習慣を長続きさせるための3つのポイント

By: midwestnerdCC BY 2.0


今年も残りあとわずか。来年こそはあの習慣を長続きさせよう、と思っている方も少なくないでしょう。年末年始にじっくり準備をして、年明けからはきちんと続けられるようにしたい…。そんな方のための、僕自身も実践している習慣を長続きさせるための3つのポイントです。

  1. 摩擦係数を限りなくゼロに近づける
  2. プロセスをブラックボックス化する
  3. この2つをお金で買う

1.摩擦係数を限りなくゼロに近づける

続かなくなるのは、現実に気持ちがついていかなくなるから。

ランニングの習慣が続かなくなっているとしたら「寒空の中を走りに行く」という現実に対して「行きたい!」という気持ちをかぶせられなっている状態です。代わりに「行きたくないなー」という気持ちが高じています。

このとき、現実と気持ちとの間に摩擦が生じている、と考えます。この摩擦係数を減らすことができれば、現実に対して気持ちの“クラッチ”が入り、行動という“アクセル”を踏み込むことができるようになります。その先に習慣という“安定走行”が得られます。

クラッチが入っていないのにアクセルをふかしても前には進めないのです。

そこで、例えばパーソナルトレーナーと一緒に走る、という約束を入れてみます。「約束を守る」という現実に対して「守りたい(裏切りたくない)」という気持ちを自然とかぶせることができるので、結果、走りに行くことができるようになります。

まず、現実と気持ちとの間に生じている摩擦を見つけ出すこと。次にその摩擦を解消するための新しい現実に差し替えること、です。

2.プロセスをブラックボックス化する

やるべきことがわかっていても、そのプロセスを思い描いただけでうんざりしてしまうと続かなくなります。

「わかっていること」と「それができること」との間には埋めるべきミゾがあるのです。このミゾを埋める方法は次の2つ。

  1. 楽しくする
  2. 自動化する(ブラックボックス化する)


続けることが楽しいと感じられるなら問題はないでしょう。

プラモデルを作る作業が楽しくて仕方がない小学生は、それがどんなに手間のかかるものであっても、夢中になって手を動かし続けるはずです。

初めはつまらなかった仕事も、分かってくると楽しくなる、ということはあるでしょう。

とはいえ、あらゆる作業に楽しさを見いだすのは容易ではありません。

そこで、続ける作業にかかる手間とエネルギー(=面倒くささ)を減らす方法を考えます。

それが自動化。

例えば、以下のiPhoneアプリは歯磨きにまつわる面倒くささを大いに削減してくれます。

200円
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歯磨きにまつわる面倒くささとは、

という一点でしょう。

歯磨きの目的は、遠くない将来に虫歯で歯医者にかかるリスク(時間とコスト)を回避することである、と考えられます。

この目的に沿う範囲であれば手を抜くことは許されるわけです。でも、その基準を数値化できるでしょうか? それができないとすると手探り状態で歯磨きに取り組むことになります。

どれだけのエネルギー(注意力)を歯磨きに拠出していいのかがわからないので、ストレス(不快感)を感じるようになります。スッキリしないのです。

そこで、上記のアプリを使うことで、このあいまいさを割り切ることができます。ガイダンスどおりに手を動かしさえすれば必ず5分で歯磨きが終わります。

歯を磨く前からどれぐらいの時間とエネルギーの“出費”になるのかの見通しが立つので、ぐずぐずすることなく取りかかれるようになります。当然、ストレスは減ります。

この自動化がなぜブラックボックス化なのか? それは「どういう仕組みになっているかわからないが、とにかくこの手順で手を動かせばきちんと終わる」という状態を作ることになるからです。

これは、走りに行くのはイヤだけど、トレーナーと一緒に走ればいいのなら気が楽になる、のに似ています。

いずれもブラックボックス化することによって、余計なことを考えなくても済むようになるため、エネルギーの節約にもつながります。面倒くささが削減できるのです。

3.この2つをお金で買う

パーソナルトレーナーもアプリもお金がかかりますが、それによって「やらない」「続かない」を防げるのなら必要な投資と言えるでしょう。

 

合わせて読みたい:

「続ける」をこれほどわかりやすく解明してくれた本を他に知りません。解明するだけでなく、そこから具体的に何をすればいいのか、その手順の解説も秀逸。刊行から10年たちますが、いまだに売れ続けているのもうなずけます。

» パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学


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