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営業が苦手な人のためのYesと言わせるコミュニケーションテクニック9選

普段は目立たないのに、時々ダークホース的にスマッシュヒットを放つ人がいます。否。誰しも、そういう経験の1回や2回はあるでしょう。

例えば、僕自身は営業が苦手です。おそらく踏んでいる場数が圧倒的に少なく、従って成功体験に乏しく、それゆえに営業が苦手、というレッテルをいつまでも剥がせずにいます。

そんな中でも、ごくごくまれに「なんでこんなにあっさり契約が取れちゃったんだろう?」と拍子抜けするくらいにうまくいくことがあります。でも、そこはやっぱり苦手選手。「あっさり取れた」理由がさっぱりわからず、従ってビギナーズラックの再来はあり得ず、ゆえに依然として苦手ポジションから離れられないのです。

この、場数僅少 → 成功未体験(たまにラック) → 苦手意識ホールド → 場数僅少 → …という永久ループから抜け出すためには、次のいずれかしかないでしょう。

  1. つべこべ言わずに場数を踏む
  2. うまくいっているやり方を真似する

前者の「場数を踏む」というのはある意味、精神論ですから「やっぱりそうだよね」で終わってしまいそうです。一方、後者の「真似する」には、場数を踏むよりもステップ数が少なくて済み、しかもすぐにできて効果も期待できそうな、どこか甘美な香りが漂います。

とはいえ、うまくいっているやり方を1から10までそのまま真似ても、成功はおぼつかないでしょう。たまたまその人にとってはそのやり方が合っていたから、あるいは何らかの状況がそのやり方にマッチしていたから、といった「ラック」の影響が無視できないからです。

そこで必要になるのが、やり方のリバース・エンジニアリング。すなわち、やり方を要素分解していき、個々の要素の特性を知り、そのうえで自分にとって必要な要素だけを再結集して、自分にマッチしたやり方を作りあげるのです。

スベらない商談力今回ご紹介する『スベらない商談力』には、営業、特に交渉において相手からYesを引き出すための、自分なりのやり方を作るための材料がそろっています。

全部で38ある材料のうち、個人的に必要性を感じた9個をご紹介。

 

  1. お客様がキーワードを発するように誘導しているか?

    コミュニケーションとは、言葉のキャッチボールです。言葉を発する人と言葉を受け取る人がいてコミュニケーションは成り立ちます。そして、言葉は聞いている人よりも発している人により強く作用するのです。

    たとえば、文具メーカーの営業マンが文具店の社長さんを訪問しているとします。

    「今日は、この赤いマジックをお勧めにあがりました」「通常は100円くらいするものですが90円になっています」「書き心地がとてもスムーズです」…。

    営業マンは話し続けるほどに心の窓がひらいていき、「この赤いマジックをぜひとも売るぞ」という気持ちが強くなります。言葉を発している人に言葉は強く作用するとは、こういうことです。

    (中略)

    お客様の心に作用させようと思えば、お客様に言葉を発してもらわなければなりません。そこで、聞くテクニックが活きてくるのです。

    「このマジック書き心地がスムーズで、結構いいね。値段はいくらなの? 100円くらい?」「えっ、90円なの。安いね」

    「書き心地がスムーズで安い」というキーワードをお客様が発するように誘導する。これが、絶対に売れるコミュニケーションの原則です。

  2. 「話をしっかりと聞いていますよ」という合図を送っているか?

    話を聞くことは簡単なようでいて、実はむずかしいものです。自分が話すのは半分にしておこうと思っていても、つい3分の2くらい自分が話してしまったりすることが往々にしてあります。

    お客様に商品を買っていただこうと思っている営業マンであればなおさらです。つい時間いっぱい「何を話そうか」だけに意識が集中しがちです。

    しかし、「人は自分の話を聞いてくれた人に心の窓を開く」という原則にのっとれば、まずはお客様の話を聞いて理解することから始めなければなりません。お客様の心の窓を開くのが第一です。

  3. かっこいい決めぜりふはお客様に言っていただいているか?

    コミュニケーションの達人になると、もう一段階進んで、「かっこいいセリフ」「最後の切り札」を相手にあげる(相手に言っていただく)という技を駆使します。

    2つめの「言葉はそれを発した人に最も強く作用する」というコミュニケーションの原則を活用するのです。

    「この商品のよさはここなんだよ。いいね、それ売ってよ」と、お客様に言っていただければ、これほどすばらしいことはありません。

    (中略)

    人は自分で発した言葉を、なかなか自分では否定できません。自分で出した答えは正しいと考えます。そんな形に会話をもっていくことができれば、そのお客様は確実に買ってくれます。

  4. 相手に考える時間を与えているか?

    たとえば、お客様が「最近、売上が悪くてね」と言ったとします。このとき、営業マンが間髪を入れず、「いや社長、そんなことはないでしょう」と新しい話題を出してしまうと、お客様の「最近、売上が悪くてね」というフレーズは、すぐにかき消されてしまいます。

    しかし、営業マンが何も言わずに沈黙が流れると、その間、お客様の言った「最近、売上が悪くてね」というフレーズが相手の頭の中でエコーのように響き続け、考え続けます。

    (中略)

    お客様が心理的プレッシャーのある沈黙を自ら破るときは、自分の本音を言ったり、ちょっと秘密のことを明かしてくれたり、弱気を見せてくれたりする可能性が高くなります。

    「いやね、本当に売上を上げないとうちは苦しいんだよ。何か売上が上がる企画はないかな」と、言ってくれるかもしれないのです。

    ここで、あなたは待ってましたとばかりに、しゃべり始めます。

    「実はちょうど今日、売上アップの企画をお持ちしたんです。ちょっと聞いていただいていいですか」

    お客様が、「売上アップの企画はないかな?」と言ってくれるのを、あなたはひたすら待つのです。これは、「言葉は発した人に最も強く作用する」という、コミュニケーションの原則にも合致しています。

  5. 最後にあなたの言葉で「まとめ」て過不足ないかを確認しているか?

    お客様の話をあなたは本当に理解したでしょうか。

    あなたが理解したと思っていることが、お客様の伝えたかったことと一致しているとは必ずしも限りません。同じ話を聞いても、人によって受け取り方、つまり解釈が違っているというのはよくあることです。

    ですから、最後に必ず、「あなたのお話を私はこう理解しました」と自分の解釈を相手に伝えて、「間違いないですか?」という確認を取るようにします。

    (中略)

    自分で「それでいいよ」と答えたら、解釈に間違いがないということを認めたことになります。自分で認めたことは、なかなか自分で否定できません。「それでいいよ」という言葉は、それを発したお客様自身に最も強く作用するのです。

  6. 話の目的を明確にしているか?

    何をするにも目的を明確にしなければ、効率よくものごとは運びません。

    お客様の目的と営業マンの目的が合致すれば、お互いにハッピーです。それがビジネスの究極の目的です。

    お互いにハッピーになるためには、お客様に目的を明確に伝えなければならないし、営業マン自身が目的をちゃんと把握しておかなければなりません。

    そのためにお客様に会う前に、次のような点を自分に問いかけてみます。

    • 今日は誰と会うのか?──部長と会う
    • 今日の商談の目的は何か?──紙おむつ100ケース企画の提案
    • なぜ、その目的なのか?──会社として今月最優先だし、前回他社のフェアが入っていて話ができなかった
    • この数字の根拠は何か?──過去3ヶ月の平均が80ケースなので、少し目標をストレッチさせたい
  7. 互いに時間が十分にとれないときはアポイントを取り直しているか?

    人と人とがちゃんとしたコミュニケーションをとろうとすれば、お互いの時間の余裕がとても大事です。時間に余裕があれば心の窓が開きやすいし、時間に余裕のないときは心の窓は閉じてしまいます。

  8. お客様の意見を徹底的に尊重しているか?

    お客様の意見を尊重するには、お客様が「Aである」と言えば、まずは「そうですよね。Aですよね」と相手の意見を受け入れることです

    自分の意見が受け入れられた相手とは、戦う必要はありません。

    「Aと認めてくれた。君もやっぱりAと思うんだね?」と、心の窓がグッと開きます。

    「そうですよ。僕も部長のおっしゃるとおりだと思います。やっぱりAですよ」と、相手の意見を徹底的に尊重します。

    そうすると、心の窓がグンと開くのです。相手の意見を認めることは、共通項をつくり出しラ・ポールを築くことでもあるのです。

  9. お客様がお金を出して買おうとする理由を知っているか?

    あなたが提案する商品やサービスをお客様が購入しようと思うのは、あなたの提案する商品をお客様が「好き」と思ったときか、「欲しい」と思ったときか、「必要だ」と思ったときです。逆に言えば、人は好きでもなく、必要でもないものは買わないのです。

    お客様がお金を出して買おうとする理由は、実は次の2つしかありません。

     1.それが欲しい
     2.それが必要

 
お気づきの通り、「心の窓」がキーワードです。「心の窓」については、プロローグに次のように解説されています。

コミュニケーションとは、まず相手の「心の窓」を開き、その開かれた状態をできるだけ長期間維持すること。すべての人間関係は、ここから始まる

 
本書は、営業交渉がメインテーマですが、それだけにとどまらず、コミュニケーションの改善に役立つ原則や方法論を幅広く学ぶことができます。

たとえば、相手に買ってもらう、という意味では異性を口説く上でも役に立つでしょう。上記のうちのいくつかについては「お客様」を「異性」に置き換えても通じます。

特に「電話が苦手なメール好き」には、“永久ループ”を抜け出すためのヒントが得られるはずです。

 

スベらない商談力
かんき出版
発売日:2009-03-17
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 納得です
おすすめ度4 中堅営業マンにもお勧め
おすすめ度5 わかりやすい
おすすめ度5 買って、読んで、実践してみた
おすすめ度5 口下手、コミュニケーションが苦手な営業マンにお薦め

 
▼合わせて読みたい:

営業マンは断ることを覚えなさい (知的生きかた文庫)
三笠書房
発売日:2007-08
おすすめ度:4.5
おすすめ度5 必読の営業本です
おすすめ度5 営業の仕組み化・システム化
おすすめ度3 お客さまを否定しない変な癖。

世の中「仕組み」ブームですが、本書は6年前から「仕組み化」を提唱しているという意味で、「仕組み化」の原典といえる一冊です。ポイントは単に「仕組み化」をうたうだけでなく、これに先だって必ず○○を変えなければ仕組みを活かせない、というスタンスに立って書かれていることです。

多くの人が仕組みに気を取られてこの○○をスルーしてしまっているのがもったいないと常々思っていたところでしたので、その○○にズバリ斬り込んでいる本書は読み応えがありました。「~と思っていませんか?」という記述にいちいちハッとさせられます。

 
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