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自分でスパッと言い切れなければ、結局それは伝わらない

大橋悦夫このGW中に、シゴタノ!で何度も取り上げさせていただいているメルマガ「えのさんのeの素」えのさんと都内でランチをご一緒する機会に恵まれました。ツイてる!(聖幸さん風)

楽しく、興味深く、そしてありがたいお話をおうかがいすることができました。

いろいろと書きたいことはあるのですが、最も強烈に「なるほどっ!」と唸ってしまったことを1つご紹介します。

9行に収まらなかったら、そのネタは捨てる

メルマガ「えのさんのeの素」は、毎朝届く、経営や仕事のエッセンスがぎゅっと詰まった、それでいて非常にコンパクトなメルマガです。

ご本人いわく「スクロールせずに読める分量に抑えている」そうです。

この短さなので、僕自身はPCに加えて携帯メールでも購読しており、出張中などPCから離れている時でも後回しにすることなく、ほぼ毎日欠かさず読んでいます。

以前から「短い割にとてつもなく深い発見に満ちているなぁ」と思っていたので、このあたりをえのさんに伺ったところ、次のようにお答えいただきました。

  • メルマガの原稿は一行の文字数が設定されたワードファイルに9行以内で書く
  • 最初はとりあえず行数を気にせずワーッと書く
  • 次に9行に収まるようにどんどん縮めていく
  • 努力の甲斐なく9行に収まらなかったら、そのネタは捨てる


大橋悦夫 「えっ、捨ててしまうんですか!?」
「9行以内に収まらないということは自分で扱える範囲を超えているのだと考えています。長くするならいくらでも長くできるが内容は薄くなるし、そもそも自分でスパッと言い切れないようなことを書いても読んでいる人には伝わらないでしょう
大橋悦夫 「な、なるほど! 確かにそうですね。…うーん、その通りだと思います」

ズシン、と来ました。

また、えのさんのメルマガには、スペースの関係もあるとは思いますが、引用が一切ありません。

我々は、自分で手に負えない話題については「○○という人はこういうことを言っている」というように他の人の言葉を引用・援用しながら、自分の考えを展開するものですが、えのさんによると、

  • 1.引用元の人となりを簡単でもいいから書く必要が生じる
  • 2.引用自体によって紙幅を費やしてしまう
  • 3.そもそも引用するより最初から引用元の文章を読んでもらったほうがいい

つまり、引用を使った文章には「自分」の入る余地が非常に限られてしまう、ということになります。

もちろん、引用を効果的に活用する事例もありますから、一概に引用のある文章は良くない、ということにはなりません。

でも、およそ「自分」を込めようとしている文章を書くのであれば、つまり自分のメッセージを強く打ち出したい、ということであれば、引用に頼らず自分の言葉でスパッと語るべし、という主張は強く共感できます。

考えてみれば、ズシンと来る言葉というのはほぼ例外なく、短く簡潔に、まとめられているものです。

えのさん流に言えば「スパッと言い切られている」のです。

まとめるなら、

  • 日々の仕事や生活の中から、自分の言葉でスパッと言い切れること見つけ出し、TPOVのフォーマットにパッケージ化してデリバーする

ということになるでしょうか。

もっとまとめるなら、

  • 自分で一から考える

さらにまとめて漢字2文字にすれば、

です。

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