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Macユーザーのための「超効率」仕事術を出しました

By: Jon ÅslundCC BY 2.0


佐々木正悟 この本は、私自身がずっと構想だけを引っ張ってきた本です。といってもそんな本はたくさんありますが。


自分の困ったことが解決できなかったら、その時はお前がその本を書け。

「わからないこと、困ったことがあったら本屋に行け。

世の中には、自分と同じことで困ってるヤツが必ずいて、
そんなヤツのために書かれた本というのが、必ずあるもんだ。

で、本屋をどんなに歩いても、
どうしても、自分の困ったことが解決できなかったら、
その時はお前がその本を書け。」

一緒にセミナーをさせていただいた大槻水澄さんのブログからの引用ですが、私も水澄さんのお父さまと全く同じ意見だったので、「どう考えてもMacで仕事をするための本が足りない」とずっと思っていたのです。というわけで本を出しました。

だいたいこの種の本は「多々益々弁ず」とまでは言えないにせよ、多くあれば読者としては助かるという部分はあるので、今みたいに少なすぎるという状況にいいことはあまりありません。

最近、Evernoteの本が「レッドオーシャン」でしばしば変な話題になるものの、私がEvernoteの本を出したいといくつかの出版社さんに掛け合ったときには「Evernote? なんですかそれは? そんな聞いたことのないサービスの本は出せません」というような、「にべもない」お返事が多かったのです。

というような次第のため、たくさん本があるテーマの本は出しやすく、一冊も本がないテーマの本は出てこないという、読者にとっては充分不都合な状況が続きやすくなっています。

それは不都合なので、今回のこの動きをきっかけに、いろんな本が、電書でもいいので、出てきてくれたらと思います。

Macの本が欲しいわけ

Macの本なんかなくたって、ネットでブログなどから情報収集すれば、欲しい情報の大半は手に入るだろうに、と詳しい人は思うでしょう。

しかし本というのは、こういう形にしてみるとよく思うのですが、べつに詳しくない人向けというわけでもありません。もちろん「初心者向け」という意味はあります。

本は、ひとつには記憶の補助になります。ブログだって同じだ、と思われるかもしれませんが、本に比べてネットで情報を探すときには、より多くの思考力や記憶力を必要とします。

たとえば、MacとiPadのどちらでも無理なく使えるテキストエディタを探していて、そのファイルはクラウドで共有したいというようなとき、検索をかけてしばらく情報を得れば、いくつかの候補はすぐに思い浮かぶでしょう。

Ulyssesなり、iA Writerなり、Writeなりについて、いろいろ書かれているいろいろなブログなどを読み込む。

読み込んでいくにつれ、様々な情報を頭は整理しはじめます。たとえばiA Writerの最新バージョンはいくつか? クラウドで共有というが、iCloudにするのか、それともDropboxにするか。Mac版、iPad版、iPhone版は、それぞれいくらで、全部買うとなったらいくらくらいになるのか? 前に買ったアプリはなかったか? 標準の「メモ」では代替にならないか? そもそもEvernoteでダメな理由は? それぞれのアプリの「書くことを便利にする特徴」としては何があるのか?

というようなことのすべてについて、詳しい人ならだいたいアタマに入っていて、検討事項にできていると思いますが、それにしてもけっこうな思考力を要します。しかも、一度出した結論を、いちおう覚えておかないと、時間が無駄になります。しかも、時間が経つと価格やバージョンなどの細かいところが変化します。

本は、以上の思考過程と結論を、特定のタイミグでピン留めしておくようなものです。情報それぞれについては「ブログを読みあさればいらなくなる」かもしれませんが、たとえば逆にブロガーさんからしてみると、ある程度の情報が「本によって共有」されていたら、書かずにすませられる部分も増えてきます。

まして得意な分野はまだしも、苦手な分野だと、調べたくもならないということもあります。たとえば私はインフォグラフィックなど苦手なので、この本の共著者、海老名さんの記述に非常に助けられました。

テーマについて細かい分野を横断し、特定のタイミングでの情報が、横一線にまとめられている「本」というのは、目に見えにくい苦労を減らしてくれます。それが500円程度で手に入れられるのであれば、まあ悪くはないのではないでしょうか。