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タスク管理が何になる?

タスク管理の本を出し、タスクセラピーなどというセミナーを主宰している私のような人間に頻繁に寄せられる辛辣な質問はだいたい決まっています。

「タスク管理なんかする意味、あるんですか?」

これに対する「答え」の1つが、次の電子書籍です。

「忙しい」が口ぐせのあなたにワーキングマザーが教える自分の時間が増える36の時間管理術 (impress QuickBooks)
「忙しい」が口ぐせのあなたにワーキングマザーが教える自分の時間が増える36の時間管理術 (impress QuickBooks) 保科浩子

インプレスコミュニケーションズ 2013-03-19
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「答え」が書籍の中にあるというのではありません。もちろんそういう内容も含まれていますが、この本が出たという事実自体が「答え」なのです。

著者の保科浩子さんは、優秀なワーキングマザーです。しかし、優秀であれば仕事と育児を両立させた上に、本まで書けるというものではありません。そんな風にがんばりすぎてしまった優秀な人が、心身の調子を崩してしまったりする事例がたくさんあります。

佐々木自身は、何も仕事も家事も育児もうまくやった上に、本を書いたりしなければ生きている意味がない、などと考えるクチではありません。どちらかと言えば、人にあまりとやかく言われないで、飢えや寒さで死んだりせず、人生の終盤が迎えられたらいいな、くらいに思っている人間です。

それだけに「タスク管理する意味って、何ですか?」とか「タスク管理すると、どんなことが達成できますか?」という質問は苦手です。

「(その気になればおそらく色々達成できるとは思うのですが、あまり大変な思いまでして達成したことが多くない人間なので、その質問は答えにくく…)したくなければしなくていいのですよ」と言いがちです。とは言え、しないよりした方がずっといい、と思っているのも事実なので、何も言いたくなくなってしまうのです。

ところが、保科さんは私よりずっと忙しい中で、本を書き上げられました。これはタスク管理なしには、まずできなかったはずです。優秀かどうかの問題ではないのです。そのことは次の引用に如実に表れています。

Taskchuteによって、私の状況は大幅に改善されました。余裕を持って仕事をすることができるようになりました。自分でも驚くほどです。やっている仕事そのものは、たいして変わらないと思います。

やっている仕事は変わらなくても、状況は大幅に改善されていると実感できるのです。生み出されるのは時間よりも余裕の方です。その「余裕」から電子書籍も、作ろうと思えば作り出すことができるわけです。

私はタスク管理をうまくやれば「余裕を持てる」ということを多くの人にお伝えしたい。余裕そのものは成果物でも生産物でもありませんから目に見えません。つまり結果は何も変わっているように見えないわけで、それだから「タスク管理が何になる?」と思われてしまうのでしょう。

タスク管理の目指す先はスーパーサラリーマンになったり、本を出してひとかどの人間になるといったことではないわけです。状況がまったく変わらなくても、状況に支配されている受動的な感覚から、状況をコントロールしている主体的な立場に切り替わることこそ大事です。それができれば自分のことを「しがない」などとは感じなくなります。

▼編集後記:
佐々木正悟

4月21日 第8回タスクセラピー やりたいことはやれていますか?(東京都)

タスクセラピーにはいろいろな価値観の人間が「コーチ」の側から情報を発信しています。

私のように、とにかくストレスを減らしながら仕事を回すことを第一に思うものもいれば、「ミッション」をベースに長期的な目標達成に向かって、日々邁進している人もいます。

あるいは保科さんのようなワーキングマザーもいらっしゃいます。

それぞれの立場ごとに、実際に運用しているタスク管理の手法もツールも異なるわけです。なるべく受講者の方が自分の求める方法やツールに近いコーチからお話を聞けるようにと思って用意したのが、タスクセラピーです。

前々回あたりからありがたいことに、コーチの参加者数が増えておりますので、一コーチあたりはかなり少数(時に1人)という運営が実現しつつあります。まだお席には余裕がありますので、ご都合がよろしければご参加ください。