全体に停滞が生じてしまうのです。

ところが往々にして、こうした作業は時間をとることが多く、ひどくなると執筆自体にかかった時間の半分以上が、「ついでの作業」にとられることになります。

複雑化した「ついでの作業」

「ついでにする作業」が複雑になってしまっていると、そうなる危険性は高くなります。先の仕事の流れを一般化してもう一度図式化します。

仕事A1→作業B1→B2→B3→B4→仕事A2…

という流れになっていて、Bの部分が肥大化してしまっているのです。こういう場合悪くするとAに戻れない事態すら発生します。(引用文献がいつまでたっても見つからず、イヤになってしまう、あるいはそもそも自分がやっていたことを忘れてしまうなど)。

だから仕事をする人は、Bの部分が無意識に近く、ほとんど一瞬で済むようなツールを見つけると、嬉しくなります。高価な文献管理システムなどが、意外なほど重宝されるのは、きっとそのせいでしょう。

作業のブラックボックス化

大橋さんが紹介されていた、Webサイトをコマンドで呼び出す「StartCommand」もそうしたツールのひとつです。つまり、次のような流れを実現できるツールということです。

仕事A1→[作業B(ブラックボックス化)]→仕事A2…

人間の脳にも、この「作業B」のパッキング化を実現しているような要素が、たくさんあります。ほとんど無意識のうちに運転したりするのは、よい例です。また、言葉で考えることなどもそうでしょう。(記号で考えられるように訓練することを推奨している本もありました)。

ツールを組み込むような具合に、人の脳に「能力」をplug-inすることはできませんが、訓練を繰り返して習慣化すれば、それに近いことを実現できます。そうすれば仕事はより楽に、速くやれます。

ただ、このplug-inにかかる時間が問題です。ツールを組み込むような具合にはできないので、一定の時間と根気が必要になるでしょう。ピアノを弾くような難しいことはともかく、簡単な習慣(たとえばGoogle検索をコントロールキーの連打で呼び出すような習慣の無意識化)ですと、意識的に3日かければ「ブラックボックス化」できるというのが、私の経験則です。