最近なお、Twitterが流行していますが、「ゆるくつながる」というテーマとはちょっとずれた観点で、エントリしてみたいと思いました。
お友達をツイッターに誘おう
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まずは本書を手に入れて、Twitterを使いこなさないことには始まりません。ここにあることをもしかしたら全部ご存じだという読者もいるでしょうが、そういう読者でも、友人・知人のすべてがTwitterをやっているわけではないと思います。
お友達をTwitterに誘うとして、Twitterに関するあれこれをいちいち説明するのはとても大変です。そんなときに本書はとても役に立つでしょう。レイアウトも楽しそうですし、基本的なことは漏れなく理解することができます。たいていの人が、本書を読めば、とりあえずTwitterを始めるでしょう。
お友達がTwitterに参加するメリットはとてもたくさんあります。全部はとても上げきれませんから、今日はとにかく「社会脳」という概念だけから考えてみます。
「社会脳」って何だろう?
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この概念には興奮させられました。「社会脳」については、本書をお読みいただくのがベストですが、おおざっぱにここで説明します。
同じ勉強をするのでも、自室にこもって一人きりでやるのと、図書館に行ってやるのとでは、違う感覚を持つ人が多いと思います。大橋さんはしばしば「自律」(自分で自分を律する)と「他律」(他人に自分を律してもらう)という用語を操りますが、どちらがやりやすいか、どちらのほうが効率的かは、人によって違いがあるはずです。
人目があるかないかで、自分の感覚に違いがあるということは、脳の実際の働き方が違うということです。「場の空気」という言葉があることからも、これはわかります。本当の「空気」が違うわけではなく、違うのは脳の状態です。
これまでいわゆる「脳科学」で調べていたのは、期せずして甘いジュースを口に入れたら脳のどこがどのように働くかというデータでした。
つまりそれは、何度やってもたしかにそうなるように、条件が厳しく統制されているわけです。他人がいるとかいないとか、人目があるとかないとかで、ある行動に伴う脳の状態が変化するというようでは、むしろ困るわけです。
けれども日常生活では、同種の行動がまったく異なる意味を持ってくる方が自然です。大勢の人が凝視する前で馬鹿な話をするのと、自分ひとりでそうするのとでは、ぜんぜん感覚が違います。私たちの脳は、「ソーシャルブレインズ」であると、著者は指摘しているわけです。
インターネット以前のパソコン、Twitter以前のインターネット
以上の前提を踏まえてふりかえってみると、私たちの「IT環境」は、ここのところ急変していることがわかります。
たとえば、インターネットがなかった時代のパソコンを操作していた人の脳の状態と、今パソコンをいじっている人の脳の状態は、同一人物であってもけっこう異なるでしょう。試しにインターネットを完全に切断して、パソコンに向かってみれば、その違いを主観的に理解できるはずです。
Twitterはネットサービスの中でも特に、「他人」の存在をより感じさせるサービスです。mixiやメールより、いっそう多くの人が「今そこに」いるように感じさせます。これを使っている人の脳は、良くも悪くも使っていない人とは、だいぶ異なる状態になっているはずです。
Evernote に「つながり」を記録する
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私は最近iPhoneのMomentoというアプリを使うことで、自分自身の生活記録と、Twitterのタイムラインを、合体させたログを毎晩チェックできるようになりました。それは「日記」とも「行動記録」とも異なるものですが、いずれよりもはるかに「私自身」に近いものになっています。
これをEvernote に記録して、さらにたとえば @mehori という検索で引っかかったノートを、「 @mehori 」というタグをつけてまとめてみると、じつに面白い情報を集めることができます。
このようにして作っている「人脈データベース」は、私の人間関係に関する記憶が、まるでリアルタイムに反映されているクオリアのようなのです。余談ですが私は最近、とくにEvernote では、人名を可能な限り@●●でまとめるようにしています。
今後は、あえてこうした記録を意識して集めずとも、自然に集められる時代になるでしょう。その時にどんな人物像が浮かび上がってくるかは、じつは集める人に左右されることにもなるわけですが、そういうところもいかにも「ソーシャルブレインズ」らしいと思います。