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調子が良くても時間がきたらやめる



佐々木正悟 以下は作家の森博嗣さんのブログからの引用です。

何度も書いているように、僕のポリシィの一つは「頑張らないこと」です。根を詰めない。しゃかりきにならない。集中しない。とことんやらない。調子が良くても所定の量でやめ、調子が悪くても所定の量をこなす。

疲れないようにすることが一番大事なポイントなのですが、疲れるというのは、疲れたと気づいたときには、もう疲れているわけですから遅い。

疲れるまえに気づくのは難しいので、体調以外のなんらかのバロメータによって、疲れないうちにやめないといけません。

たとえば、プロ野球のピッチャだったら100球と数で決めているようなものです。

店主の雑駁: 「頑張る」ことの是非

私がこの一節で抜群に重要だと思うのが「調子が良くても所定の量でやめ」というところです。これができない、という人が多い気がします。

リソースは常に不足している

調子がいいときに、調子に任せて仕事を進めてしまうと、かなり自然の成り行きとして、調子が悪いとすすめられない、ということになるでしょう。

時間術においても同じようなことが言えます。

好きなこと、為すに値すること、価値のあることを「減らす」「やらない」ことによって、時間を作ることができるわけで、「ムダでないなら全部やる」というやり方だと、絶対的に時間がなくなっていくでしょう。

メンタルパワーも同じです。最近「MP」という概念が広まることで、ようやく「限界まで使い込まないのがいい」という話は浸透しつつある気がしますが、「やらない」ことで節約が可能になるのであり、それも「価値があることでもやらない」ということが、MPを解放してくれるわけです。

リソースが足りてない。これこそが出発点です。有り余っているのであれば、節約など不要でしょう。足りてないのであれば、必要なところにも、「充分に」回すことはできないのです。

上の引用記事では「ピッチャーの100球」を例に挙げていますが、日本球界ではそれでも「120球、130球」と投げさせる傾向が色濃く残っています。「気持ちが入っているときは大丈夫」とか「大舞台だけなら大丈夫」といった無意味な言葉が、受け入れられやすいのです。

強いチームは優勝を争うものですから、「大事な試合」が続きます。結果として、他より良いピッチャーをめったに100球で交替させるわけにはいかなくなります。

たとえば、2017年シーズンに夏から優勝争いにくわわっていた楽天イーグルスのエース則本昂大投手は、7月を最後に10月の最終戦まで、100球未満で済んでいる試合は2試合しかありません。

則本 昂大 楽天2017年の各試合の投球・投手成績・結果


ビジネスパーソンにとって、ピッチャーのことはまあいいとしても、全く同じようなことをやらないようにしたいものです。

今日は調子がいいからいつもの2倍がんばる。
今日は調子が悪いけれど、締め切りが迫っているからがんばる。

結局毎日頑張り続けるわけです。

メンタルパワーの「限界量」などということは、「100球」と同じで、多少意識にいれるにせよ、なんだかんだで無視されています。

このやり方だと、万全の気力で臨むことができるのは、仕事がなくなったとき、ということになります。