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「どうしたら意志が強くなりますか?」(後編)

「意志を強くする」コツとして、昨日、以下の3点を挙げました。

まとめると、意志を強くするには、

 1.無数のやるべきことの中から今やるべきことを選り分ける
 2.今やるべきことについて必要十分な時間を確保する
 3.他のことを視界の外に追いやる

という3つの条件をすべて同時に成立させることをゴールにした上で行動を起こすこと、ということになります。

これら3点を改めて眺めてみると、これはスポーツをやっている人なら無意識に、しかも瞬時に行っているものばかりのような気がしてきます。例えば、野球であれば、

 1.ピッチャーが投げた球を瞬時に判断してバットを振る(今やるべきこと)
 2.球がミットに収まる前にバットを振り抜く(必要な時間を確保する)
 3.今日の晩ご飯は何だろう、とか考えない(他のことを視界の外に追いやる)

これに加えて、現在のチームが置かれている状況(ボールカウント、自チームの出塁状況、相手チームの野手の布陣など)が数値データとしてではなく、一枚の絵として頭の中にくっきりと描かれているはずです。

我々がピンチに陥ったときに「頭の中で赤いサイレンが回っている」というような表現を使うことがありますが、まさにそのようなイメージで、現在自分が置かれている状況がビジュアルとして浮かんでいる状態です。

最後に、これが一番大切だと思っているのですが、

 「やらされる」を「やりたい」に変換する

どんなに「今やるべき」と思っていても気乗りしないことであれば、せっかくのエネルギーは現実逃避に振り向けられてしまいます。「やりたい」に変換する上で役に立つのが、「ゲーム感覚」です。

テトリスでブロックを一気に消す、スーパーマリオブラザースで大量のコインをかき集める、など、ゲームをやっていて感じる爽快感をそのまま仕事にも取り入れれば、きっと楽しく、しかも効率よく仕事を片付けることができるのではないか、という主張です。

例えば、

 ●10ページのレポートを作る際に、1ページ書き上げるごとにホワイトボードに予め描いておいた10個の白ワクを1つずつ塗りつぶしていく
 ●会社の同僚と、ランチを賭けて何かに取り組む(決めたことを早く達成できた方が相手にランチをごちそうしてもらう)
 ●キッチンタイマーを使って、決められた時間だけ1つのタスクに集中して取り組む(メール処理、優先順位付け、デスク周りの整理整頓など)

などのアイデアが紹介されています。

共通するポイントは、仕事を仮想のゲームに見立てた上で、

 1.ルールとご褒美(得点)とペナルティー(失点)の仕様を決めておくこと。
 2.得点と失点が目で見てすぐにわかるような仕組みにしておくこと。

の2点です。

これはまさに、現在自分が置かれている状況をビジュアル化させることにほかなりません。バッターはバットを振らされているのではない、ということです。

バットを振りたくなるように、もっと言えば、どうすればホームランを打つことができるかを考え、そのために必要な行動を実践することで、自然と意志は強化されていくものだと思います。むしろ、意志を強くするのは目的ではなく手段であって、スカッとホームランを打つことが本当の目的でしょう。