日々の仕事や生活に忙殺されるばかりで、何の達成感もなく、従って充実感もまったくない。
もしそう感じているとしたら、それは誤解です。
なぜか?
何かをすれば、必ずその瞬間に何らかの達成感が生じているはずだから、です。
ライターで火を付けるとき、一瞬だけ火花が散るように、どんな行動であれ、それまでの沈黙を破るための“点火”が必要です。
点火のためには、エネルギーを一点に集中させる必要があります。
言い換えれば、よそにエネルギーを回すのを一時的に停止する、ということです。
この、エネルギーの集約を行っているときに人は充実感を覚えるのではないでしょうか。
その結果、めでたく火がともったとき、そこに達成感という煙が静かに立ちのぼるのです。
残念ながら、火花も煙も、またたくまに消えてしまいます。
だからこそ、記録しておく必要があるのです。
何を記録するか?
- どのようにエネルギーを一点に集中させたのか?
- そのために何をあきらめたのか?
- どんなツールを使ったのか?
- どれくらいの時間をかけたのか?
- 火がともったとき、何を感じたか?
- 次はどうしようと考えたか?
といったことを可能な限り記録に残す。
記録が残っていれば、これを読み返すことで、ふたたび火花が散り、もういちど心に火をともすことができるようになります。
それがしたいために、僕は毎日Evernoteに“点火”の記録を残しています。
特に感情にまつわる記録が重要です。
- 認められた(共感してもらえた、同意してもらえた)
- してやったり(思い通りうまくいった)
- 感銘を受けた(他者へのリスペクトを感じた)
- 気に入った(自分が好きなのはこういうのだ)
- イライラした(自分が好きじゃないのはこういうのだ)
- ガッカリした(他者への失望を感じた)
- 失敗した(防ごうと思えば防げたのに!)
など、感情の方向(他者から自分、自分から他者)に応じて分けておきます。
Evernoteに感情ごとにタグをつくる
具体的には、Evernoteにそれぞれに対応するタグをつくり、1つのノートに1つの感情の記録を残します。
感情に関するタグは、先頭に「+」を付加しています。上記それぞれに対応するタグは以下の通りです。
- +approved(認められた)
- +cool(してやったり)
- +impressed(感銘を受けた)
- +favorite(気に入った)
- +frustrating(イライラした)
- +disappointed(ガッカリした)
- +error(失敗した)
1日は無数の瞬間の集積ですから、それぞれの瞬間ごとに対応する感情タグをつけていくことになります。
もちろん、すべての瞬間を記録に残すことなど不可能ですから、あくまでも心に引っかかった、すなわち感情を強く動かされたこと限定です。
とはいえ、時間の制約がある以上、限られた瞬間だけしか記録に残すことはできません。
つまり、自分の感情の動きに敏感になることです。
最初はなかなか“捕まえられない”かもしれませんが、とにかく記録を続けているうちに、今まで見過ごしていた充実感や達成感が見えてくるはずです。
関連書籍:
Evernoteのタグ活用法ほかについては、以下の本にてインタビューを掲載していただいていますのでご一読ください。