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ノマドのためのタスク管理の技術#05:ノマドでやることは決めておく

By: Ed WebsterCC BY 2.0


佐々木正悟 この話は、本連載の#2と関係する話です。

こんなことを書きました。

技術の進歩を見る以前には、カフェなどで仕事をするのはずいぶん面倒か、不可能でした。だから私達はオフィスや書斎など「何でもできるところ」でしか仕事をすることができなかったのです。「何でもできるところ」ではあらゆる「ロボット」のスイッチが入りっぱなしなので「特定の大事な仕事のためのロボット」のスイッチが逆説的にも入りにくいのです。

この後「カンヅメ」を引き合いに出しているのですが、「カンヅメ」と「スキマ時間」というものほど相反するものはありません。カンヅメになってする仕事はただ1つ。「スキマ時間を利用して」やるようなことではないのです。

同じように「ノマド」を「スキマ時間」のように扱うのは損だと思います。

「何でも簡単にできる」環境こそスキマ時間ができやすい

もともと私のやっている仕事の方式では、スキマ時間というものがほとんどありません。なろうことなら計画されたとおりに行動したいからです。

計画されない行動をとると、疲れるのです。今でも移動中にメールを返信したりすることはあるのですが、それはすでに緊急事態です。仲のよい女性にメールを打っているのではないのです。遅刻のお詫びをしたり、言い訳を急いで打とうとして打ち間違えたりと、ろくなものではありません。

やろうと思えばできるという環境と、間違いなくできるという環境は異なります。オフィスや自宅の書斎など、間違いなくできるところでは必ずしも綿密に計画された行動を取ることはありませんが「やろうと思えばできる」程度の環境では、計画された行動を取るべきです。そうして初めて「あそこへ行けば、あれが終わる」という状態になるからです。

もとより「確保した環境」は時間がありません。「1時間確保した」といっても、1時間は使えなかったりもします。席の確保も難しいかもしれませんし、騒がしいかもしれません。そういうところで「事前に計画されてもいなかったこと」をやろうとするとなにもできなかったりします。

シミュレートしないと決定できない

TaskChuteは「そのタスクは何時頃にやるか」が見えるようになっています。このツールは私はとびきりノマド向きだと思っています(エクセルベースなので、ネット環境を必要としない点だけでもそうです)。

「移動中にわびを入れる」という「スキマ時間を活用」している光景は、関係ない人の実例ですら目にできます。それほど多くの人がやっているということです。けれどTaskChuteを使っていて分かるのは、「わびを入れなければならない」のはもっとずっと前から分かっていたということです。

おそらくTaskChuteを使っていない人にも分かっているのです。でもわびを入れたくないのは人情というもの。朝のうち「このままいくとまずいなあ」と本当にうっすらと分かっていながら、一生懸命作業して、でも結局終わらないから少し出発時間を遅らせて、結局移動中に「わびを入れる」。

この際「iPhone」などの「スキマ時間活用ツール」が「いつでもどこでも電話できる」という格好で大活躍してくれるわけですが、何かが残念です。地下鉄などでは通話が途切れるかもしれませんし、車内での通話は控えるようにアナウンスもされています。電話に万全の環境は、もっと他にもあるわけです。

移動中というノマド環境において「その時必要なことをやる」という「スキマ時間を活用するスタイル」は、リスクが高くて効率的ではないと思うのです。むしろ移動中は決まり切ったこと(読書、休憩、執筆)をやるようにすれば、もっと流動的な行為(連絡、精算など)を安定した空間で効率的にできます。

そして、そういうことを事前に決定するためには、TaskChuteのようなツールが役立ちますし、TaskChuteを使わないにせよ、シミュレーションするツールが役に立ちます。

» タスク管理ツール TaskChute2

タスク管理ツール・TaskChute2