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Wordのストレスをゼロにする1冊

Wordのストレス解消読本 -Wordの「本当の」使い方教えます[2007/2003/2002対応]
Wordのストレス解消読本 -Wordの「本当の」使い方教えます[2007/2003/2002対応] 西上原 裕明

技術評論社 2010-02-06
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starおもしろい!
starWordのストレス解消になる可能性あり

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もしあなたが好きでもないのにマイクロソフト社のWordを使わなければいけなくて、以下のようなWord独特の現象にいらだたしさを感じているなら、本書をぜひ買って読むべきです。

・行間をうまく設定できない
・箇条書きのインデントをうまく設定できない
・見出し番号をつけたのに、うまく連番にならない
・写真や図を貼ると、意外なところに貼りついたり消えたりしてしまう
・フォントを一度太字にして、あとから書式をクリアしようとすると、太字指定が解除できたりできなかったりする

ある程度詳しい人だと、これらの現象の原因をどこに求めていいかで、大変に悩むでしょう。

Wordのバグなのか
Word独特の仕様なのか
自分が間違っているのか

『Wordのストレス解消読本』を読むと、その大半がバグとは言えないまでも、かなり奇妙な「仕様」なのであり、普通に考えれば「どうしようもない」としか言いようのないケースであることが分かります。

その辺の「裏事情」に精通してくると、「Wordが使いにくい」のはなぜなのかということがわかってきて、ストレスを感じにくくなります。ストレスの大半は「わけのわからなさ」から生じているもので、「わけのわからなさ」が「分かってくる」ことで、ストレスは解消されてしまうのです。

「行送り」「行間」は「行高」の誤り

一例を挙げるなら、Wordに独特の(私には独特としか思えなかった)「行間の問題」があります。Wordでは「行間」を「1行」とか「1.5行」として、幅を変えることができるのですが、これがイメージ通りに行くことは希でした。

確かに「広くすれ」ば「広くなる」し、「小さくすれ」ば「狭くなる」のですが、その結果が直感的なイメージとは全く違うのです。異常に広がったり、あまり変わらなかったり。何より「1行」や「1.5行」をどう反映しているのかが不明でした。

ですが私はWordを大学で使わされ、会社で使わされ、留学中にアメリカの大学で勉強させられ、帰国してからは出版社に使用を「強く推奨」されるなどしているうちに、Wordのユニークな「行間」を感覚的に使い分けられるようになってきました。

とはいえ、D・A・ノーマンも指摘したとおり、機械の操作は予測イメージと結果イメージの食い違いが生ずればストレスになります。ストレスのレベルは、食い違いの大きさに比例すると思えるほどです。

そんなストレスとも、今はおさらばできました。「行間」の疑問が氷解したからです。『Wordのストレス解消読本』にはこうありました。

 この「Line Space」に対し、日本語版Wordでは「行送り」または「行間」という訳語を当てています。「行送り」と「行高」は大きさとしては同じでも、レイアウト上の意味は異なります。まして、「行間」などとはもってのほか。行送りを行間と呼ぶなら、行の間の空きのことはなんと呼べばよいのでしょうか……

私はこれを読んで、長年の疑問が解けるとともに、胸のすく思いを抱きました。なるほど、Wordでは「行間」と呼ばれていたものは、行と行の間の幅のことを指していなかったのか!

なぜ図を消さないのに図が消えるのか?

Wordにはもう一つ、初心者はもちろん、中級者まで泣かせるようなすごい挙動があります。図や表を、狙った場所に固定することが、ほぼ不可能なのです。

私の妻はかつて、福祉施設に勤めておりました。そこでは、毎月「活動報告のような月間新聞」を発行していました。こうしたものを定期発行することは、妻の勤め先のような施設では大変意味のあることなのですが、問題はそれを、誰も詳しい使い方が分かっていないWordで作っていたことなのです。

そもそも、中綴じで8ページもあるチラシのごとき「新聞」を、Wordの「DTP機能」でどうにかしようということ自体に無理があると思うのですが、中でも難しいのが、「写真付きのちょっと凝った囲み記事を豊富に組む」ところです。妻は四苦八苦していました。一文字消せば、図も消えて、一文字増やせば、図は次ページへ回る。高度なパズルゲームのようなものです。

先の見えない、一ページ作るのに半日かかる作業を八ページ分。問題なのは、かかる時間の大半が、作業工程の分量の多さによるものではなく、試行錯誤によるものだというところです。ヘルプを読んでも分からない。参考図書を買っても分からない。もちろん施設の同僚・上司には何も分からない。

これはWordに限った話ではないのですが、もともと文書作成のみを目的としたいわゆる「ワープロソフト」に図表を組み込む場合には、「レイアウトボックス」や「段落」の中で「図」がどのような扱いになっているか、そのルールを押さえておく必要があります。Wordは「アンカー」という概念を持っていて、これを知らずに目に見える図表ばかりを追いかけていると、永遠に試行錯誤の迷宮をさ迷い続けるしかないのです。

『Wordのストレス解消読本』には簡潔にこうあります。

図だけのページは作れない

これの意味が分からなかったり、これを読んで「あっ」とも何とも思わない方が、Wordで図表を扱う立場におられるのでしたら、ぜひ『Wordのストレス解消読本』を一読してください。絶対に損はありません。

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▼編集後記:
佐々木正悟

最近、友人のモレスキンノートをたまたま拝見する機会がありました。そんなに人の「手帳」というものをじっくり見る機会はないので、面白い体験でした。

見て、思ったことは、「楽しそうだ」という印象でした。その人はただたまたまモレスキンを愛用しているだけで、ノート術ともライフハックとも全く縁遠い人なのですが、「術」はなくても「趣味」はしっかりとありました。

こういう要素は、やはりテクニックがなくても欠かせない。私自身のノートは性格を反映していて、ロディアであれモレスキンであれ、あまり楽しくない。もっとこう見た人が「楽しそうだ」と思うノートを無意識裡に作るようになりたいと、そんなことを思いました。

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