1年を大きく変えるための「小さな習慣」

カテゴリー: ビジネス心理書評



脳が教える! 1つの習慣
ロバート・マウラー 本田 直之

講談社 2008-07-05
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 調査によると、典型的な新年の誓いは一〇年繰り返され、そのうちの四分の一は年明けから一五週間のうちに挫折して翌年また引っ張り出されるという。

明日は大晦日です。上記引用は、シゴタノ! —    挫折しないためのたった1つの方法で私が引用した箇所ですが、毎年今頃の時期に読み直す価値があると思っています。

ところで、本書の邦題は相当の意訳です。『脳が教える!1つの習慣』の原題は、「1つの小さなステップが人生を変える」なのです。内容は明らかに「小さな習慣の重要性」を説いています。

「小さな一歩」が「習慣」を作り出す

藤村 あと用途が明確だとアナログは使いやすいです。僕はライフログ(その日にあったことを時間で区切ってひたすら記述する)をMOLESKINEに書き始めたのですが、これが習慣になっちゃいました。

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この引用の藤村さんの「習慣」は、シゴタノ!にも寄稿されている堀正岳さんの『モレスキン「伝説のノート」活用術』の影響だそうですが、とてもすばらしい実例です。引用元を読んでいただくとわかるのですが、実に自然な流れで「習慣になっちゃった」のです。

この自然な流れを作り出すには、「小さな」第一歩がとても重要です。朝早く起きるようになりたいのなら、「毎週5分ずつ早起きしてみる」といったやり方でやるわけです。

心理学には「筆記療法」という心理療法が開発されていて、「一日15分から20分程度、3ヶ月から4ヶ月の間、自分の「感情面」を記録していくと、自分の情緒に対する認識が深まり、いろいろな「心理的問題」が解決される」といわれます。

バリエーションはいろいろありますが、これは、簡単なようでかなり難しいことです。

『脳が教える! 1つの習慣』では心理療法をうんと簡易化し、「1日2分、やってみる」ということを勧めています。そしてそれでも、「十分な効果を発揮しはじめる」と事例を挙げて説かれているのです。

ライフログも同じです。ライフログを習慣にしたいと思うなら、そしてこれまであまりそういうことをやったことがないなら、朝と夜、1日2項目ずつから始めてみることです。

成果を生み出す「小さなご褒美」

しかしそんなに「小さな行動」では、たとえ習慣になったとしても、大した効果も変化も出ないのでは、と心配になるでしょう。その心配が「目標を遠大に」してしまって、挫折させやすくなるのです。

頭だけで考えると、「小さすぎる行動」は何らの成果ももたらさず、したがってメリットが感じられず、むしろ挫折につながると思ってしまうかもしれません。しかしそれは次の2つの点で考え違いをしています。

最近、このブログの管理者である大橋さんも使っているiPhoneの「小さな」アプリがあります。Touch Goalというのですが、「ターゲットの目標を達成したら、ポイントと効果音でご褒美をくれる」というものです。

このポイントはアプリ内で完結した、経済的な意味はゼロのものです。たとえ10億ポイント溜まろうと、1円にもなりません。しかし、大橋さんはこれでなかなか書けなかった原稿を一本書いたといいますし、私はこれで苦手の早起き(といっても7時50分に起きるというだけ)を一週間続けられています。

ゲームでよく使われている手ですが、この種の効果音の「効果」とは何なのか? これは、自尊心が高まるところを知覚化しているのです。なんだか気持ちのいい音は、大事なステップを達成した直後に聞くと、ずいぶん気持ちがいいのです。「小さなご褒美」とはすべてそういうことにつながっているのです。「小さなステップ」を乗り越えることは小さな事ではないのです。

2011年の目標について、以上を簡単にまとめ、「小さな質問」を出させていただいて、今年のエントリを締めくくりましょう。

・あなたの来年の目標を達成するための「小さな一歩」は何ですか?
・小さなステップを達成したときのための「小さなご褒美」は用意してありますか?


それではよいお年を!


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