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あなたは「もったいない人」か「もったいぶらない人」か?

2年ほど前に「MOTTAINAI LAB(もったいないラボ)」というブログが始まりました(当時、こちらで言及しています)。他にもそのものズバリ「モッタイナイ」なんてサイトもあります。「もったいない」で検索すると、こういうサイトがたくさん見つかります。

時間がもったいないので、話を先に進めます。

 
「もったいない」という概念は日本特有のものであり、日本人の精神に深く根ざした考え方といえます。

当然、日々の生活にも影響を与えますし、仕事の意志決定においてもしかりです。あるいは、もっと大きなところでは、「もったいない」という感情が人を事業に駆り立てる契機となることもあるでしょう。

「かわいそうだから」とか「やらねばならないから」といった同情や使命感ではなく、「もったいないから」という義憤あるいは歯がゆさです。限りなく使命感に近いですが、イコールではない。

そんなモヤモヤした気持ちが「もったいない」の周辺には漂っています。そして、このモヤモヤを晴らしたいというパッションに注目することで、いかにももっともらしい「ミッションステートメント」に惑わされることなく、ありたい姿に一直線に向かって突き進めると思うのです。

がんばらないで成果を出す37の法則ーアライアンス人間関係術ー今回ご紹介する『がんばらないで成果を出す37の法則ーアライアンス人間関係術ー』の著者もまた、そんな風にして突き進んでいるうちの一人でしょう。

自身の経験から、むやみにがんばる代わりに次のようなスタンスを提案しています。

「私はこんなに勉強したのに」という考えを少し変えて、「はたして、この会社に対して自分は何を貢献できるのだろう」と考えてみてはどうでしょうか。

会社やまわりに不満を抱いて悩んでいる時間こそが無駄だと思いましょう。ちょっとだけ自分の考え方を変えてみると、違うものが見えてくるのです。

仕事とは、あなたが勉強して資格を取ったから、「ではあなたのことを評価します」というものではないのです。学校の試験であれば100点満点を取れたら、それで一番です。

でも、実社会は違うのです。

相手の立場に立って、相手の要求に応えたとき初めてまわりに評価されるのです。

では、どうすれば「相手の立場に立って、相手の要求に応え」られるようになるか? 本書ではそのための考え方を37の法則に体系化してまとめています。

今回はそのうちのいくつかをご紹介。

ありのままの自分を人に正しく伝えられるか?

私がなによりも大切だと思うのは、小手先ではない、ありのままの自分を「正しく伝える力」です。

人気があるから、儲かるから、という理由で行動を起こそうとしていないでしょうか。あるいは、自分が目指すところに近い位置にいる人がそうしているから、という理由で同じことをしようとしていないでしょうか。

ここでのポイントは、そうした外的要因に惑わされることなく、本当に自分がやりたいと思える、興味の尽きないテーマに没頭する、ということです。そうすることで初めて「ありのままの自分」でいられるからです。

逆にいえば、他の人がなんと言おうと「オレはこれをやる! 文句あるか!」と言えるようなテーマを見つける、ということでもあります。

ここまでで半分。残り半分は、そのようにして立ち上げたテーマ──言い換えれば自分ブランドといってもいいでしょう──を人に正しく伝えること。これに失敗すると、せっかくの自分ブランドもノーブランドと化してしまいます。

 
整理すると、次の2つを同時に実現する必要がある、ということです。

  1. 「ありのままの自分」でいるためのテーマを見つける
  2. 「ありのままの自分」を人に正しく伝える

 
手段はさまざまあると思いますが、本書においては「アライアンス人間関係術」がそれに当たります(ちなみに僕自身にとっては「ブログ術」です)。

 

アライアンス人間関係術を実践するうえで気をつけたいポイント

読んでいて「これは気をつけなければいけない!」と感じられた(軽く戦慄を覚えた)ことをいくつか。

営業メールしはない

名刺交換をした相手から、セールスなどの売り込みメールが送られてくることがあります。名刺には個人情報が含まれていますから「信頼できそうな人だな」と思う相手に渡すのに、必要もない営業メールをしてくるということは、迷惑な行為です。必ず事前に同意を得るようにしましょう。

どんなに素晴らしい商品でも、ディスプレイが悪ければ粗悪品に見えてしまうかもしれません。一番もったいないのは、売り手がよかれと思ってやったことが、潜在的な買い手に対して迷惑になってしまうことでしょう。

名刺交換後にいきなり送りつけてくる「このメールは以前名刺交換させていただいた方にお送りしています」という類の同報メールはその典型例です。

 
これは本当にやめたほうがいいです。

 
受け取る側として迷惑だから、ということ以上に、せっかく良い商品やサービスを提供して、ブランドを確立しているのに、それを自ら壊しにかかっているようなものだからです。

ここ数年で、ニュースレターなどを一斉配信するための便利なASPサービスが安価で利用できるようになったこともあり、こういったメールが増えてきたように感じています。

名刺交換をした時に「とても感じのいい人だな」と好印象を抱いていたとしても、このようなメールが何の前触れもなく送られてきたら、一気に冷めてしまいます。

もったいない。

話している最中に割り込まない

気をつけなければいけないのは、2,3人で話している最中にドカドカで割り込んでいって話を中断させてしまうことです。大変失礼にあたりますので、気をつけてください。

懇親会や交流会などでのマナーです。現実には、徹底が難しい側面もあるのですが、「交流会なんだから仕方ないだろう」とでも言わんばかりに、何の断りもなく割り込んでくるのは、残念な感じです。

例えば、AさんがBさんと話をしている最中に、Bさんの知り合いであるCさんが「Bさんに紹介したい人がいる」ということで、いきなり話をもぎ取っていく。

「お話中すみません」といった断りがあればまだしも、何もなしに自分が話している相手をいきなり横取りされれば、AさんにとってのCさんはのイメージはガタ落ちです。Bさんのイメージも若干ですが、傷を負うでしょう。

もったいない。

ただし、交流会では同じ人とあまりに長時間話し込むのは、他の人の機会損失につながるので、ほどほどのところで切り上げるのもマナーでしょう。

苦手な人とも一緒に仕事をする

やむを得ず苦手な人とも仕事をご一緒しなければならないこともあります。そんなときのためのポイントが4つ挙げられています(詳細は割愛)。

  1. 苦手な人のいいところを探す
  2. 苦手な人に飛び込んでいく
  3. 苦手な人には、こちらからあいさつする
  4. かわいそうな不幸な人だと思う

いずれにも共通するのは、やはり「もったいない」ということでしょう。営業メールを送りつけてくる人や、割り込み常習者と一緒に仕事をすることになったとしたら、腹をくくること。その際に、上記の4つのポイントが役に立ちそうです。

例えば、営業メールを送ってくる人の中にも、実は自分の欠点を補完してくれるような優れた特質を持ち合わせている人がいるかもしれません。「この営業メール野郎!」と罵るのは心の中だけにして、とりあえず付き合ってみれば、思わぬ収穫があるかもしれません(あまり気は進まないかもしれませんが…)。

率先力を身につける

「率先力」という言葉は本書には登場しませんが、以下の内容はまさに我が意を得たり、と感じたので「率先力」としてみました。

(セミナーなどでは)早めに会場に入って席は一番前に座り、質疑応答のときは一番最初に質問すると決めます。そのように決めて講演会や会議の席に臨むと、真剣に話を聞くようになります。なぜかといえば、前の席なので寝るわけにもいかず、質問するためには、真剣に聞いていないと質問自体が思いつかないからです。

常々感じていることですが、セミナーは一番前に座っても一番後ろに座っても、また質問をしてもしなくても、料金は一緒(ということが多い)です。であれば、一番前に座って質問をした方が絶対におトク。

お金を払って、まとまった時間を投資するのですから、積極的に一番後ろに座って、努めて質問をしないでいるというスタンスは、ぜんぜん意味が分かりません。

もったいない。

ちなみに、セミナーに限らず、路線バスでも同じです。自分が降りる停留所が近づいたらすかさず自分でボタンを押す。大人になるとなぜか「誰か押してくれるからいいか」という他力本願モードになってしまうのが不思議です。

ボタンを押すという行為はそんなに面倒なことではないと思うのですが、少しでもラクをしたい、ということなのかもしれません。

もちろん、バスでボタンの早押しをしたところで、何か特典がもらえるわけではありません。でも、普段から率先して行動を起こす習慣を持っていなければ、いざというときに腰が上がらないのではないかと思うのです。

 
以上、いろいろと紹介してきましたが、本書の著者もまた世の中を眺めて「もったいない」と思いながら、たまらず筆をとったのではないかと想像しています。

 

がんばらないで成果を出す37の法則ーアライアンス人間関係術ー
ビジネス社
発売日:2009-03-26
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 わかりやすく実践的!!
おすすめ度5 新入社員異動する人必読の本が出た!
おすすめ度5 独りで頑張らない

 
▼合わせて読みたい:
同じ著者によるキャリアメイク術(論ではない)。以下の質問に自信をもって答えられる自分になるための方法が体系的にまとめられています。巻末にはワークシートも用意されており、実践的です。

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アライアンス「自分成長」戦略
日本実業出版社
発売日:2009-04-09