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これがなくては始まらない5つの Mac シェアウェア

堀 E. 正岳

Windows から Mac に移行した? でもアプリケーションなどが Windows に比べて少ないんでしょう?

こんな意見を時折聞くことがあります。

Windows にはもちろんそのユーザー人口に見合った膨大なアプリが存在します。でも Mac も負けてはいません。この連載をここまで追って下さったかたなら、それぞれの分野で Mac にも魅力的なアプリがたくさんあるということをおわかりいただけたかと思います。

Mac のアプリ紹介シリーズ、最後は数あるシェアウェアのなかから「最も便利なもの」を選ぼうと思っていたのですが、ちょっと調べているだけでそれが無理だとわかりました。なぜならクオリティが高いものが多すぎて選びきれなかったからです。

そこで今回はちょっと脱線してブロガー堀 E. 正岳が「毎日これがなくては手も足も出ないよ!」というシェアウェアを紹介することにしました。

面倒なことが大嫌いな私を毎日支えてくれている、まさに私にとって「これがなくては始まらない」5つのアプリです。

 

最強のパスワード管理アプリ:1Password

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まさかたくさんあるパスワードが 8 文字以内で、どれも同じなんてことはありませんよね?

1Password は日に日に増えてゆくパスワードを一つのマスターパスワードのもとに一元管理するためのアプリです。Firefox や Safari にプラグインが用意されていますので、オンラインバンクや、ウェブサービスにログインするときにワンクリックでログインできるだけでなく、新しいサービスに加入するときにその場で強力なパスワードを作成することが出来ます。

この「1クリックで」というのが実に気持ちがよくて、32 文字のとうてい覚えられないパスワードを一瞬で入力しているという満足感はなかなかのものです。

現在、私の 1Password には 153 種類のサイトやサービスのパスワード、3枚のクレジットカードの情報、セキュアに保存しておきたいメモが数十個が、すべて私の脳の中にある「一つ」のパスワードで呼び出せるようになっています。

複数の Mac を使っている人なら、1Password のファイルを Dropbox に入れることによって自宅でもオフィスでも何の意識もせずに同じパスワードを呼び出してくるということもできますし、iPhone に格納してもちあるくということもできます。

告白しましょう。1Password がなければ、私は自分のブログにさえログインできないのです。

 

バックアップについて忘れさせてくれる:SuperDuper!

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Mac OS X 10.5 Leopard に追加された Time Machine はたしかにバックアップを楽にしてくれる画期的な機能でした。

とはいえ、Time Machine はバックアップの頻度を変えられなかったり、ときどき エラーを起こすことが知られていますので、やはり伝統的なバックアップを定期的に、しかもストレスなくとりたくなります。こうしたときに手放せないのがバックアップの定番アプリ、SuperDuper! です。

SuperDuper! はハードディスクの内容を別ボリュームにバックアップした上で、万が一本体のハードディスクが故障した場合に代わりの起動ディスクとして使える状態にしてくれます。単にファイルのバックアップをしているだけではなく、万が一の障害の際にすぐに復帰できるボリュームを作ってくれるのです。

最初のバックアップを取り終わった後なら、SuperDuper! は変更されたファイルだけを更新するという頭のいいバップアップをしてくれますので、思いのほかバックアップに時間はかかりません。また、「第3水曜日の午前1時からバックアップ」というくらい詳細に定時バックアップをスケジュールしたり、バックアップ後にマシンをシャットダウンする、メールをおくるといった動作も可能になっています。

Time Machine があるから SuperDuper! はいらないかというとそんなことはなく、SuperDuper! を使えば Time Machine のバックアップを別ドライブに移動したり、Time Machine と平行してバックアップを効率的にとるなどの作業が簡単に実現できます。

バックアップといえば面倒という印象がつきまといますが、SuperDuper! なら外部ディスクをつないで放っておくだけでよいのです。面倒くさがりの私にはもってこいですね。

 

知らないうちに Google とシンクロ:Spanning Sync

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Google サービスと Mobile Me をシンクロさせるサービスはたくさんありますが、私が使っているのはこの Spanning Sync です。

Spanning Sync では簡単な設定でカレンダーとコンタクトがほぼ全自動で Google とシンクロされるようになりますので、私の場合、あとは放っておけば情報が自然に iPhone にやってくるという仕組みを作っていて普段は意識することすらしません。

もちろん逆方向のシンクロも可能で、iPhone でカレンダーに対して行った変更点が Mobile Me にプッシュされ、それが Spanning Sync を経由して Google にアップロードされるようになっています。

Spanning Sync は今回紹介するなかで唯一、年会費制と永久ライセンスの両方が提供されている奇妙な製品です。このリンクをたどって登録していただければ、$25 の年会費が $5 割引の $20 で購入できますのでよければご利用下さい(そして私にも $5 の報酬が入ります。おお! あなたはなんといい人なのでしょう!)。

 

手間をかけずにブログを執筆:MarsEdit

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私はブロガーですので、当然たくさんのブログ記事を書きます。記事を書くときにはいつも日本語に集中しているので、リンクや、画像の HTML を編集するのになるべく手間をかけたくはありません。

そこでいつも重宝しているブログオーサリング用のアプリが MarsEdit です。MarsEdit は Movable Type や WordPress といったメジャーなブログ・プラットフォームに対応しており、簡単なショートカットで HTML を挿入したり、記事内に画像をドロップするだけでタグを生成したりといった、ブログ記事を書くときのサポートをしてくれます

競争相手に有名な Ecto があり、私もよく使っていましたが、Ecto がどちらかというと WYSIWYG 的な利用方法に傾いている(HTML 編集モードもありますが)のに対して、MarsEdit は HTML を手軽に編集するという使い方に傾いています。そして自分のブログの書き方だと、こちらの方が性に合うのです。

開発元が変わって一時はどうなるかと思ったものでしたが、アップデートも着実にやってきますし、質問をすればすぐに返事がくる力強いコミュニティが今も健在です。

 

本の情報入力を全自動で:Delicious Library

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ある程度本や CD や DVD などの情報が貯まってくると、そのデータをまとめたいと思うようになることがあります。でも膨大な書名をいちいち入力したりといった作業はあまりに煩雑です。そこで重宝するのが Delicious Library です。

Delicious Library はいわゆる「バーチャル本棚」のアプリで、書籍・CD・DVD の情報を一元管理したり、貸し借りの情報をつけたりすることを可能にします。

このアプリの最大の魅力は iSight カメラを利用して製品のバーコードを読み込ませることで Amazon などから情報を自動で取得してきてくれる点です。これは体験してみないとわからない快適さです。本をウェブカメラにかざしてあげて「ピッ」と音がしたらもう情報が検索され、ダウンロードされてライブラリに追加されているのです。

欧米うまれのこうしたアプリには、日本ではうまく動かないということも往々にしてあるのですが、Delicious Library だったら和書の情報もかなりの確率で正確に探し当ててきてくれます。

また、この手のアプリにもう一つありがちなのが、数十冊だったら快適なのに数百冊の本の情報をいれたらとたんに重くなるというのがありますが、Delicious Library は数千冊の情報をいれても速度がほとんど変わらないように設計されています。

私は自分のもっている本のすべてをデータベースにするなどという大それたことは面倒すぎてやらないのですが、書評や製品のレビューを追跡するために Delicious Library をいつも起動できるようにしてあります。

一つのことを実に見事にやってのけるアプリ、それが Delicious Library などといった Mac のシェアウェアの魅力かもしれません。

 

おわりに

これまで見てきたように Mac OS X には Windows にひけをとらない強いシェアウェアのコミュニティーがあり、便利なツールから仕事を加速するアプリケーションまで、毎日のようにアップデートがされています。

また、「一つのことが非常に上手にできる」アプリが多いというのも特徴で、アプリを探していて「これだ!」と思えるものに出会ったときの喜びは大きい物があります。

ただ、一方で言えるのは Mac のシェアウェアはそれなりに高価なものが多いという点です。今日紹介してきたアプリを全部買うとけっこうな値段がします。そこで、ユーザーコミュニティーがしっかりしていて、フィードバックの多いアプリを探してゆくのが失敗しない秘訣になるでしょう。

さて、次回からはアプリ紹介からいったん離れまして、もうすこしディープな、Mac で生産性を上げるための手法やツールについて紹介していきたいと思います。

では次回まで。Happy Lifehacking!

 

 
▼最近気になっている一冊:

トニー・ブザン 頭がよくなる本
東京図書
Tony Buzan(原著)佐藤 哲(翻訳)田中 美樹(翻訳)
発売日:2006-09
おすすめ度:4.5
おすすめ度4 加速学習の入門書
おすすめ度4 トニー・ブザンによる勉強法の本
おすすめ度4 有効的だと思います
おすすめ度5 特に最後の章!
おすすめ度5 学生時代のノートのとり方をしてませんか

 
先日 mindmap.jp の伊藤さんのセミナーに参加する機会がありまして、マインドマップにあらためて目覚めているところです。

そこでマインドマップの提唱者トニー・ブザン氏のこの本が非常に気になっています。マインドマップというツールよりも、その背景となった考え方に対する導きになる一冊なのではないかと思って読んでいます。

 

▼編集後記:

最近、Lifehacking.jp のブログの柱に「パーソナル・ブランディング」を付け加えようとしています。ライフハックは究極的には個人の力を培う物ですので、当然個人のブランド力の育成もそれに含まれるからです。TwitterFriendFeed を賑やかにする予定ですので、そちらもぜひフォローしてください!

 
▼堀 E. 正岳:
「これからMacを始めたい人」を徹底ガイド。Lifehacking.jp主宰。