『いま やろうと思ってたのに…』に挙げられている「時間を無駄にする“偽善グズ”ゲーム13種」はいずれもドキッとさせられるものばかり。
これらすべてを一気に排除するのは難しいかもしれません。でも、1つずつ地道に減らしていくのもあまり現実的ではない気がします。
まずは、その13の習慣をご紹介したうえで対策を考えてみます。
時間を無駄にする13の習慣
グズはゲームです。先に延ばし、無視し、忘れ、やりたくないことは考えないようにするゲームです。そして、多くの人びとが加わるゲームのひとつを、わたしは“偽善グズ”と呼んでいます。この“偽善グズ”におちいるのは、とても重要な仕事があって、それをやる必要がある、どうしてもやらねばならない、やらないと大変困ったことになる、という場合です。
ところが、あなたはそれをやりたくない。
その仕事があまりにも重要なので、ただ先延ばしするわけにはいかない。これといった適当な理由もなく怠けていれば、あなた自身にもほかの人びとにも顔向けができません。そこで、代わりに立派なことをして肝心の仕事を先延ばしにするのです。
ということで、次の13の“悪習慣”が紹介されています。
- 同じ書類やがらくたを何度も何度もいじりまわす
- コンピューターゲームをやる
- 長電話をし、重要ではないおしゃべりにうつつを抜かす
- 重要ではない不意の訪問客にいつまでも応対する
- ネットサーフィンをする
- 不必要な会合に出席する
- 目的も重要性も締め切りもないまま漫然と働く
- 一度にたくさんのことに手を出し、すべてを片づけるための時間を少なく見積もる
- 優柔不断で煮えきらない
- 「ノウ」と言うべきときに「イエス」と言う
- 疲れきって充分には機能できないときに無理をする
- する必要がないことや他人に任せられることをする
- 行き過ぎた準備をする
一通り眺めていくと、ある1つの共通点が浮かび上がってきます。それは、いずれも高速道路でいうところの「本線」から外れようとする行為である点です。
本来突き進むべき道があるにもかかわらず、それとは別の脇道にどんどん分け入ってしまう。
リストの中には「不要な」とか「重要ではない」といった言葉が目に付きますが、そもそもこれらをついついやってしまっている本人にとっては、そういった判断すらついていないのかもしれません。
こうした悪習慣を何とかするには、そもそも自分がどこに進もうとしているのかの「本線」を、いったん立ち止まって確かめることが何よりも重要なのではないか、と思います。
それを明らかにせずに、とにかく前に進まなければ、と考えていると、結局は空回りになって上記のような袋小路に迷い込んでしまうわけです。
では、どうすればいいか
対策としては、ふだん使っているタスクリストやプロジェクト管理ツールからいったん離れて、白紙の紙に、思いつくままに「今とても気になっていること」を書き出していくこと。
せっかくツールを使ってやるべきことを管理しているのに、わざわざ一から書き出すなんてアホらしい、と思われるかもしれません。
でも、何が「本線」かがわかっていないのであれば、そのツールの真価を引き出すことができていないのと同じこと。
いったんリセットすることで、こんがらかった状況の中から本来進むべき一筋の「本線」が見えてくるはずです。
上記の13の習慣一つひとつの対処法を考えるよりも、手っ取り早い対策になるはずです。