ものごとを前に進めるための新しい知識

カテゴリー: Journalビジネス心理書評

『いつも先送りするあなたがすぐやる人になる50の方法』が3刷、計15000部となりました。どうもありがとうございます。

やはり、今の時代は、やりたいこととやるべきことが多すぎるのだと思います。だから「先送り」という問題を何とかすることが、個々人の大きな課題となっているのでしょう。

いつも先送りするあなたがすぐやる人になる50の方法

中経出版 2010-02-26
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知識だけじゃ人生は変わらない

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今回は、私が本書を書くに当たって参考にした、一見関係なさそうなジャンルの本を一挙にご紹介します。「行動経済学」の本です。

 

予想どおりに不合理

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
熊谷 淳子

早川書房 2008-11-21
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トライアンドエラーの真髄。
理性の脆さ
身近な錯覚や思い込みから人は合理的な選択ができなくなる。

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この本に負ったところは、非常に大きかったと言えます。何といってもこの本の中に、「先送りの心理学」がずばり、登場します。

先送りというのは、多くの場合不合理な行動です。その決断も不合理ですし、全体としては、自分を苦しめることになりがちで、しかもやっている人はそのことに自覚があるのです。

それでも先送りする人は先送りしてしまいます。それも繰り返し繰り返し。そんなに法則性のようなものがあるなら、そこには行動科学でいうところの「強化プログラム」があるはずです。もしそれがプログラムであれば、解除することも可能なはずです。

類書に次のような本もありますが、個人的には『予想どおりに不合理』のほうが面白かったです。

人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く
遠藤 真美

ランダムハウス講談社 2008-11-20
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良いところも悪いところもある本。
腑に落ちる理論
借りてきた言葉に説得力を感じない

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行動経済学

行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)

光文社 2006-05-17
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行動経済学が投げかける問題意識を身近に感じることができる良書
従来の経済学の理論が腑に落ちなかった人は、この本を読むべき!
経済人なんていない

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地味な印象ですが、この本はしっかりした本で、おすすめです。冒頭から面白く読み進めることができます。

私の本の参考資料という意味では、「人は計算間違いをしてしまう」という部分がとても勉強になったのです。しかも、本を読んでいる限りにおいては、自分の間違いを自覚することができますが、日常生活の中では、ダメージを負うまでは計算違いに気づきません。

最悪の場合、先送りは先送りではなく、やり忘れになるというわけです。

 

FREE

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略
小林弘人

日本放送出版協会 2009-11-21
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ネット時代の音楽産業の未来を読み解く。
「フリー」の応用範囲はちょっと不自由じゃない?
こんなにページ数は要らないのでは? (^^;;

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レビューにも見えていますが「こんなにページ数はいらないのでは」と思った人もいるかもしれません。ですが、この本は「FREE」の話以外の部分も、面白いのです。

もちろん、この本の肝は「無料からお金を生み出す戦略」です。しかし、心理的には「無料につけ込まれやすい人の心」にあります。「無料」に損はない。だから「無料」なら何でもやる気になる。これほど「やる気」にさせる方法はあまりありません。

人は、ただやる気にはならなくても、無料だといわれると、ふだんやる気にならないことにまで、やる気を出します。ここにはなんだか、不合理なところがあります。有料だと思っていたものが無料だとなると、価値がないものに価値を見いだしてしまうのです。

時間の使い方には、これよりもなお、不合理な発想があります。何もすることがないとき、人はしばしば退屈を覚えますが、やらなければいけないことに緊張感を覚えたとき、それをやらなくてすむとなると、すごく気持ちが良くなるのです。

だから「先送り」という行動は、これほど良く繰り返され、強化されるのです。

 

誘惑される意志

誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか
山形 浩生

NTT出版 2006-08-30
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誘惑されることを選択すること
著者の言うとおりならば、俺は「正常な人間」じゃなく「『超』正常」なのかもしれない。
実証実験に基づいた痛快な思考実験

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以上の話を学術的にきわめてていねいにまとめてくれているのが、本書です。「人はなぜ、自滅的行動をするのか?」の中には、先送りという行動はむろん含まれます。

選好逆転・双曲線割引など、意志と衝動から不合理な行動が生まれるわけを、学術的に考察した内容のまとめです。直感的には納得できないということもありますが、このような公式が存在するということ自体、面白いものです。

 

▼編集後記:

河合隼雄さんの評論で知って読んだのですが、このたびスタジオジブリで映画化されるようですね。ちょっと驚いて、読み直しました。

あっという間に読める本です。基本的には子供向けの童話です。どのように映画化されるのか楽しみですが、映画を見るタイミングを得られるのだろうか?

床下の小人たち (岩波少年文庫)
ダイアナ・スタンレー

岩波書店 2000-09
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ジブリ新作「借りぐらしのアリエッティ」原作
ファンタジー☆

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