「ボトルネック」という言葉をご存知ですか?
ここで言うボトルネックとは、「物事を進める際に、全体の進行速度を決めている部分」ということです。
例えば、作れば作っただけ売れてしまうパン屋さんがあるとして、「生地をつくる」「パンを焼く」「販売する」という工程を考えます。
どんどん売りたいのに、生地をつくるのが遅くて量産できないなら「生地をつくる」がボトルネックですし、パンを焼く時間がかかるので量産できないなら「パンを焼く」がボトルネック、販売の速度が追いつかないのなら「販売する」がボトルネックといった感じです。
その効率化は全体の効率化につながっているか?
もし「販売する」がボトルネックであった場合、生地をつくるのにかかる時間を短縮させたり、一度にたくさんパンをやけるオーブンを導入したりすることは、個別の効率化にはつながっていても全体の効率化に寄与していません。
例えば最新のレジスターが1台しかなくて販売が滞っているのであれば、以前使っていた旧型のレジスターも使って2台で販売するなどの方法をとれば良いのです。
旧型のレジスターを使うことが「販売する」という工程において非効率的であったとしても、2台のレジスターを使うことでボトルネックが解消され、全体の効率があがります。
「効率」ではなく、「最短」にこだわる
このボトルネックの考え方を、仕事を早く終わらせるということにも適用すべきときがあります。
仕事術やライフハックなどに通じてくると、ついつい「個別のタスクの効率化」だったり、「一度に複数のタスクを進める」ことなどに執着してしまうことがあります。
例えば、「原料を準備する」「装置で原料を加工する」「加工品を検査する」という一連のものづくりの工程を考えます。
納期などの理由でこの一連の工程をなるべく早く終わらせる必要があるときは、「効率」ではなく「最短」にこだわる必要があることを忘れてはいけません。
「原料を準備する」という工程において、一人で作業をすれば40分かかりますが、あなたとAさんがいっしょに作業すれば20分で済むとします。
しかしAさんは今別の作業をしていて、その作業が終わるのを待つと、30分以上時間がかかりそうです。
ここで個別の効率化だけを考えると、「他の作業をしながらAさんを待ち、Aさんといっしょに20分で終わらせる」といった行動を選んでしまいます(この場合は結果として、加工を始められるのは1時間以上後になるかもしれない)。
しかし全体を最短で終わらせることを考えるなら、「40分かかってでも一人で原料を準備する」が間違いなく「最短」につながる答えです。
「とにかく目の前のことを効率化すれば良くなる」という考えを捨てる
一連の作業や一日の仕事を早く終わらせることが目的である場合、単に「1つ1つの作業を効率化する」という考えは危険です。
大事なことは「ボトルネック」となっている部分を見極め、仮にボトルネックの解消手段が一見非効率的であっても、直ちにそれを実行することです。
「木を見て森を見ず」とならないよう、その仕事の目的に合わせて「効率化」と「最短」を使い分けられてこそ、スマートに仕事ができる人だと思いませんか?
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