「相手からYesを引き出す技術」を高めたい人は必読!|『プレゼンはテレビに学べ!』

カテゴリー: 書評

書名の通り、プレゼンすなわち相手からYesを引き出す技術を高めたいなら、テレビに学びなさい、と主張する一冊。


以下、「はじめに」より。

パワーポイントやiPadなどのIT機器を使ってのプロジェクトの説明をするだけがプレゼンではありません。自己紹介も、就職活動のためのエントリーシートも、選挙運動も……すべて人生におけるプレゼンテーション活動です。

テレビの視聴率は10%で視聴者が約1000万人といわれます。1000万という人を瞬時に引きつけるテレビのテクニックについて、皆さんが必ず見たことがある例えを交えながら、日々の仕事やコミュニケーションへの応用方法を紹介していきます。

皆さんがテレビを一生懸命見て、プレゼンの研究をする必要はありません。本書でご紹介するテクニックやツールをマネするだけで大丈夫です。

そうすればきっとあなたも、テレビキャスターのように分かりやすいプレゼンができるようになるでしょう。(p.009)

ここを読むだけでも「この人の吸引力すげー」と思ってしまいます。1000万人を瞬時に引きつけるテクニックですから。

内容についても期待を大きく上回る分かりやすさで、「なるほどねー」「そうかー」と思わずニヤニヤしながらページをどんどんめくっていけます。

「とくダネ!」、「笑っていいとも!」、「笑点」、「世界一受けたい授業!」、「劇的ビフォーアフター」、「エンタの神様」などなど、有名番組で駆使されている視聴者を引きつけ虜にする(チャンネルを変えさせない、毎週観てもらう)ためのテクニックが具体例とともに解説されています。

個人的には、いつも「これうまいなー」と思っていた以下について取り上げられており、「ですよねー」と再確認したりもしました。いや、ネーミングは本当に大事。

プレゼンする商品やサービスが競合相手と比べ性能や価格にあまり差がなくて、何をアピールしたらいいか困ることはありませんか? そんなときに使えるのが「キャッチフレーズ」です。

お笑いネタ見せショーの「エンタの神様」(日本テレビ・番組は終了)では、出演する芸人さんにさまざまなキャッチフレーズがつけられていました。

たとえば、東京03は「三つ巴の笑劇場」(芝居仕立ての三人組なので小劇場とかけている)、アンガールズは「天然系不思議空間」(天然ボケのコンビが不思議な人を演じている)、芋洗坂係長だと「酎笑企業の宴太テイナー」(係長なので中小企業とかけて。本人も太めの男性)など……。

芸人さんの特徴や名前が同時に覚えられるだけでなく、ネタのおもしろさが増幅する仕掛けでした。(p.139)

「酎笑企業の宴太テイナー」とか、たった11文字なのにそこに詰まっている情報量の多さには本当に驚かされます。こういうキャッチフレーズをつける能力というかセンスを磨く上でも、本書は参考になるでしょう。


 

合わせて読みたい:

キャッチコピーについてより深く学びたいなら、その道のプロ・川上徹也さんの『キャッチコピー力の基本』がおすすめ。

以下のような“症状”に心当たりのあれば、必読でしょう。


キャッチコピーといっても、様々なパターンがあります。たとえば、「問いかけてみる」というパターン。

●見本 ►|恋を何年、休んでますか

このコピーを見て、ドキッとする方も多いでしょう。「恋をする」「恋をしてない」という言い方はよくしますが、「恋を休む」という表現が新鮮だったのです。このフレーズは、のちに連続ドラマのタイトルとしても使われました。コピーライターは眞木準さんです。

次に、「問いかけている」例を雑誌から見てみましょう。

●普通 ►|あなたの会社に「働きがい」がないわけ
 ↓
●見本 ►|なぜ、あなたの会社は「働きがい」がないか?

雑誌『プレジデント』の特集の見出しです。会社で働いている人も、経営している人も、グサッと刺さる問いかけです。hint1でも述べたように、自分に関係するものだと思ってもらえると、読んでもらえる確率は大幅に上がります。(p.66)

引用したのは「問いかけてみる」という18番目のパターンの解説(一部)なのですが、このような調子でトータル77個のパターンが分かりやすく紹介されており、すぐにでも使ってみたくなります。

特に、アクセス数を増やしたいブロガーや開封率を高めたいメルマガ執筆者であれば、エントリーのタイトルを改善するための実践的なヒント集として活用することで、買ったその日から効果を実感できるはずです。「タイトルだけ見て、中身を読んでもらえなかった」というのは、ブログやメルマガにもぴったり当てはまる課題ですから。


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