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「絶対6~8時間睡眠確保」の呪縛から自分を解放しよう

By: Domenico SalvagninCC BY 2.0


必要な睡眠時間は皆一律ではない

池田千恵
私は普段、11時就寝、4時起きの5時間睡眠を習慣にしていますが、誰に対しても、「朝4時起きで5時間睡眠するのは素晴らしいから、あなたもすべきだ」というつもりは全くありません。なぜならば、人間の生活パターン、体質、体調、性格など、さまざまな要因が絡まりあって、最適な睡眠量が決まってくるからです。

ですから、自分の適切な睡眠時間を把握した結果、今までよりも早い時間に起きることになって時間を有効活用してもらえればいいな、と思っています。

生物時計と睡眠のメカニズムを研究されており、内科医として睡眠障害の診療を行われている粂和彦さんは、著書『時間の分子生物学』(講談社現代新書)にてこのようなことを書かれています。

どの程度が最低限の必要量かについてはなかなか難しいのですが、十分な量については、日中の眠気がひどくならない程度と考えることができます。

(中略)

そして、このような十分な睡眠の量は、「個人差」「年齢」「日中の活動度」「体調」などでかなり大きく変化します。

理想的な睡眠時間は一概に言えません。自覚的な基準として、朝、気持ちよく目が覚め、日中、眠気がひどくならない程度の睡眠時間が取れていれば良いと、私は考えています。

巷の情報に振り回されずに、一旦自分の必要睡眠時間を検証してみよう

最近私は本を出したこともあり、早起きについて相談される機会が増えています。その中で感じるのが「私は6時間(8時間)以上寝ないと絶対に無理!」と決め付けている人が多いということ。

考えてみてください。その6時間は、どうやって決めた睡眠時間ですか?

もしも

  • いつも6時間睡眠しているから、なんとなくそう思っている
  • 6時間睡眠は最低限確保すべき、とテレビで言っていたから

そんな理由だとしたら、いったんその睡眠時間自体を疑ってかかるのもいいかもしれません。

私も5時間睡眠に至るまでには、様々な試行錯誤がありました。試行錯誤ののちに編み出した睡眠検証方法のひとつが、「最低睡眠ライン」「適正睡眠ライン」「超過睡眠ライン」という3つのラインを探る方法です。

この検証は大体2~3週間かかるので、仕事があまり忙しくないときや、夏休み中の比較的時間があるときにやってみるのをお勧めします。

ステップ1:
最初の1週間、90分単位+寝入りの時間(人によりますが、大体30分前後)で睡眠時間を増減させてみて、自分が最も集中力を維持し、かつ意識がもうろうとしてこないギリギリのライン(=適正睡眠ライン)を探ります。例えば、7時間半睡眠+αを月・火曜、6時間睡眠+αを水・木曜、4時間半睡眠+αを金・土曜、残り一日は自分の体調と相談して調整してみます。

ステップ2:
次の週からはステップ1で分かった適正睡眠ラインを元に、少しずつ睡眠時間を増減させて自分の2つの睡眠ライン(最低・超過)を設定する

 
おそらく何度か聞いたことがあると思いますが、人間はレム睡眠(脳は動いていて体は休んでいる状態)、ノンレム睡眠(脳も体も深く休んでいる状態)を90分単位で繰り返すといわれています。ですから、90分単位で睡眠時間を短くしたり、長くしたりして、その日の体調や眠さを検証してみるのです。

「最低睡眠ライン」「適正睡眠ライン」「超過睡眠ライン」という3つのラインを探る

 
私はこうやって自分の身体と対話していったため、自分で自分の睡眠時間をコントロールすることが可能になりました。

ちなみに長年の検証の結果、私の最低睡眠ラインは4時間、適正睡眠ラインは5時間、超過睡眠ラインは8時間です。

自分の睡眠ラインを把握できるようになると、こんなことが可能になります。

  • 夜、飲み会で帰りが遅くなったときでも、最低睡眠ラインさえ守っていれば何とか仕事ができるし、明日は忙しいから、4時間睡眠にしよう
  • 今日は疲れているし、明日も仕事に余裕があるから、適正睡眠ラインから超過睡眠ラインの間の7時間は寝よう

 
ただし、ここでいう適正睡眠ラインは、集中力がでて、眠くならない「ギリギリ」ラインなので、週末予定がないときや、ひどく疲れているときはたっぷり眠ることもあります。

ちょうどお盆休み。家でのんびり時間がある方は、一度こうして自分の身体の声と向き合ってみるのはいかがでしょうか。

 

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▼編集後記:
池田千恵
最近は、早朝のホテルで朝食を食べながらミーティングする機会が増えてきました。

朝ミーティングをセットすると、仕事がノッてきた時にミーティングでその勢いを中断されるという事態が減るのでお勧めです。

ホテルモーニングで私のイチオシは、シャングリ・ラ ホテル東京。朝から東京駅を見下ろして、優雅にいただく朝食はテンションがあがります!ちなみに料金は大体3000円程度。夜なら数万円はするサービスや食事が3000円で体験できると思えば安いですよね。

 
▼池田千恵:
前向き早起きエバンジェリスト。朝を有効活用してビジネスの基礎体力をつける「Before 9(ビフォア・ナイン) プロジェクト」主宰。