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仕事を始める前にノンストップ・最速で走り抜けられるルートをきっちり作っておく

By: SuperCar-RoadTrip.frCC BY 2.0


大橋悦夫月初に、月1回のルーチンタスクが固まっています。

月初は、1ヶ月分のあらゆるデータが締まるタイミングなので、これを一定のルールに従って整理・分類し、今後に活かすようにしているのです。

お金しかり、時間しかり、仕事しかりです。

もう何年も続けていますが、やってくる頻度は月に一度なので、やり方はけっこう忘れています。

とはいえ、さすがにまったく覚えていない、ということはありません。やり始めれば、思い出します。ただ、この「始めれば思い出す」に頼りたくないと僕は思っています。

もっと言えば、「始めても思い出せなかったらどうする?」という不安があります。
あるいは、「不完全にしか思い出せなかったらどうする?」という懸念もあります。

やっかいなことに、自分では「思い出せた」と思っていても、実は一部はモレており、そのモレに気づかないことが往々にしてあるのです。

ストレスフルな一時停止をゼロにする

たとえば、月初に前月1ヶ月分の売上データを集計する、という月例業務を考えてみます。

会計ソフトから前月1ヶ月間の売上データをエクスポートし、決まった手順で「処理」していきます。

このときの手順は、会計ソフトを開いて、データをエクスポートしたあたりから、少しずつ思い出し始めます。

目には見えませんが、頭の中に手順書のイメージが思い浮かぶのです。

あとは、このイメージを参照しながら作業を進めていきます。

でも、目には見えないので、どこまでやったかを確認するすべがありませんし、そもそもそれが完全な手順書なのかも疑わしいものがあります。

  • 「もしかすると、モレがあるかもしれない」

という不安が少しでもあると、そこで手が止まってしまいます。

このような“一時停止”がひんぱんに起こると、それはストレスになります。

一生懸命ペダルをこいで、スピードが乗ってきたところで信号に引っかかって強制的に止められてしまうイメージです。

By: Thomas KohlerCC BY 2.0


ノンストップ・最速で走り抜けられるルートを作っておく

これを避けるには、走り始める前にあらかじめ足止めの原因をすべて取り除いてしまうこと。たとえば、信号のないルートを見つけるなどです。

これを実現するための手段が「レシピ」というものです。

料理のレシピと同じく、そこに書かれている指示どおりに、書かれている順番に従って、手を動かしていけば、目的の仕事がモレなく完了します。

慣れてくれば、レシピを見なくてもできるようになります。レシピを参照する手間と時間が省けるぶんだけ、スピードもアップします。

ただ、もしそうであったとしても、やはりレシピを見ながら作業を進めることを強くおすすめします。その作業を終えた後に、レシピの各ステップをモレなくきちんとこなせたかどうかを確認できるからです。

レシピを見ずに記憶だけに頼って作業を進めると、仮にレシピの一部を飛ばしてしまったとしてもそれに気づきようがありません。

気づいたときには手遅れになっていることもあるでしょう。

早めに気づけば取り返せるかもしれませんが、取り返すのにも手間と時間がかかります。予定外の仕事を背負い込むことになります。

レシピを見る手間と時間を惜しんだ結果、それ以上の手間と時間を失ってしまいかねないのです。

言ってみれば、レシピを作ることは、ノンストップ・最速で走り抜けられるルートを整備するようなものといえます。

By: SuperCar-RoadTrip.frCC BY 2.0


まとめ

というわけで、レシピを作り、そして、使うことをおすすめします。レシピがあれば「始める前に終わっている」状態からスタートできます。

あとはレシピをなぞるだけ済みます。

関連書籍

このレシピの作り方と使い方が詳しく解説されているのが以下の本。「仕事の75%はレシピ化(本書では「テンプレート化」)できる」という主張には強く同意できます。

何よりも、仕事をレシピ化することで、その仕事は自分でなくてもできるようになりますから、自分にしかできない仕事に投下できる時間が手に入ります。

以下、本書より。

科学的な根拠があるわけではなく、あくまで私の経験に基づく感触なので恐縮ですが、私は「仕事」「時間」「テンプレート」について、次のような考えを持っています。

仕事の75%は、その人が付加価値を生めないルーチンワークであり、残りの25%が、ルーチンワークではできない、その人が付加価値を生む業務である

そして、「忙しい」「時間が無い」と仕事に追われている人の多くが、「75%の、付加価値を生まないルーチンワーク」のせいで「忙しく」「時問が無く」なっている。

「付加価値を生まないルーチンワーク」に圧迫され、「その人が付加価値を生む業務」に支障を来している。

自分でしっかりと「(付加価値を生む業務のために)これだけの時間をブロックしておこう」と決めておかないと、過去の繰り返しや単純作業など、付加価値は生まないけれど、やらなければいけない仕事に時間を侵食されてしまいます。

そこでテンプレートの出番です。テンプレートを用意しておけば、ルーチンワークの仕事にかける時間を大幅に削減できるのです。

75%のルーチンワークに25%の時間しかかけずに、25%の高付加価値業務に75%の時間を投下する

テンプレート化すれば、あなたのビジネススタイルは激変します。そして、仕事のできる人の多くは、意識的/無意識的の違いこそあれ、これができている人なのです。

さまざまなシーンごとのテンプレート事例が豊富に紹介されており、参考になります。

» テンプレート仕事術―日常業務の75%を自動化する[Kindle版]


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