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徹底的にKindleのみで読書するようにしたら、読書に劇的な変化が起こった

By: quattrostagioniCC BY 2.0


佐々木正悟 先日『戦争と平和』を読み終えました。実は本当に昔、1度だけ読んだことがあったのですが、あれは読んだうちに入ってませんでした。ということが今回分かりました。さすがに面白いです。

実感として最近、読書ペースが自分比で異常なくらい速くなっているのです。それだからものは試しで長編を買ったわけですが、やはり驚くようなペースで読み終わりました。

これで確信しました。Kindleで本を読むべきだと。Kindleでなくても、電子書籍で。これこそ読書革命です。速読術などまったく知らない私が、今年に入って、約4倍のペースで本が読めてしまっています。

常に同じ条件で読むことの大切さ

私はずっと思っていたことがあります。読書家という人の意見はしばしば逆なのですが、私のように読書家ではなく、必ずしも本を読むが速くもない人間は、「同一条件で本を読みたい」と願っていたのです。

運転がうまい人でも同じだと思うのですが、自宅のように狭い駐車スペースでもわりと容易に駐車させられるのは、自分のラクティスだからです。今日はラクティス、明日はプリウス、明後日はデミオ、明明後日はシエンタというのでは、たまったものではありません。

しかし本というのは、そうなるのです。本が変わるたびに、フォントが変わる、フォントサイズが変わる、本の重さが変わる、ページの白さが変わる。

それがいいんだ、という人も多いのですから、きっとそうなのでしょう。しかし私の用語で恐縮ですが「ロボット」的には断じてそうではありません。

プロのトップアスリート、それもレベルが上がればあがるほど、まったく同じ道具をまったく同じ条件で、少し神経質なくらい求め続ける人が多いのは、「ロボット」がそれを好むからです。

形状、重量感、機能性、色合い。そういうものを私たちは細部に至るまで記憶し、記憶が深まるほどますます細部の差異に敏感になります。

最近、徹底的にKindleのみで読書するようにしてから、読書に劇的な変化が起こったのは、そういうことなのです。速度も質もともに急上昇しました。これは起こるべくして起こったことなのです。

今までと違って、単行本だろうと文庫だろうと、すべてまったく同じ条件、同じ刺激、同じフォント、同じ色味、同じ重量感で読書しているからです。(言うまでもなく大型本や絵本はここではのぞく)。

私はスキーだけはライセンスを取るくらいまでやったから、少し分かるのですが、ゲレンデへ行くたびに貸しスキーを履いていた人だと、自分の板を買っただけで、必ず劇的にうまくなるものです。「愛着」などというつまらない話ではなく、「ロボット」が「板の使い方」を覚え込むからです。

» ノマドのためのタスク管理の技術#02:「仕事ロボット」にスイッチを入れる

私には「執筆ロボット」がいます。これがなかったら私は絶対に今まともな生活がおくれていません。それほど「彼」には頼り切りです。「彼」にスイッチが入りさえすれば、「私」にはできない速度でタッチタイプしてくれますし、そうしながらアイデアを考え出し、文章を整えてくれたりもします。

「私」が考えることは常にただ1つ。「執筆ロボット」にいかにスイッチを入れるかということだけです。

「運転ロボット」などは車に乗り込みさえすれば作動しますし、Tiwtterロボットなどの作動も簡単です。しかし「執筆ロボット」はちょっと面倒で、少なくとも「運転ロボット」や「Twitterロボット」のスイッチを切ってからでないと、作動してくれません。

「じゃあカフェにでも行って原稿を書こう」と人が言うとき、カフェに行けば「執筆ロボット」のスイッチが入るという期待を込めているのです。この期待はやり方次第で十分報われうるものです。

なぜならカフェに行くと、可能な行動に制限がかかるからです。カフェに行って寝っ転がったり、エッチなサイトを見まくったりするのは、自然とはばかられます。また自分でコーヒーをいれるわけにもいきません。眠ることも難しい。

言い方を変えましょう。カフェに行くと通常はいりがちな様々な「ロボット」のスイッチが落ちるのです。結果として「執筆ロボット」などの「ロボット」のスイッチが入りやすい環境が整います。


いつでもどこでも並行しても

以上はKindle読書の内的な効果ですが、このほかに外的な効果があります。

まずなにより、いつでも読めるということです。本は一見いつでも読めるようですが、分厚く重い本や長編で別冊になっている本ですと、決してそうはいきません。

大きくて重い本を、そこら中に持ち歩いて読むのは、実は覚悟のいることです。それに、今回の『戦争と平和』がまさにそうでしたが、1巻なりを読み終えると、続きを買いに行くまで続きを読むことができません。このタイムラグは読書スピードをずいぶん落とします。

いつでもとどこでもは実際切っても切れない関係にあって、Kindleを持ち歩いているということは、一冊の本を持ち歩いているわけではなくて、いつも書棚や書店の前に立っているようなものでもあるわけです。

その上「併読」という問題もあります。私はなるべくやりたくないと思っているのですが、職業柄、数冊の本を並行的に読み進めざるを得ないことがよくあります。

これを紙でやるのは最悪です。複数の、必ずしも読みたくない本を持ち歩くのは苦行でしかありません。しかも、紙の本は分散するので、どれとどれを読んでいたかも、記録しておかないとすぐ分からなくなります。

こういう問題がKindleを1つ持ち歩くだけで、全部解消するのです。本に関するもろもろのてまが全部なくなるのです。ただ読んでいればよくなるのです。これほどの時間短縮はちょっと望めないほどです。

▼編集後記:
佐々木正悟



冒頭で登場した大作ですが、非常に「ライフハッカー向け」です。そればかりではない作品ですが、そういう部分も明らかにあります。

機会があったらブログなどでも紹介していきたいのですが、上手にネタバレを避けるのが難しそうで躊躇しています。

» 戦争と平和 (一) (岩波文庫)[Kindle版]


今は『アンナ・カレーニナ』のほうをKindleで読んでいるのですが、お金を使ってしまう以外で悪いことは何一つない、素晴らしいツールです。

» アンナ・カレーニナ 1 (光文社古典新訳文庫)[Kindle版]