私の場合、タスクはすべてたすくま(TaskChute)で、予定はすべてGoogleカンレダーで管理しています。そうすると、他のツールは実質的に必要なく、実際ここのところはほとんど使うことがありませんでした。
補助的にEvernoteを用いることもありますが、Evernoteでは仕事の資料を関しておけばよくて、タスクはむしろここに入れないという方針に徹した方が、どっちにあるかを意識しないで良いので明らかに楽です。
それにもかかわらずOmnifocus2という有名なツールを使い始めました。気になっていたということも若干ありますが、気になるだけであれば試しておけばいいわけですが、非常に高機能であることは知っていたので、たぶん自分がやりたいようなこともできるだろうと見当をつけたということもあります。
「約束を果たす」のと「その行動を起こす」のは認知的に異なる
ちょっとデリケートな話なのですが、たとえば
- 家のカギをかける
- 確かに家のカギをかける
この2つは厳密には異なるものなのです。だから世の中にはOCDという症例もあり、また、病気とまではいかないにせよ、それに近いことになるケースはけっこうあるわけです。
もう一例あげます。
- 仕事を手伝ってくれた人にお金を振り込む
- お金を振り込んだことをノートに記しておく
この2つは明らかに違います。
ライフハックを好む人ならおそらく、上だけの行動を記録しておいて、それにタグでも付けておくとよい、と考えるでしょう。TaskChuteならそれができます。ライフログでもできます。
でも、こういうことで不安を覚えがちで、しかも必ずしも自分の行動が整然となっていない人間は(私がそうなのですが、そう思われてないので困るのですが)専用ノートを用意しておいた方が安心なのです。
その専用ノートがOmnifocusなのです。つまり私はOmnifocusを、約束事に関するログ専用のノートにしているわけです。
Omnifocusでは完了済みのタスクをそのままログとして表示に残すことができます。これはもちろんTaskChuteでもできることです。あるいは、それができるからこそのTaskChuteでもあります。
ただ、TaskChuteには約束事だけが入っているわけではありません。約束事だけを抽出するようにはできますが、それにはたとえばモードに「約束」などのタグを残しておく必要があります。これをやり忘れると、あるいはやり忘れた可能性を考慮すると、結局「検索」をかけなくてはなりません。
その際、検索でヒットしなかったとします。すると私は不安になりつつ次のように考え始めます。
これは、振り込まなかったのだろうか? それとも、振り込んだけれども、人名をタスク名として入れ忘れたのだろうか? こういうことがない人は良いのですが、私はこういうことがある人間で、しかし絶対に忘れるというわけでもない人間のため、悩むことになるわけです。
もちろんこの場合、振り込んだ日に近い日をオンラインバンキングから検索すればいいわけですが、なぜか、オンラインバンキングでは、振り込んだ人の人名検索などができるようになってなかったりします。また半角カナの人名を全角で検索してもヒットしないこともあります。それやこれやで、こうしたことを確認するには、けっこうな時間を要します。
こと約束だけを検討する限りOmnifocusならではの便利な点というのはけっこうあるのです。人名をコンテクストに宛てることができたり、クラウドだから約束が発生したタイミングでガジェットを選ばずに入力できます。カレンダーもついているので「●日に約束し、それを果たした」という記録を残すのもスムーズです。
しかしなんといっても重要なのは、たすくまでもTaskChuteでもない、という点なのです。つまり、両方に記録が残っていれば、振り込んでないということはまず考えられなくなるわけです。認知においてダブルチェックというのはそういう特別な機能を果たします。
「カギをかける」ということだけをすれば、本当は良いはずです。しかし「カギをかけたことを確認する」ということをしないと、結局はかけてあってもかけたことを確認しに、家に戻らなければならなくなることがあるものです。
» Taskuma — TaskChute for iPhone
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ちょうど一月後の10月5日に、沖縄で「たすくま」のセミナーをやります。
沖縄ではそうそう実施できないと思いますし、もしご都合よろしければこの機会をご利用ください。
メインはたすくま・タスクシュートですが、他のことでも時間が許す限りお話ししたいと思います。