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ライフハックできる職業

最近私が「作家」かどうかを考えさせる機会がいくつかありました。私自身の中で私は「作家」ではありません。偏見でしょうが、私は小説家だけを「作家」と呼んでいるからです。

私の職業がなんであるかとまともに問われると、実際には困るのです。しかし自分の中でどうしてこういう仕事のスタイルを選んでいるかといえばそれは簡単です。ライフハックができる仕事だからです。

「仕事」をきつくするのは不便

セミナーなどでよく言われるのが「ライフハック」を仕事に活かせない、という話です。クラウドサービスが主流になってきてからいっそうその問題は顕著になっています。

「不公平だ」と言われることが怖かったので今まで控えてきたのですが、本音を言うと「そんなにライフハックがしたいなら、できる職業を選べばいい」と思っていました。「作家」はその1つではありますが、べつに作家に限らないはずです。

幼稚園から大学に通う間中、それにDoCoMoサービスに派遣社員として働いていたときも、「自分が組織に属することがこんなにイヤなのは、わけのわからない不便さを強制された上に、それを乗り越えることこそが価値だとされているからだ」と感じてきました。いちばんマシだったのが大学で、いちばんひどかったのは小学校です。

うまい言葉がないので使いますが「シームフル」なのです。小学校の門をくぐる前には、電卓はもちろん、腕時計も使えない、シャープペンシルさえダメです。

小学校時代にも、つまらない発想だと思いました。しかしそれが学校であれば仕方がないとも思っていました。それが会社であっても似たようなことになると知ったとき、「そういう発想の組織には属すまい」と決めたのです。

満員電車であれ、好きでもない人との交歓であれ、心躍るものではありません。しかしそれらは避けがたいものです。でも避けられる不便まで甘受するとなると相当の理由がいります。その理由にまったく合理性が認められないとなると、精神衛生上よくありません。

「不便ゼロ」を求めるとライフハックになる

組織の外に出てしまえば、きらいなものを大好きだと思い込むとか、きらいなものをさせていただけることを心から天に感謝するといった、特殊なマインドハックを駆使しなくてすみます。

その過程にはライフハックがあります。使いたいツールは野放図に使うことができ、「入り口」のところで荷物チェックされたりすることはなくなります。つまり「シームレス」になります。「ワーク」と「ライフ」の境界線があいまいになり、リラックスしたタイミングで得たものを仕事中に整理するだけで成果が上がっていきます。この環境を維持して仕事ができれば、職種は何でもいいのです。

ライフハックが好きな人は総じてこのスタイルを欲しているように見えます。散歩中に「仕事欲」がもたげてきたらその場で仕事をし、カフェでアイデアがわいたらそれをモレスキンとかiPhoneとかロディアでキャッチする。自動的にまとまったものを「仕事中」に整理するだけです。だからクラウドが便利なのでしょう。

ワークとライフの時間がくっきり分かれていて、「入り口」でいろいろな制約を受けてしまうと、この逆のことが起こります。「仕事中」にしか仕事ができないので、アイデアを意識的にひねり出そうとしたり、「やる気を高めよう」として時間を浪費します。それはほとんど不毛な努力のため、仕事中ほど休憩したくなるのです。結果として時間が足りなくなるので、「時間術」を求めるようになるわけです。

そうなったら仕事がなんであっても退屈な上にきつくなるでしょう。私はこうしたきつさを取り除ければ、仕事は概して楽しいものだと思います。楽しければシームレスでも問題ないし、シームレスにできるようであればそれなりに楽しいわけです。

▼編集後記:
佐々木正悟

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というわけで、「クラウドどこでも」です。エントリで書いたことはおおむね「勉強」でも通る話だと思います。「理解力」(ひらめき)と「意欲」(モチベーション)はいつどこで発生するか分からないので、「いつでも・どこでも」という形がよいわけです。

ただし、1つのテーマについてずっと追っているようでなければ、こういうことは起こりません。ですから好きなテーマについて考えるということが前提になります。