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ビジネス書からの学びを最大化するための3つの問い+アクション

By: jeffreywCC BY 2.0


大橋悦夫目玉焼きは、焼き過ぎても焼き足りなくても味はイマイチ。外はカリッと、中はトロ~リという半熟状態が一番おいしい(好みはさておき)。

同じことは、本、特にビジネス書にもいえます。

焼き過ぎてコチンコチンになり、パサパサしていて食べるに耐えないコンテンツもあれば、焼きが足りずにドロドロで、つかみどころもまとまりもないコンテンツもあります。

前者は、あまりにも体系化に力を入れ過ぎて「で、具体的にはどうしたらいいの?」状態の焦げ焦げウェルダン(ほろ苦い)。

後者は、自伝と持論と事例のコンボで「それってあなたにしかできないですよね…」状態の生々しきブルーレア(生ぐさい)。

手取り1655円が1850万円になった営業マンが明かす月収1万倍仕事術そんなわけで、程よい焼き加減のビジネス書というのは貴重です。今回ご紹介する『手取り1655円が1850万円になった営業マンが明かす月収1万倍仕事術』は、そんな秀逸(ウェルダン)かつ希有(レア)な一冊。

やり方なのか? 考え方なのか? 学び方なのか?

本書には、タイトルの通り、手取り1655円だった月収が「たった半年」で1850万円までになったという著者がその過程で経験してきたことと、これを体系化した5つの方法論がまとめられています。

もちろん、5つの方法論を1つ1つ真似ていくのがセオリーなのですが、それとは別に、表だって書かれていない3つの切り口があることに気づきました。

  1. やり方
    具体的な行動手順が事例をまじえて示される
  2. 考え方
    行動を起こすのに不可欠な認識変革を促す
  3. 学び方
    行動と認識変革を側面から支援する

この3つの切り口は、本書に限らず、およそビジネス書であれば適用できるのではないかと思っています。すなわち、読み進めながら「これは、やり方なのか? 考え方なのか? 学び方なのか?」という三択クイズに置き換えて、答えていくのです。

それぞれごとに後に続くアクションが決まっています。

  • 「やり方」ならすぐにタスクリストに書き加える、
  • 「考え方」ならすぐに既存の常識を捨て去る、
  • 「学び方」ならすぐに自分ならどうするかを決めて取り入れる

といった具合です。

僕自身が本書から学んだこと

ということで、僕自身が本書から学んだことを3つの切り口で整理してみます(箇条書き部分はすべて引用)。

1.やり方

  • 気分が高揚しているときは電話の相手もそれに感染します。ここぞとばかりに心理的障壁の高い見込み客に電話してしまいましょう。そして成果を拡大するのです。(p.86)
  • 3つのリストとは、「顧客リスト」「見込み客リスト」「情報発信リスト」です。私はこれらをまとめて、「見込み客ポートフォリオと読んでいます。「顧客リスト」は、すでに契約をいただいたお客様のリストです。「見込み客リスト」は、その名のとおりで、「モノを売りたい」というこちらの意図が伝わっているお客様のリストです。「情報発信リスト」は、「こちらは売りたいと思っているが、先方はこちらの意図をはっきりつかんでいない」というお客様のリストです。(p.135)
  • アポなし訪問の口実作りのため、海外旅行などの最終日に地元のスーパーに行き、安いけどちょっと珍しいものを大量に買い置きしていました。お客様に負担感を与えないために、値段の張らないものにします。「ちょっと旅先で珍しいものを見つけたのでお届けにあがりました」と、不自然さがなく訪問できるからです。トップセールスであり続ける人とそうでない人の違いは、この小さな行動をやり続けるかどうかにあります。1ポイントが積み重なって何千、何万というポイント差になるのです。(p.153)

2.考え方

  • 私のセミナーでは出席している営業マンに週の面談数を訊ねます。そうすると、面談数と成果が見事に比例しているのがわかります。成績がよくない人の面談数は7~8件、比較的売れている人で10~12件というところです。マスが事前に埋まっていると、「この時間は何をしよう」と迷うことがありません。あれこれ考える無駄な時間をなくし、即行動できます。(p.95)
  • これは「簡単ではないけど、ちょっとがんばればできる」ラインです。仕事でも遊びでも、「簡単ではないけど、ちょっとがんばればできる」というのが一番面白いレベルです。私はゲーム感覚で、「1日20ポイント獲得シート」をつけています。夕方になって「あと3点でクリアできるぞ。よし、○○さんに電話してみよう」という感じです。(p.115)
  • これこそ仕組みの強さです。「ポイントを稼ぐ」ことにフォーカスして、仕組みに脳みそを預けて夢中で行動しているうちに、気がついたら私自身たくましく成長していたのでした。(p.121)
  • リストの100人すべてを説得しようとすると、どうしても「買わなかった人」に目がいってしまいます。失敗に注目し、見込み客リストから外れていく人を見ることで、より落ち込みます。それはとても辛いので、私はまったく逆の発想に切り替えました。それは見込み客リストから、いかに早く「買わない人」を見つけ出すか、です。(中略)つまり、見込み客の中から「買わない人」を探そうと考えると、すぐに断ってくれる人はとてもありがたい存在になりました。(p.133)
  • 確率がわかったら、逆算して欲しい成果の分だけ行動すればいいのです。私の場合、150人の契約が欲しいなら200人と面談すればいいわけです。そして200人と面談するには、220人を見込み客リストへ入れて、アプローチすればいいことがわかります。自分のデータを取って分析すれば、誰にでもこの仕組みを作りあげることができます。つまり、結果の予想しにくい狩猟型営業から、安定した農耕型へと変わります。(p.142)
  • 不安や悩みと向き合いながら仕事をしている人は、1時間のうち40分は立ち止まって考えていると言われます。これでは力強く行動できません。そんな状況に陥らないためにも、考える時間と行動する時間は分けてしまうのです。(p.200)

3.学び方

  • 彼が売れない営業マンだった頃、営業所長から「週15面談をこなせば、必ずうまくいく」と言われたそうです。さらに彼は、今週の終わりまでに、来週の面談のアポを取るというルールに加え、アポ取りをしました。予備日である金曜日を集中的にテレアポする日と決めていたそうです。彼の著作の中に、ほんの少しだけそのことが書かれていました。私はそこから着想を得て、自分なりのやり方を工夫していったのでした。(p.88)
  • また、高価なセミナーに参加して価値がなかったとしても、話のネタとしてお客様に伝えることはできます。実際、120万円も払って参加したのに、私にとってはあまり意味のないセミナーがありました。だからと言って、無駄だったとは思いません。こうして本のネタになっているのが、何よりの証拠です。(p.215)
  • 本やセミナー、映画などで印象に残った言葉を記録しておくと、時間が経った後に大きな財産になることがあります。また、「何か1つ『キラートーク大辞典』に書こう」と思っていると、学びが素直になり、自然な形でアウトプットを前提に考えられるようになるでしょう。(p.224)


まとめ

それぞれ、アクション(やり方)、スイッチ(考え方)、メンテナンス(学び方)と言い換えてもいいかもしれません。

何であれ、僕自身にとっては、この3つの切り口が得られたことが本書を読んだ最大の収穫でした。

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合わせて読みたい:

著者も書いていますが、本書はダン・S・ケネディの以下の一冊に影響を受けたようです。「大量行動の原則」という、どちらかというとウェルダンに近い内容が主ですが、構成要素のほとんどはレアな事例と体験談。

それだけに、今回ご紹介した3つの切り口を試したい人には打ってつけと言えるでしょう。

» 大金持ちをランチに誘え! 世界的グルが教える「大量行動の原則」


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