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GTDの「気になること」を洗い出すだけでなく「元から絶つ」までの流れ

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photo credit: Adam Foster | Codefor via photopin cc

ちょっとGTDが話題になっているのをうけて、GTDについて再考する機会がありました。

大橋悦夫さんがシゴタノ!の中で次のように書いています。

いわゆる「PDCA」に似ていますが、最初にP(Plan;計画)ではなくL(Log;記録)が来ます。いきなり計画は立てられないと考えているからです。

レビューは何のためにするか? | シゴタノ!


GTDにおける「洗い出し」というのは「気になること」を洗い出し、その後かの有名なフローにしたがって仕分けとタスク実行へと移るわけです。

そう考えると、この「洗い出し」は大橋さんの記事における「レビュー」にあたるわけです。この際「ログ」はいきなり「気になること」を元に書き出されたものですが、そこから出発して「これは何か?」と問い始める。これはログの分析です。

つまり、問題はこの前にあったのです。

なぜそんなにもたくさんの「気になること」が頭を占めるに至ったのか?

原因は何か?

もちろん「洗い出し」をやっているときにはもう「気になること」がなぜ「気になるようになったか」を思い出せないでしょう。思い出せることもあるかもしれませんが、思い出せないことのほうが多いでしょう。

その「気になること」が大量発生するに至った要因を、その後のタスク実行とその記録分析のなかから明らかにすればいいのです。これを繰り返すうちに「気になることが発生する原因」を少しずつ刈り取っていけるはずです。

ここから、少し私自身のGTD的なフローの話に移ります。

EvernoteのIN-BOXに洗い出している

私はもう、メモは全部Evernoteに入れるようにしています。手書きでメモをすることはほとんどありませんし、Macの前に居ればEvernoteに直接メモをとり、Macの前に居なければ、iPhoneからEvernoteにメモをとります。

これが私の「洗い出し」なのです。

考えてみますと、今の私は何があってもEvernoteにメモをします。気になることはもちろん、いいことがあってもイヤなことがあってもEvernoteにメモします。EvernoteにメモをするというよりメモをしたらEvernoteにいくのです。Twitterに投稿してもEvernoteにいきますし、Facebookに投稿してもEvernoteにいきます。紙にメモを書いたらすぐに写真を撮ってEvernoteに入れます。ウェブクリップはEvernoteでしかやりません。

ということは「気になることがあったら洗い出す」という行動は、私にとってはEvernoteにメモをするということになっているに決まっています。いつも洗い出しモードで、洗い出し先はEvernoteのIN-BOXなのです。

だからEvernoteをレビューする

GTDではいったん洗い出したものを、仕分けします。

あれとまったく同じことを、私はEvernoteのIN-BOXについてやっているのです。これが私がやらなければならないIN-BOXゼロです。

EvernoteのIN-BOXを夕方になったらチェックする。ノートの一つ目を見ては「これは何か?」と自問し、すぐに行動する必要のあることがらでなければ、それは資料であるか「カタログ(いつかやる、いつか買う、いつか読む)」です。

行動がすぐ起こせそうであれば、それはタスクシュート(たすくま)に入れるか、あまりないことですがその場でやってしまいます(2分以内にできること)。

行動がすぐ起こせそうもなければ、Omnifocusなどに入れる事もあります。つまりプロジェクト扱いというわけですが、実際には「検討の対象」になります。

現行すでに抱えているきちんとしたプロジェクト(書籍原稿を書くことなど)であれば扱いは簡単ですが、だいたいそうではありません。

ちょっとFacebookにポストする内容をプライベートよりにしたら見ている人が面白がってくれるんじゃないかとか、仕事かどうかあいまいで、効果があるかどうかもあいまいで、実現は容易そうでもない「思いつきプロジェクト」がわんさかあります。

これを「いつかやる」のではなく「近々にやる」とすれば、Omnifocusなどでこねくり回した方がいいと思うこともあるので、Omnifocusに「検討」というフォルダを用意してあり、そこへ投げるのです。

もちろん特定の日にやるべき「タスク」がもしEvernoteのIN-BOXに入ってきていればこれを「カレンダー」に入れます。

ただこれは、たいていすでにカレンダー入りしていることが多いものです。

そして次にとるべき行動リストは、当然私の場合にはタスクシュートです。これが私にとってのタスクリストであり、デイリーリストなので、ここに入っていれば少なくとも実行の対象になります。

再帰するモヤモヤ

この流れはまさにGTDだと思います。つまり、私にとってGTDはタスクシュートではなく、Evernoteなのです。

私のフローの話はここまでにして、「気になることが発生する原因」の追求に戻りましょう。絶え間ない「洗い出しモード」のなかで、私のモヤモヤは、洗い出してみるといちいちよく似ているということに気づくのです。この現象はEvernoteのIN-BOXに入ってくるメモを読めば、すぐ感じることです。

いつも似たようなことが繰り返し私を悩ませている、ということです。これがどういう流れで発生し、実行されず先送りにされたりして、またIN-BOXに再帰するのかを、追跡すればいいのです。

たとえばですが「仕事をもっと減らしたい」と思うことがあります。そのためには、事実上、お金がもっと必要です。だからといって収入を上げるために仕事を増やすのでは、わけのわからないことになります。

そこで、仕事の時間あたりの効率を高めるために、朝の時間に仕事を入れようとします。そうして朝の仕事がやけに増えてしまい、そこでモヤモヤが発生します。つまり、「時間割を組み替える」という「気になること」がIN-BOXに入ってくるわけです。

私のGTDの冒頭では「時間割のことが気になっている」というようにスタートするでしょう。これをチェイスするうちに、なぜこの問題が繰り返し発生するかを発見することができるわけです。手間はかかりますが、こういうメモを一つ一つ追跡して分析すれば、徐々に「ストレスフリー」に近づけるという考え方なのです。

▼編集後記:
佐々木正悟



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というわけで久しぶりに読み直しました。

この記事で書いたことと、この本に書かれていることが、同じ方向を向いているというわけではありません。あくまでも『整理術』のほうは「やるべきことを完全に把握している」という状態を目指すものです。

そのために「リストは常に最新の状態になっていなければいけない」というのはまさにそうだと思います。

私はその状態を実現するためには、どうしてもタスクシュートが必要だと思います。タスクシュートはタスク実行を強力に後押ししてくれるツールです。

タスク実行とメモのレビューはちょっと異なることなのです。気になることをことごとく洗い出して、それが全部タスクであるということはまずありません。ただし両者を切り離すこともまたできません。気になることは、日々の行動の中から出てくるからです。

だから、できることは全部やって、しかもそのログの中で、気になることはどのように流れているかを、追跡するシステムが欲しいのです。

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