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ノマドのためのタスク管理の技術#03:やるべきことを自然と一元化する方法

By: Juhan SoninCC BY 2.0


佐々木正悟 タスク管理のセミナーなどで私が何度も強調しなければならないことがあります。「全てに優先して持ち歩き、常に参照するメインのタスクリストを1つに決めること」です。

初めのうち、あまりこれは強調する必要を感じていませんでした。有り体に言うと前提のように喋ってしまっていたのです。

ところが会社員のかたなどから「家にあるメモにタスクがあって、オフィスのパソコンにも付箋があって、手帳にもタスクがあるのですが、どうしたらいいのでしょう?」と質問されて、そこに問題があることに気がつきました。

たしかに家ではメモ入力がしやすいでしょうし、オフィスのパソコンの前では付箋がタスク向きに感じられるでしょう。外出中などでは手帳に仕事のことを書くでしょう。とは言えそれぞれを何かに転記するのは非常に面倒でしょうから、それぞれをそのままに使うのが便利だと思います。

問題はこれを放置していると、会議資料の余白などにもタスクが残り、メールの中にもタスクが発生し、スマートフォンのメモにもタスクが発生するなどが避けられなくなり、結果タスクのありかが分散し、しまいにはタスクを捜しまわるはめになったりして、何かと落ち着きません。

ましてノマドワーカーともなればタスクは一元化しておきたいところです。「いつでもどこでも仕事ができる」以上、いつどこで仕事をするか分からない面もあるわけですから、仕事をするときになって「会社の仕事はオフィスの付箋を見に行かないと分からない」というのでは不都合きわまりないからです。

自然とタスクが1カ所に集まるようにするには

GTDなどにはそもそもタスクの「収集」という作業があって、この段階で1度はタスクが1カ所に集まるはずです。週次レビューなどで「収集」ステップを定期的に繰り返せば、タスクの慢性的な分散は避けられます。

しかし「収集ステップをする時間を作ろう」と言っているうちに挫折する人や、そもそも「転記が面倒」という言い分から考えても「収集ステップをしてまずタスクの一元化」というメッセージが届きにくい人も多い。

一方で私自身はシゴタノ!の大橋さんが開発したTaskchuteを使っています。Taskchuteにはinboxがなく、「収集」ステップもないのに、タスクは全部Taskchuteに集まってきています。これはなぜかを考えてみました。

集めようという意識があるからということはもちろんあります。ですが、もっとも大きな理由の1つが「タスクシュートはログだから」なのです。タスクの一元化というのは意識的にやらないと難しい面はたしかにあります。が、ログはむしろ分散しにくいものです。

とくに作業ログ、タイムログ、ライフログというのは自然と一元化に向かう傾向にあります。なぜなら「事実は1つ」であり「時間の流れは一本」(少なくとも普通の意識状態であれば)だからです。

時間軸に沿って記録を切れ目なく、矛盾なく並べていこうとすれば、自然と「一元化されたログ」が残ります。それは結局「一元化されたタスクリストのチェック済みの状態」に他なりません。

「タスクリストを一元化したい」と思ったら「タイムログを残せばいい」のです。多少のこだわりをもって時間ログを残していくと、そのうち、タイムログを残すところに、記録前状態のリストを置いておきたい、と思うようになります。それがすなわち一元化されたタスクリストになるわけです。