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プレゼン中級者のためのセルフチェックリストとなる一冊

プレゼンテーションに成功するためには、いくつかの「ゴールデン・ルール(黄金律)」を知っていなければならない。もちろん、知っているだけでは、何の意味もない。それらを確実に実行することだ。実行しないなら、知る必要はない。

プレゼン バイブル 人を動かす50の黄金律ということで、かなり硬派なプレゼン論を展開するのが今回ご紹介する『プレゼン バイブル 人を動かす50の黄金律』

構成はシンプル。プレゼンに冠する50の黄金律が1つにつき3ページを割いて解説されています。厳密には1つにつき4ページなのですが、うち1ページはまるまる黄金律のタイトルに使われているため、実質的なテキストコンテンツとしては3ページです。

また、50の黄金律は以下の5つの章に10ずつ分けられています。

  1. プロフェッショナルであれ
  2. 自分の意見を証明せよ
  3. 堂々と聴き手の前に立て
  4. 誠意をもって質問に答えよ
  5. ビジュアルを自在に操れ

 
さらに、50の黄金律に加えて「はじめに」と「おわりに」もきっちり3ページずつに収まっています。

5章、50律、3ページ、とムダやムラのない構成はなにやら「和室」を彷彿とさせます。6畳間といったら畳が6枚であって、それ以上でもそれ以下でもない、というニュアンス。

個々の律はそれぞれに趣を異にし、それでいて全体としての調和も保たれています。それだけに、中途半端な紹介は本書の本質を損なうおそれがあるため、あくまでも僕自身が今後のプレゼンで実践に採りいれたいと思った内容のみの紹介にとどめます。

プレゼンとは聴き手の利益を語ること

まず、言葉にすると当たり前に思えるものの、実際にはついつい陥ってしまう落とし穴を再確認。

手段と目的を混同してはいけない。あなたの目的は聴き手にとっての手段であり、聴き手の目的は、あなたにとっての手段だ。話し手の目的と聴き手の目的は一致しない。このルールを肝に銘じておこう。(p.38)

僕自身は、人前で話す時には必ず最初に「今日のゴール」を確認します。これは、聴き手に到達して欲しい着地点であり、僕にとっては逆算開始ポイントです。

例えば、つい先日のブログセミナーのゴールは、

「ブログいいかも!」という手応えを持ち帰る

でした。

 
聴き手にとっては、「そうか、手応えか」ということでセミナー終了後の着地点をある程度イメージできますし、話し手の僕にとっても「手応えを持ち帰ってもらうには、まずこの話をして、それから・・・」といった具合にゴールから逆算する形でプレゼンの構成を練る上で役に立ちます。

あれも伝えたい、これも言っておこう、という想いばかりが先走ると、話す内容が盛りだくさんになってしまいます。それでは、聴き手にとってはかえって負担になってしまいますから、手は広げずに思い切り絞り込み、そのぶん深さを追求したほうが、結果として聴き手にとっての「回収率」が上がるのではないかと思います。

 
さらに読み進めます。

ここでプレゼンテーションを定義づけてみよう。プレゼンテーションとは「聴き手の利益を語ること」。プレゼンテーションの語源はプレゼントだ。相手が喜ぶ物を差し上げるのがプレゼントで、それは仕事のプレゼンテーションでも同じこと。

(中略)

自分の目的を達成しようと思うあまり、あなたは自分の言いたいことを語るかもしれない。しかし、聴き手の目的を達成させることが先決だ。そして、それが達成できれば、あなたの目的が達成される。(p.39)

今後のプレゼンに活かしたいセルフチェックリスト

  1. 最初に聴き手の聴く目的をクリアーにしているか?
  2. 聴き手のプロファイリングは必要十分か?(課題や参加動機を尋ねよう)
  3. 聴き手を主語にして話をしているか?(このあと行動を起こすのは聴き手)
  4. 事前に設備や機器を点検するためのチェックリストを用意しているか?
  5. 最初に紹介者と聴き手に謝辞を述べているか?(お招き&ご参加)
  6. ゴールへの問題提起は疑問文で投げかけているか?(○○するにはどうすればいいでしょうか?)
  7. 伝えたいことを3つに分けて(絞って)話しているか?
  8. 伝えたいことの中に、意見と事実と感情の3つが含まれているか?
  9. 伝えたいことは、ゆっくり噛みしめるように話しているか?
  10. 対案を示しているか?(白がいい、黒はいまいち、赤はそれなり)
  11. うまくいかない時の対処法を示しているか?(失敗しそうになったら○○するといい)
  12. 最後に聴き手の行動を促しているか?(自信を持って行動を迫る)
  13. [B](または[W])を適時に繰り出しているか?(聴き手の注目をコントロールする)
  14. 「させていただきます」を使っていないか?(「させて…」は発音しづらい)
  15. 聴き手と目線が合ったときに、すかさず逸らしていないか?(あらぬ疑いをかけられかねない)
  16. 見せてから言っているか?(言ってから見せるのでは聴き手はアイドリングする)
  17. 余計なボディ・マニュピレーションはないか?
  18. 聴き手の質問は、まず要約して投げ返しているか?(早とちりを防ぐために)
  19. 聴き手が質問を通して達成したいことにフォーカスしているか?(質問に答えるのはそのための手段に過ぎない)
  20. ビジュアルはシンプルか?

 
以上は、本書からピックアップした僕自身にとってのセルフチェックリストです(カッコ内は僕なりの補足)。「やはり大事だよね」とか「できてないなー」とか「これは考えたことがなかった!」といったものだけを抜き出しているので、人によっては役に立たないかもしれません。

逆に、僕がスルーした内容(=ここに挙げていないもの)を必要としている人もいると思いますので、プレゼン上達を目指すなら、是非ご一読を。
 

プレゼン バイブル 人を動かす50の黄金律
ソフトバンククリエイティブ
発売日:2009-02-25

 
▼合わせて読みたい:
特に、プレゼン(講演・スピーチ)の組み立て方と会場に入ってからの各種手順が具体的に解説されています。
 

ブライアン・トレーシーの 話し方入門 ー人生を劇的に変える言葉の魔力
日本実業出版社
門田 美鈴(翻訳)
発売日:2008-07-17
おすすめ度:3.5

 

▼編集後記:

3月13日(金)は初の福岡セミナーでした。コーディネイトしてくださったのは、福岡在住のコンサルタント・竹内正浩さん。こちらでもご紹介した『コーヒーとサンドイッチの法則』の著者でもあります。

36名のお申し込みで、なんとその全員が参加。

以下、感想リンク集です(3/15(日)23:59時点)。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございます!