前回に引き続いて、GTDをタスクシュートで実践していこうという記事になります。
これをやろうとしたとき、すぐに中核に現れ、維持していきやすい形式がおそらく、表題のものです。
つまり、形式に見合った様々なインボックスを、タスクシュートから順々にゼロにして回るというルーチンです。
一番わかりやすいと思うので、ここでは事例として、次の3つを取り上げます。
- メールの受信トレイ
- Evernoteのインボックス
- 郵便物のトレイ
Evernoteのインボックスや、郵便物のトレイなどない、という人もあるかも知れませんが、それに代わるものはあると思いますので、なければ想像してみてください。
毎日一度は空っぽにする
GTDの本によれば「インボックスを定期的に空にする」べきだそうですが、私はその「定期的」を「毎日」に変えるべきだと考えます。
理由は簡単で、そうしないと大変になるからです。
GTDには「これは何かを見極める」というステップがあります。メール、郵便物、そして思いついたアイディアやタスクについて、いったいそれは何であり、それについて何をするべきかを見極めることがまず大事、というのです。
これはまったくその通りで、にもかかわらず著者のデビット・アレンさんが指摘している通り、一見間抜けな問いですし、意外に見過ごされがちでもあります。
一見間抜けで、しかも見過ごされがちな習慣というのは、「これは大事だと自分に言い聞かせる」というやり方ではなかなかうまく機能しません。だいたいは、メールを受信トレイに放置しておいてそれが何かを見極めるどころか、あること自体を無視するようになるものです。
そこで、「受信トレイをゼロにする」のです。
それもできれば、時間を制限します。
15分以内に何とかできないなら、無条件でゴミ箱に入れるようにしてみましょう。
そうすれば15分のうちにどんな受信トレイでも、空っぽにできます。
時間がいよいよなくなったら「メールを全選択して、削除」すればいいだけです。1万通あっても、数秒のうちにきれいさっぱり消えてなくなるでしょう。ストレスフリー!
ただ、これがどれほど気持ちよかろうと、現実はこれではすまされません。
しかしなぜでしょう? なぜそれではすまされないのか?
「見極める」必要がある
大事なメールをゴミ箱に移動してすまされるはずがない!
そうですね。
つまり、ある種のメールについては、自分で何かをしなければならなかったり、そのメールからの情報に基づいて、しなければならないことがあるから、です。つまりそれが「見極める」ということなのです。
メールを誰かが勝手に選択して、勝手にゴミ箱に捨ててしまうとなったら、「それでいいのか!?」を見極めなければならなくなります。
見極めるということは、仕事のそれなりの割合を占めている作業なのです。
- 受信トレイに永らく放置されている、たとえば、ウィルス対策サービスからの「お知らせ」。
- そのサービスには、以前契約したような記憶があるかも知れません。
- そのままにしておいたら定期支払でムダな支出になりかねません。
- でも、もう解約しているような気もします。
- メールを開いてみればいいのですが、なんだかめんどうくさい。
というわけで忘れてしまっているのです。
これについては、サービス提供者との契約状況を調べ、捨てていいものか、解約してからアーカイブするか、「見極める」必要があります。実行すれば5~20分くらいは使う(ような気がする)でしょう。
こうしたメールが、複数あるにちがいありません。
一つ一つをタスクとしてしまえば、(もしかすると)2時間弱を処理に要します。
だから放置しておきたいのです。
でも、だからこそ毎日処理すべきなのです。
タスクシュートで実践するには?
このように「見極める」ということは、ただただ、受信トレイというものを決め、それを空っぽにするなかで自然と実行されていくはずです。
タスクシュートに、次のようなリストを用意しましょう。
- □メールの受信トレイを空にする【10〜11時の間に行う】【毎日実行】【20分】
- □郵便物をトレイから空にする【13時〜14時の間に実行】【毎日実行】【5分】
- □Evernoteのインボックスを空にする【14時〜16時の間に行う】【毎日実行】【10分】
もちろん、それぞれの受信トレイを空っぽにした結果、発生するタスクを実行する時間帯が別途必要になります。
それだけのことでも、半日近くがなくなってしまうかもしれません。それでも、受信トレイをいったん空にした後は、それぞれの作業に必要な時間は短くなっていきますし、そもそも受信しないようにするという意識づけがなされます。
すなわち、受信トレイを空にするという習慣によって、機械的に「これは何かを見極める」ことができるようになり、その結果、仕事そのものを減らすという結果につながっていくのです。