持ち味を生かして自分らしく働き続けるための5つのポイント



今回ご紹介する『だれかに話したくなる小さな会社』という本には、本当に「だれかに話したくなる小さな会社」がたくさん紹介されています。

例えば、

などなど。

それぞれ独自の持ち味で勝負しているのですが、共通するのは「自分らしさ」を明確に打ち出している点。

このスタンスは、会社だけでなく個人にとっても、楽しく仕事をする上で役に立つはずです。

そんな「自分らしさ」を見つけるためのポイントを本書から5つご紹介します。


1.顧客を絞り込むフレーズを考える(p.78)

1つめが自分の顧客を絞り込むためのフレーズを考えること。

遊び半分で良いので街を散歩しながら、もしくはドライブしながら、目にするお店や会社、商品・サービスに「女性専用~」「学生専用~」「初心者向け~」「一人暮らしの男性向け~」など、顧客を絞り込むようなフレーズをつけてみてください。意外と「これはいけるかも」という発見があるかもしれません。

このフレーズを見つけることが、先の例にあるように「コーヒー愛好家」や「鉄道模型好き」といった特定の限られた人たちに愛されるための第一歩になります。

2.自分のポジションを明確にする(p.82)

縦軸の上下に切り口となる言葉を、横軸の左右に切り口となるような言葉を。それらの言葉は図が示すように、それぞれ縦軸で両極端、横軸で両極端でなくてはなりません。マップができたら、対象となる会社やお店をその上に配置していきます。

いわゆる「ポジショニングマップ」です。

練習用に「カレー屋に入ったら、カレーが運ばれてくるまでの5分の間に、近隣のカレー屋のポジショニングマップを書いてみる」といった方法も紹介されています。

紙に線を2本(縦軸と横軸)引くだけですぐに始められますから、現在の仕事、あるいは今後やってみたい仕事について、取り組んでみるといいでしょう。

3.「あなたは何の専門家ですか?」に即答できるようにする(p.87)

「私たちは、○○の専門家です」と、すぐに答えられれば素敵です。もう少し説明的としても、「私たちは、○○で○○な方に○○を提供する会社です。そして、世の中の○○を解決します」と、ほぼワンフレーズで答えられたらカッコいいですね。

エレベータートークという言葉がありますが、初対面の相手に自分のことをスパッと伝えられるフレーズを持っておくことは、相手にとってはもちろん、自分自身にとっても役に立ちます。初志を忘れずにいられるからです。

本書の中では、「ブランド力」は「フォーカス力」である、と書かれています。焦点が一点に集中しているからこそ、パワーが生まれるわけです。

4.たった一人の人に向けてメッセージを発信する(p.96)

「層」にメッセージをあてるという感覚ではなく、その層のなかの「たった一人の人に向けて発信する」というように発想の転換をしてみましょう。そのたった一人のためにパンフレットやホームページをつくったり、キャッチコピーを考えたり、ブログを書いたりしてみてください。「世界で、その一人だけのためにビジネスをやっている」と考えるくらいの勢いです。

これも「フォーカス」の考え方に沿った行動です。

ビジネスで成功した人のインタビュー記事などを読んでいると、よく「母親が○○で苦労しているのを見て、何とかしたいと思った」といったフレーズに出会います。

ビジネスの原点は身近な人を助けたいという素朴な想いからスタートすることが少なくないわけです。

「自分が欲しいと思ったサービスがまだ世の中になかったので、作った」というケースもあるでしょう。

5.想いを発信し続ける(p.114)

ニュースレター等の発行物は、普通「対外的なもの」として考えられますが、小さな会社にとっては「対内的なもの」の比重も、とても高いものがあります。自社のニュースレターを通じて、

 「ああ、社長はこんな風に考えているんだな」、
 「今期は、こんな方向で行くんだね」

と、スタッフと会社の相互理解が進むことも実際に多いです。「社員教育」の一環として考えれば、ニュースレターづくりは、なかなか費用対効果の高い、おすすめの取り組みです。

小さな会社の一歩手前である、個人で仕事をしている人にとっても、自分の想いをブログなどで発信し続けることは、他でもない自分の役に立ちます。

自分が目指している方向性を文章を通して確かめることができるからです。

まとめ

「小さな会社」と銘打っていますが、大きな会社に属している人であっても、自分がどんな風に仕事をしていきたいか、仕事の中で自分をどのように表現していきたいかは、常に問われるところでしょう。

その意味で本書は、自分らしく仕事をしたいと考えているすべての人に読んでいただきたい一冊です。


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