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ユビキタス・キャプチャーを続けたい人のために

By: Bine RodenbergerCC BY 2.0


このタイトルは本当はおかしなタイトルで、「ユビキタス・キャプチャー」というものは、続けなければやっていることにならないものです。思いついたことを一回メモするだけでは、ユビキタス・キャプチャーにはなりません。知識よりも継続力が問われるライフハックです。

なお、「ユビキタス・キャプチャーってなに?」という方は、Lifehacking.jpのエントリをお読みください。その中には次のようにユビキタス・キャプチャーの意義が説明されています。

ものごとに「忘れる」すきを与えない安心の感覚。創造性や発想力。そしてなによりも、人生の一瞬一瞬を捉えて放さないぞ、という「コントロール」の感覚です。

続けるためには「快」が不可欠

言い尽くされていて、目新しくない話なのですが、何かを継続するには「快」が必要不可欠です。とくにユビキタス・キャプチャーのようなやってもやらなくてもかまわないことだと、そうです。これをしなくて、上司から叱られたりすることはありませんから、「快」が必要不可欠なのです。

「快」すなわち快感ですが、これはしばしばとらえどころがなく、ひどく個人差の大きいものです。人によって何を快感だと感じ、何を不快に感じるのかは、まったく違うのです。しかも、なぜ快感だと感じ、なぜ不快だと感じるのかも、あまりにも微妙な要素が入り交じるので、本人もまったく理解していないことがあります。

この辺のことを詳しく知りたい方は、ぜひ次の本をお読みになってください。専門外の方にはやや難しい本ですが、バラス・スキナー以来、これほどよく「無意識に得ている快感が行動に及ぼす影響」を丁寧に教えてくれる人は希です。どうしても難しい方は、ライフハック向きにばっさりダイジェストしてしまっていますが、私のセミナーのレポートを参考になさってみてください。

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なお、同じ本ではありませんが、同じテーマを扱ったダマシオの『感じる脳』は、勝間和代さんのベストセラー『効率が10倍アップする新・知的生産術』でも推薦図書としてリストアップされていますから、お読みになった方も多いでしょう。

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「不快」が多いと挫折する

「快」が必要不可欠であると同時に、「不快要素」がたくさんあると、すぐに挫折します。個人的に思うことですが、モレスキンを買ってもロディアを買っても、ユビキタス・キャプチャーはまったく実践できないという人は、「何でも記録すること」が不快なのだと思います。

不快というのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、色々と面倒くさく、また馬鹿らしく感じているのでしょう。面倒くさいという感覚はゆるやかに「不快」ですし、馬鹿らしいことをするのもまた、不快です。ただそれだけではないのです。ペンが手元にないから探すのも不快なら、インクが切れたペンを使うときにも不快感があります。自分の書いた字が汚ければ、それを自覚するのも不快でしょう。

不快要素はこのようにたくさんあります。どれもとても小さな要因です。ユビキタス・キャプチャーを続けられないとき、何も意志の強さなどという仰々しいものを持ち出す必要はないのです。早朝マラソンしようという話ではないのです。それよりも、小さな小さな不快感の記憶が蓄積されて、あっさり遠ざかってしまうのが挫折の主要因です。

「快」と「不快」を探し出せ

以上、ごくありきたりの話に得心がいきましたら、ユビキタス・キャプチャーを続けるための個人的な快感要素を探し出してください。不快要素も見つけ出してください。快の要素を強め、意識し、不快要素を撲滅するようにしていけば、続けられます。

これはユビキタス・キャプチャーに限った話ではないのです。私は最近、かろうじてブログが連日続けられるようになりましたが、続けられるようになった要因は「1Password」と「Text Expander」と「MarsEdit」にあるのです。

ぜんぶLifehacking.jpの堀さんに教わったものですが、「ブログを続ける」というときに障害となったのは、Password入力が面倒くさかったことと、同じ文章をくりかえし入力するのが面倒くさかったことと、タグを覚えるのが面倒くさかったことなのです。それを面倒くさがりながらも何度も続けていたため、それらを取り払ってくれるツールを使うのが快感なのです。だから続くようになったのです。

個人的に、ユビキタス・キャプチャーはロディアのメモに記録してこれをEvernote へ転記しています。モレスキンは結局ほとんど使えていません。最近わかったのですが、私はモレスキンを使うと、不快感を覚えるのです。その理由はたぶん見開きだと小指が当たったり当たらなかったりすることと、紙の手触りが若干嫌いなのです。あまりにも細かすぎて、自分でもなかなかわからなかったことであり、人に言ってもしようがないことです。

シゴタノ!でも大橋悦夫さんが「ロディア」を使う気持ちよさについて書かれていますが、快というのはこのように大事なのです。これは、だれもがモレスキンよりロディアを気持ちよく感じるということでは全くないのです。ここに個人差があるわけです。

しかも、特殊加工(マイクロカット加工と呼ぶそうです)で、きれいに切り取ることができます。「切り心地が良い」ということで愛用されているようですが、実際に使ってみると、なるほど、気持ちが良いです。

https://cyblog.jp/714

なお私は切り取るためにはカバーが必須だと思っています。切り取ったメモをどこかにとっておくことができないと、切り取る気になれないからです。そこで不快を覚えると挫折します。そんなことで挫折してしまうものなのです。

 

▼編集後記:
佐々木正悟

「冬はつとめて」とか書いてくれちゃった人が大昔にいましたが、とんでもないことですね。冬は真昼まで寝床にこもっていたいものです。起きてからはこたつにこもっていたいものです。こたつは一般には肌に悪いから、私は絶対に使えないけれど、それがとても悲しい。

と、このように、当シゴタノ!にも、自分を甘やかしたがる、ゆるキャラの執筆者がおりまして、毎週木曜を担当したりしてます。本当に懐の広いブログだと思います。

上昇志向も、成長も、自己啓発も大好きだけど、ときどき疲れちゃうよね、というときには、ぜひ「佐々木で一服」してみてください。また元気に走り出せるようになるかもしれません。高速道路にもパーキングエリアがあって、定期的に立ち寄ることが勧められていますね。